【VANIRU】踊り続けなければ、死んで
いるようなもの
L→R LEONEIL(Vo)、YUTO(Gu)
寡黙であるが、心の深層部分に訴えかける言葉を発するLEONEIL(Vo)と、彼を支えるYUTO(Gu)によるユニット、VANIRU。最新作はダンスチューン「DEAD OR DANCE」。LEONEILが今、発信したい想いがこの曲に詰まっている。
取材:桂泉晴名
新曲「DEAD OR DANCE」はいつ頃にできた楽曲なのですか?
LEONEIL
そんなに前ではないかな。「LOVE AGAIN」のあとですね。
まさに最新版のVANIRUだと。そんな「DEAD OR DANCE」はディスコサウンドの楽曲で、《今を 生きてる》といった詞が頭に残ったのですが、この曲でLEONEILさんがもっとも伝えたかったことは何なのでしょうか?
LEONEIL
“踊れ!”に尽きるかな。どう“踊る”かは、それぞれが自由に解釈してくれていいのですが、踊っていてこそ生きているというか。心が躍るような。恋もそうですが、踊り続けていないと、死んでいるようなものではないかと思うので。
YUTO
前シングル「LOVE AGAIN」もそうだけれど、楽曲に関してはLEOさんの中でやりたい方向性や世界は予め決まっているんですよ。今回は“中毒性のあるダンスチューンを今のVANIRUが昇華したかたちで出す”ことが一番大切だったんです。そのためCUBE JUICEさんと一緒にやることになり、この「DEAD OR DANCE」ができたんです。僕がギターを弾く上で大切にしているのは、彼の歌に寄り添いたいってところなので、この曲に関してもそこを聴いてほしいですね。
「LOVE AGAIN」はYUTOさんが作曲されていましたが、今も楽曲制作は続けているんですよね?
YUTO
はい。さまざまな方向性の曲を作っていますから、それはこれからのお楽しみです。
LEONEILさんはYUTOさんから上がってくる曲に関して、どんなことを感じていますか?
LEONEIL
彼の曲は “こうくるんだ”という新鮮さが毎回ありますね。結構な数の曲を持ってきますよ。ただ、“もっとこうしたらいいんじゃないかな”というのもありますが。
YUTO
LEOさんの反応は楽しみ半分、怖さ半分のところはあります(笑)。僕はLEOさんを引き出したいというか、ある意味ではリラックスさせたいし、もっといつでも思い切りやってもらえるように、意識としてはずっとそこに注いでいます。だから、僕が作った曲に対して、彼が何か言ってくれるのは本当に嬉しい。“よしこい! もっとください”という気持ちになるんです。さらにLEOさんにないものを僕から投げつけて驚かせたいし、彼に反するような音やフレーズを入れることで化学反応を起こして、気持ち良くさせたい、というのが目標です。ただ、いつもうまくいくとは限らないので…先々は美味しくしたいです(笑)。
LEONEILさんがYUTOさんに今、期待することは?
LEONEIL
曲を受け取った時に、それぞれに可能性があるので、それをVANIRUにできたらいいかなと思いますね。VANIRUに彼の感性の何かが入ってくれば、ということをずっと待ちわびています。
YUTO
はい。これからもお願いします(笑)。
そして、カップリングの「BLUE MONDAY」はイギリスのテクノロックバンド、New Orderのカバーですが、なぜこの曲を?
YUTO
LEOさんがある日、“「BLUE MONDAY」、いいよ”と言っていたんですけど、僕は最初あまりよく分からなくて。でも、その後にドイツに行った時、(LEOさんは)毎夜だいたいクラブにいるんですよね、それで行くところ行くところで「BLUE MONDAY」がかかっていて、曲を聴く機会が多かったんです。気付いたら“カッコ良いな”と思うようになったので、LEOさんに“すみません。気付くのが遅かったですけど、カッコ良いです”と心境の変化を報告しました。
LEONEILさんはもともとこの曲が好きだったのですか?
LEONEIL
もちろん好きだったんですけれども、ドイツ…さらに人と人とが密集してる場所で聴いた時に、思いがけないシンパシーを感じました。一番惹かれたのは言葉ですね。ずっと同じテンポで淡々としているところに重たい言葉が入ってくる。己にどこまでも付きまとってくるような言葉でしょう? この曲は面白いなと思いました。
YUTO
僕はそこまで分かってないですけど(笑)。僕の印象は、海外の人たちはみんなこの曲で踊り狂っているんですよ。LEOさんも(笑)。あとは僕たちの間で“カバーをやりたい”という話はずっとしていて。“僕らのルーツを知ってもらえるし、カバーをやることで、出会える人たちもいるよね”と話していたので、今回やることができて良かったです。海外のライヴでも、挨拶代わりにやると反応がいいですし。
原曲の歌い方は内面にこもった感じですが、LEONEILさんはエモーショナルに歌い上げていて印象的でした。
LEONEIL
この曲に関しては「LOVE AGAIN」に続く、続編という気持ちでした。
YUTO
歌録りの時は、興奮しました。“これはカッコ良くなるぞ”と思ったし。いつもそうなんですけれど、VANIRUのレコーディング現場は爆発的なパワーというか、エネルギーが沸いてるんですよ。
なるほど。あと、ワンマンライヴやイベントライヴを観ていると、回を重ねるごとにふたりのパフォーマンスが変化しているなと。そういう実感はありますか? 前日のイベント(9月5日@『TOKYO COSMIC NIGHT Vol.2』)を拝見しても思ったのですが、より自然体になっているというか…言葉にしづらいんですけど。
LEONEIL
それが一番いいですね。ライヴではふたりの波動もですけど、みなさんと、いつも以上に深いところにいきますから。
YUTO
僕自身はLEOさんから生まれる世界を表現するサポートをすることと、お客さんとステージをつなげるというか、みんなで一緒に楽しみたい!といった基本的なスタンスは変わっていません。ただ、ステージを観ていただいて、結果として良い方向に変わったと感じてもらえたのなら、そうなのかもしれないですね。最近はイベントライヴも増えてきているので、そういう部分でシンパシーだったり、エネルギーを感じて、ぶつかり合っているから、何か変わっていってるのかも。
アーティスト
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