【DENIMS】今のDENIMSが100パーセン
ト分かるミニアルバム
大阪・堺で結成されたDENIMSが、初の全国流通盤ミニアルバム『Daily use』をリリース! 全体を通して上機嫌なバンドサウンドが気分を高揚させてくれる。日常に溶け込んだ、まさに“Daily use”な今作について訊いた。
取材:高良美咲
2012年末の結成からはどのような活動を行なってきたのでしょうか?
江山
自分たちで建てたOSAMIstudioでひたすらデモ音源を作ってはライヴの日々でした。
釜中
DENIMSになる前、ギターのおかゆ(岡本)以外はAWAYOKUBAというバンドをしていたので、その延長で新しい曲を作って、心機一転DENIMSを始めました。メンバーがキーボードからギターに変わったことで音の雰囲気が変わったと思います。
岡本
僕以外の3人はもともと一緒のバンドやったんで、なんとか3人のノリに寄せようと最初は結構悩みましたね。でも、段々自分がどういうギタリストであるべきか分かってきて、今は自分が聴いてきたザ・ビートルズや90年代のオルタナをいい感じでミックスできてると思います。
松原
バンドを初めた頃に比べると、黒から白に変化したと感じてます。今、僕はいろんな意味でグレーな演奏をするベーシストだなと思ってます。
初の全国流通盤となるミニアルバム『Daily use』には7曲が収録されていますが、書き下ろした楽曲はありますか?
釜中
去年の末頃から全国流通盤をリリースしたいと思い、新曲を作ったり、レコーディングの準備をし始めました。今回の音源のために作った新曲は「Alternative」「BENNY」「It's Me」の3曲ですね。初めての全国流通盤ということで“これぞDENIMS”という曲を作ろうと意識しました。
「Alternative」はゆるくさわやかで、外が似合いそうな楽曲でした。
釜中
僕たちのルーツであるファンキーなリズムに、ロックやポップな要素を取り入れた楽曲にしたいと思い作りました。“Alternative”と言うように、型にはまらず、他と比べず好きなように自分の道を行こうぜ、というようなテーマです。
この曲のMVの撮影中にベースの松原さんが足を骨折されたとのことで、それもMVに取り入れられていますが…。
釜中
好きなように無邪気に遊ぶオフショット集ビデオを作りたくて撮影していたら、まっつん(松原)がふざけすぎてこけて骨折したので、その前後の様子をビデオで使ってしまおう!と全部入れてしまった感じですね。笑ってあげないと逆に可哀相なので…。
江山
バンド内でも寡黙なまっつんがはしゃいで骨を折るなんて、僕らが一番びっくりしてるんですよね(笑)。でも、そのハプニングをビデオに活かせて結果オーライです。
松原
それぞれみんな、ふざけている映像を撮っていて、僕の番になった時に勢い余って折れました(笑)。その瞬間はカメラも回ってなくて、ただ怪我をしただけで…。その後は、みんなが面白がってカメラを回してくれましたけど(笑)。
「Goodbye Boredom」はカントリーっぽい温かみや穏やかさのある曲でありながら、終盤にはギターの聴かせどころもありますね。
釜中
DENIMSになって初めて作った曲で、ライヴでも定番になってます。
江山
この曲は終盤でおかゆがハジけるので、お客さんと一緒に盛り上がれる点ではライヴに必須の一曲ですね。
岡本
アウトロのギターはレコーディングであんまりテイクを重ねると腕をつっちゃうので、めちゃくちゃ筋トレをして挑みました。でも、一発OKを出しちゃって、無駄に両腕が少しマッチョになって終わりました。いい思い出です。
《止まってるあいつの足や自分の背中押すため歌詞を書いてる》と歌う「BENNY」は過去を振り返りつつも、前向きな楽曲だと思いました。
釜中
人生を進んでいるうちに不安に感じたり、初期衝動のようなものを忘れがちになるけれど、もう一度振り返ってこの先の道を照らしてほしい。と、自分に対してのことを歌っています。楽曲的にはミドルテンポでコードもほとんどループしていて、ヒップホップ的なイメージで作りました。このバンドをやり始めた当時からあったギターリフから再構築して作ったので、やっと曲になって嬉しいです。
「NEMUTAI」で歌っているのはひたすら“眠たい”ということで、このようにゆるくコミカルに日常を切り取った楽曲もDENIMSならではだと思います。
釜中
黒人音楽やパンクのように、どんな音楽でも日常の虐げられた苦痛や不満を曲に昇華していると思うのですが、現代に住む僕たちは不自由ない生活を苦痛と感じ、“眠たい”と歌っています。どうでもいい日常を歌うことが素敵だと思っているので。
岡本
「NEMUTAI」のギターソロは、Radioheadの「airbag」やblurの「coffee&TV」みたいな強烈で窒息しそうな緊張感のある音を作るのにとても苦労しました。思った通りの音で録れましたね。
「It's Me」は哀愁のただよう歌詞が印象的でした。
釜中
これはレコーディングしていて最後にできた曲で、現状に対してのもどかしさや、葛藤が一番リアルに出たと思います。
今作は「EIEIEI」「swing swing」だったり、全体を通してライヴを想像させる上機嫌なバンドサウンド、広がりをみせるハモリが多く取り入れられていますね。
釜中
楽しい印象の楽曲の反面、日々の葛藤、凝り固まった考えの人に対しての皮肉を歌っています。意識はしていないのですが、ハモリやシンガロングが多いですね(笑)。
出来上がってみて、どのような一枚になりましたか?
