【ラックライフ】ラブソングを作るこ
とで改めて気付いた伝えることの大切
さ
L→R LOVE大石(Dr)、たく(Ba)、PON(Vo&Gu)、イコマ(Gu&Cho)
ニューシングル「変わらない空」はラックライフ初のTVアニメのタイアップナンバー。テンポ感のあるラブソングというリクエストに応えるチャレンジは、彼らにとってとても有意義なものになったようだ。PON(Vo&Gu)が曲作りを振り返る。
取材:山口智男
前作の「アイトユウ」から4カ月振りにリリースする今回の「変わらない空」は、この7月からスタートしたTVアニメ『純情ロマンチカ3』のエンディング主題歌ですね。
去年の年末…末も末なんですけど、28日か29日にタイアップの話が決まったから、その2週間後に決まってた「アイトユウ」のレコーディングまでに1曲作ってきてと言われて、“えー、時間なーい”みたいな(笑)。しかも、テンポ感のあるさわやかなラブソングというお題をいただいたんですけど、そんな曲書いたことなくて。だから、年末年始は全然気持ちが休まらなかったですね(笑)。でも、自分たちでも満足できるものが作れたので、やればできるもんだなって思いました(笑)。お題をいただいてから曲を書くっていうのは、今回初めてやったんですけど、面白かったですね。やらせていただけるならこれからもどんどんやりたい。お題があると、いろいろな物事が目に留まりやすくなるんですよ。普通にぼーっと生きてると、なかなか目に留まることって少ないじゃないですか。ラブソングっていうお題をもらって日々生きてみると、“意外に愛まみれなんやな。素敵かよ!”みたいな気持ちになったというか、普段やったらスルーしてることを拾い上げることができたんです。人間的にもやさしくなりましたね(笑)。もっとも、ゼロからイチを生み出すまではめっちゃ時間がかかったんですけど。
どんなきっかけで、そのイチが生まれたんですか?
いっぱい作りながら、“今までラックライフを知らなかった人たちに初めて聴いてもらうなら、どんな曲がいいんだろう?”って考えたんですけど、どれもしっくりこなくて。ある時、切羽詰って雄叫びツイートしたんですよ。“ウォー!!”って(笑)。そしたらいろいろな方々が“どうした!?”“頑張れ!”っていうリプライをたくさんくれて。それを読んだ時に、そうやって今まで音楽でつながってた人たちとつながり続けるには、自分が音楽を作り続けなきゃいけないと思ったんですよ。そしたら、背筋が伸びるというか、シュッとした感じになって、“ほな、やろか!”って改めてやる気が出たんですよね。結局、周りに助けられたかな。
その結果、「変わらない空」はラブソングにも思えるけど、それだけではない曲になりましたね。
そこなんですよね。ラブソングってことにこだわりすぎてたんですよ。ラックライフってラブソングばっか歌ってるバンドみたいにたまに言われるんですけど、ラブソングってほとんどないんです。ただ、ラブソングと受け取れる曲はいっぱいある。それに気付いた時、“なるほどね。これまで通り、誰かと自分のつながりや誰かと誰かのつながりを歌えば、ラブソングって言ってもOKやん”って自分の中で納得できたんです。それも愛には違いないんだから、自分が思ってることを素直に書いたら突き通せるんちゃうかなと思えて、“身近な人たちに感謝の気持ちや好きだよって想いをちゃんと伝え切れてないな。ちゃんと伝えなきゃあかんな”という気持ちを(曲に)乗せました。最初は悩んでたんですけど、ゼロがイチになってからは自分たちらしいことがさくさくとできました。
《君に伝えたいと 願う気持ちじゃなんにも変わらないから》という一節からPONさんの想いがうかがえます。
言葉にせんと伝わらんことがいっぱいあるんですよ。どんなに近い関係でも自分の気持ちを100パーセント相手が分かってくれてるなんてことは絶対ない。結局、伝えようと頑張って言葉しないと分からないことが、世の中たくさんある。変な言葉遣いだろうと、ボロボロの言葉だろうと、ちゃんと相手の目を見て、言わなきゃダメなんだよって、できるだけ言葉にして伝えていかなきゃいけないと思いました。
“言葉にできない”と歌う人は結構いるんですけどね。
いや、しなきゃダメなんですよ(笑)。
アニメを観た人はファンになってくれそうですか?
もちろん、なるでしょう(笑)。曲の直しも全然なかったんですよ。調子に乗っちゃいますよね(笑)。いやいやいや、ほっとしました。でも、自信にはすごいなりました。
カップリングの「メイキング」では、改めて自分が曲を作る理由を歌っていますね。
さっき話したツイートがきっかけなんです。「変わらない空」を作りながら、いろいろな人とつながるために音楽をやっているんだと気付いた、その気持ちをまるっと歌にしたんです。作曲家でも作詞家でもない自分がなぜ曲を作っているのかと言えば、ただシンプルに人とつながりたいから。それが根っこにあるっていう。曲を生み出す背景や自分が音楽をやる理由って忘れがちなんですけど、忘れそうになるたびに思い出して、毎回毎回、大事なことだって感じるんです。やっぱり聴いてくれる誰かがいるから、僕も曲を作れる。その誰かの顔を思い浮かべて、曲を書くことの楽しさを知ってるからこそ続けていける。だから、「メイキング」も書きながら楽しかったですね。
その気持ちは跳ねるリズムに表れていますね?
ゴキゲンな曲になりました。「変わらない空」が疾走感のある真っ直ぐな曲だったのでバランスを考えたところも多少あるんですけど。でも、気付いたらこんな感じになってました。
9月には東名阪の3カ所でレコ発ワンマンライヴが決まっていますが、どんなライヴになりそうですか?
新曲もやりたいですね。今回の2曲を作ってから、新しい曲がぽろぽろとできてるんです。曲ができたら、やっぱりやりたくなりますから(笑)。「変わらない空」のレコ発ではあるんだけど、一番新しいラックライフを観せられるものにしたいと思ってます。
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