【Saku】打ち込みと生バンド、どっち
かだけじゃ満足できない!
ヒット映画『ビリギャル』劇中歌「START ME UP」で話題を集めたSakuが、早くもニューアイテムをリリース。打ち込みの宅録を主体にした2曲+カジヒデキらとの生演奏による2曲を収録し、Sakuの世界観が詰まった一枚になった。
取材:榑林史章
今回は4曲入りのEPというスタイルなんですね。
アルバムには早すぎるし、シングルでは物足りないということで。自分の世界観を表現したいという気持ちがあったので、それには最低でも4曲くらい欲しいなと。1曲目と2曲目はプロデューサーの野村陽一郎さんのご自宅スタジオで、ふたりで打ち込みで作りました。3曲目と4曲目はカジヒデキさん(Ba)、SISTER JETのWATARU.Sさん(Gu)、Analogfishの斉藤州一郎さん(Dr)に参加していただき、バンドスタイルで2日間かけてレコーディングしました。打ち込みも生バンドもどっちも好きで、どっちかだけでは満足できなくて、それがSakuのスタイルなのかなって。女の子は欲張りなので(笑)。
少し切なさもあるアッパーなタイトル曲「Girls & Boys」は、Sakuさんの自主企画ライヴと同じタイトルですね。
はい。去年の11月からやっている自主企画ライヴは、私が好きなバンドやアーティストのみなさんに男女関係なく声をかけさせてもらっているイベントで、大好きなblurの「Girls And Boys」という曲にちなんで“Girls & Boys”と付けていて。そのライヴも少しずつ定着しつつあるし、ライヴでお客さんと一緒に盛り上がれるテーマ曲的なものが欲しいと思って作ったのが、表題曲の「Girls & Boys」なんです。キャッチーだと思うし、「START ME UP」と同時リリースしたアルバム『FIGHT LIKE A GIRL』で表現していたオルタナ感を引き継いだものができました。よりキャッチーでありながら、音楽的にも深みのあるものを追求したくて、それをひとつに落とし込むことができたと思います。
2曲目の「オレンジ畑でつかまえて」は渋谷系のポップナンバーで。このタイトルはサリンジャーの小説「ライ麦畑でつかまえて」からですか?
渋谷系と言えば“オマージュ精神”なので、タイトルは「ライ麦畑でつかまえて」をオマージュして、フルーツが好きなことと、太陽を浴びているイメージで“オレンジ”と付けました。パーティーやライヴが終わってほしくない寂しさをテーマに作詞した「Girls & Boys」と同様、こちらも曲調はポップだけど切なさがあります。イメージは、付き合いそうでまだ付き合っていない男女が、夏のちょっとしたシチュエーションでドキッとした時、“これはきっと夏のせいだから…”と思い過ごしてしまうことがあると思って。そんな時に、背中を押してくれる風があったらいいねと歌っています。
3曲目の「Moonrise Picnic」はシューゲイザー・サウンドですね。
インディーズの時にライヴでやっていた曲なのですが、今回ちょっとテンポを落として作り直しました。ちょうどMy Bloody Valentineのようなシューゲイズ・サウンドをやってみたいと思っていて、それでカジヒデキさんら3人にデモを聴いてもらったら、“これってマイブラっぽいよね”って言ってくれたんです。デモはドラムとアコギと歌だけだったんですけど、アコギの鳴りとか打ち込みのドラムのリバーブ感だけで、私がやりたかったことが通じたというのは、やっぱりみなさんすごいなって。世代は違っても聴いている音楽が近いので、そういう共通言語があるのは、物を作る上では大きいなって本当に実感しました。
歌詞はどういうイメージですか?
夜です。『Moonrise Kingdom』という映画からインスパイアを受けて歌詞を書きました。その映画は、12歳の少年少女が駆け落ちして旅をするお話なんですね。60年代が舞台で、ファッションも、出てくる小物とかも、全部すごくかわいいんですよ。この曲をきっかけに、映画のほうにも興味を持ってもらえたら嬉しいです!
最後はWEEZERのカバーで「Only In Dreams」。前回のアルバムではザ・キュアーの「BOYS DON’T CRY」をカバーしていましたね。
洋楽のカバーシリーズは続けていきたいと思っていて。ライヴではWEEZERの「My Name Is Jonas」をカバーしたんですけど、「Only In Dreams」は自分がすごく好きだというのもあって。今回のEPはテーマのひとつに、夏のセンチメンタルさもあったので、「Only In Dreams」がいいかなと。原曲とは違う歌始まりで、エッジーさを抑えているというのが、私なりのアプローチです。これは“せーの”で一発録りしていて、イントロのギターを私とWATARU.Sさんがフリーテンポで弾いて、そのあとからクリックを流して演奏するというやり方でした。レコーディングは2日間で、1日目に楽器録りをして、2日目に歌録りだったんですけど、カジさんは歌録りにも来てくださって、コーラスアレンジまで考えてくださったんです。一緒にレコーディングを楽しんでやってくださったのが、とても嬉しかったですね。
カバーをやる時は、どんなことを意識しますか?
私が歌う意味を考えますね。自分のキャラクターと合っているかも重要だし。ザ・キュアーやWEEZERのような男性ヴォーカルの曲は、女性が歌うとまた違った雰囲気になると思うので、そんなところも聴いてくださる方に楽しんでもらえたら。でも、日本の曲は選ぶのが難しくて…インディーズの時にジューシィ・フルーツの「ジェニーはご機嫌ななめ」をカバーしているんですけど、今のところはそれ以上にハマる曲がなかなか見つからないですね。あと、これはカバーに限らずですけど、ひとつの型にとらわれたくないんです。「START ME UP」でギターを弾いているイメージが強くあると思いますけど、私は何でもやりたくて。だから、ギターも弾くし、シンセも弾くし、ハンドマイクで動き回りながらも歌うし。いろんなカバーもやりたくて、ライヴではバネッサ・パラディの「Be My Baby」をシンセの弾き語りで披露しました。そういう意味でも、やっぱり欲張りなんです。でも、そういうのが私らしいなと思います。
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