【SuG】いろいろな色を重ねた上での
“BLACK”
L→R Chiyu(Ba)、shinpei(Dr)、武瑠(Vo)、masato(Gu)、yuji(Gu)
ストリートでゴシックでヒリヒリしていてキュンとさせる切なさもあるニューアルバム『BLACK』はSuGの原点であり、ジャンルを軽々と飛び超えるバンドの本質が曝け出された作品。同作について5人に話を訊いた!
取材:山本弘子
約3年振りのオリジナルアルバム『BLACK』は活動休止期間を経て進化したSuGの“今”を感じる作品でした。洗練されているのにヒリヒリしていて、もしかしたら、初めてコンセプチュアルではないアルバムなのかなと思いました。
武瑠
実はめちゃくちゃコンセプチュアルです(笑)。ただ、3rdアルバム『Lollipop Kingdom』や2ndアルバム『Thrill Ride Pirates』のように設定を限定したコンセプトアルバムではないから、そう感じるのかもしれないですね。今回の舞台は東京なんですが、ストーリー自体は10年前から考えていて、ゆっくりゆっくり練っていったものなんです。まだ客観視できてないけれど、ファッションも、音楽も、自分の思想も、好きなものが全部詰まっている。アルバムの題材が自分の人生みたいなところがあるから、取材も“あなたはどんな人間ですか?”って訊かれているみたいで、うまく答えられないんですよ。
SuGがずっとやりたかったことが詰まったアルバム?
武瑠
そうですね。メンバーを探していた時、ビジュアル系とミクスチャーのハーフみたいな音楽をやりたいというイメージが漠然とあったんです。当時は自分のやりたいことがうまく言葉にできなかったし、未熟でうまくかたちにできなかったけれど、やっと“ストリートゴシック”というSuGを表す言葉が見つかった。今回のアルバムも、着ている服もストリートゴシックがキーワードになっています。
Chiyu
今までの総括というところもありつつ、確実に成長しているのを感じてもらえると思います。これまでがホップ、ステップ、ジャンプの段階を踏んでいるとしたら、今作はいきなりジャンプした感じ。うまく着地できるかはライヴで曲をどう表現できるかにかかってますが(笑)、ベーシストとして、ここから可能性をまた広げられるなと実感しています。
SuGの変化と変わっていないところは?
shinpei
ジャンルレスなところは昔から変わってないんじゃないかな。ただ、音作りも含めラウドな曲が増えているし、過去の3枚のアルバムと比べたら武瑠くんも言っていたように、ファンタジーというよりは現実に寄った曲が多いので、印象は違うかもしれない。根本は変わらないですけどね。
masato
バンドが最大限の力を発揮できたアルバムだと思います。支えてくれたエンジニアさんやアレンジャーさん、スタッフの方…いろいろな要素が混ざってできた作品ですね。
yuji
メジャーでは出させてもらえないようなアルバム(笑)。楽曲もアレンジも、目いっぱい背伸びしている部分もあるし。
shinpei
確かに自由にやらせてもらってますね。
yuji
その分、責任は俺らにある。だから、このアルバムが評価されなかったら路頭に迷う(笑)。
アルバムのタイトルはなぜ“BLACK”に?
武瑠
タイトルも3年ぐらい前に思い付いたもので、いろいろな色を塗り重ねていくと黒になるのが、SuGの音楽の多様性やカラフルなイメージを考えると“らしい”なって。ジャケットもカラーバーを使っているけれど、タイトルが“BLACK”っていうアンバランスな感じが自分たちに合っていると思ったんです。タイトル曲「BLACK」に関しては全体の流れを集約した曲でもあり、全てのストーリーが終わってエンドロールに流れる曲というイメージがあります。
MVはどんな映像になっているのですか?
武瑠
今回の写真やアートワークそのままですね。これまでのシングルには全てテーマカラーがあったんですよ。「sweeToxic」なら“赤”、「MISSING」は“紫”、「B.A.B.Y」は“オレンジ”、「CRY OUT」は“青”。最終的に“BLACK”につなげるために変えてきたんですけど、MVではスプレー缶がアイコンになっていて、例えば「sweeToxic」なら赤い服を着たまーたん(masato)が赤のスプレー缶を吹き付けていたり。ストリート感があって壮大な映像になっています。
なるほど。全17曲ボリュームたっぷりのアルバムの中、あえて1曲ずつプッシュ曲を挙げるとしたら?
shinpei
あえて選ぶなら「sweeToxic」。ライヴでやるたびに馴染んでいった曲でもあり、当時はヘヴィとキャッチーのバランスを模索していた気がするんですよね。これからのSuGの代表作になるだろうなという予感があった曲。
Chiyu
俺は「FRIDAY!!」。聴いたら“何、このオシャレな感じ?”ってSuGとは思わないかもしれないですね。
メロディーはポップなのにベースは極太というか。
Chiyu
ハハハ。ドラムもベースもかなり難しい。
shinpei
きっとライヴで再現するのが大変だよね。
masato
僕は「HELLYEAH」のSuGバージョン。浮気者(武瑠のソロプロジェクト)のEDM寄りのアプローチをバンドアレンジにしたら、ライヴで盛り上がる曲になったし。
yuji
僕は「神様の悪戯」。クリーンギターが好きなので。
R&B色が強くてyujiくんらしい曲調ですね。
yuji
俺にしか作れない!…この5人の中では(笑)。
武瑠
このクラスの班では俺が一番!みたいな?(笑) 俺は1曲に絞るのは難しい。「HELLYEAH」や「overflow」の音はゴシックなのにポップで今掲げているテーマにぴったりだし、起承転結で言うと「SOS」や「一蓮托生」、「神様の悪戯」は恋愛をテーマにした切なくて話の核になる部分だし。
全体的には今までより男子に受けそうだなと。
shinpei
確かにサウンド面でそういう要素はあるかも。
武瑠
そういう音が作れたのが嬉しかったことでもあるしね。
最後にツアーはどうなりそうですか?
武瑠
曲調と感情が一致している曲が多いので、MCも含めて全体的にストレートなライヴになると思います。これまでは本編でアルバムの曲を全部演奏していたけれど、本数が多いので今セットリストについて考えているところです。
アーティスト
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