釜中
今の僕たちが詰まってるミニアルバムができました。
江山
とりあえず、これ1枚を聴いてくれれば、今のDENIMSが100パーセント分かるというくらいに、今の僕らの音を詰め込めたミニアルバムです。
松原
さまざまなシチュエーション、時間帯や感情に全曲が当てはまるものになったんじゃないかと思います。なので、もしかしたら一生聴いていられる作品になってしまったのかもしれないです。
今作には“Daily use”と名付けられたわけですが。
釜中
日常を歌っている歌ばかりなので、聴く人の日常に溶け込んで普段使いされるようなミニアルバムになればと思い付けました。
制作などを通して改めて発見できたことはありましたか?
江山
DENIMSで外部のレコーディングスタジオを使ってレコーディングしたのは初めてだったので、“あぁ、自分の音、演奏ってこんな音になるんだ”っていろいろな発見がありましたね。もちろんライヴにも活きています。僕らのOSAMIstudioで録った曲が2曲あるので、“どれかなぁ?”って聴いてもらえたら面白いかもしれないですね。
釜中
今までセルフレコーディングばかりだったので、外部のレコーディングスタジオで録音して、新たに出せる音やこれから出したい音が発見できました。
岡本
いざ録音してみたら全然雰囲気が出なくて、思い付くままに機材を変えてみたりしたんですが、直感や本能でやったほうが案外良い結果が出るんだなぁとも思いました。
今作を引っ提げて6月からはツアーを行ないますが、どのようなライヴになりそうですか?
釜中
最高のライヴにします。今回のミニアルバムを聴いてライヴに遊びに来てくれる人たちがいれば、本当嬉しいです。
江山
音源を出しましたけど、何よりライヴに来てくださいね! 初全国流通ということで、どこに行っても僕たちの曲を知ってくれている人がいるっていうワクワクもあります。あと、ツアーでは各地の美味しいものを食べたいな。
松原
ツアーが始まっても僕はしばらく着席ライヴになりますが、そっちのほうが面白く観せられたりする場面もあったりするし、僕自身演奏がいつもより安定してるので、その辺も楽しみに観に来てください。期間限定です。
岡本
間違いなく、どれも最高のライヴになります。対バンも変なヤツらばかりなので、Instagramのオフショットも楽しみにしててください。踊れて、泣けて、胸キュンできる最高の音源ができました。ぜひ、いろんなパーティーでも流してほしいです。このミニアルバムでたくさんお酒飲んでね。
アーティスト
編集部おすすめ インタビュー
おすすめ記事
-
『OKMusic』サービス終了のお知らせ
2024.02.20 11:30
-
音楽ファンの声、エールを募集! music UP's/OKMusic特別企画 『Power To The Music』 【vol.89】公開
2024.02.20 10:00
-
今年でデビュー50周年の THE ALFEEが開催する、 春の全国ツアー神奈川公演の チケット販売がいよいよ開始!
2024.02.13 18:00
-
音楽ファンの声、エールを募集! music UP's/OKMusic特別企画 『Power To The Music』 【vol.88】公開
2024.01.20 10:00
-
宇多田ヒカル、 初のベストアルバム 『SCIENCE FICTION』発売決定& 全国ツアーの詳細を発表
2024.01.15 11:00