【Brian the Sun】何度聴いても新し
い発見があるBrian the Sunの真骨頂
L→R 小川真司(Gu&Cho)、森 良太(Vo&Gu)、田中駿汰(Dr&Cho)白山治輝(Ba&Cho)
TVアニメ『甘々と稲妻』のエンディングテーマに決まったメジャー第二弾シングル「Maybe」は、失ったものを思う切ない気持ちを歌ったBrian the Sun流のフォークロックナンバーだ。
取材:山口智男
18本中11本がワンマンライヴだった前作「HEROES」のツアーはいかがでしたか?
森
すごくいいツアーでした。メジャーデビューして最初のツアーだからって肩肘張ることもなく、みんな自由にできたからこそ、もっとできると思ったし、力不足っていうのはこういうことを言うんだなって見えたものもあったし。
小川
お客さんがグッと増えたんですよ。ロック好きが多かったところに、いろいろな音楽を聴く人や普段あまり音楽を聴かないような人が加わったのは、メジャーデビューをして間口が広がったからなのかなと実感しました。
白山
面白いことに、ツアーを重ねていくごとにメジャーデビューのタイミングで離れたインディーズ時代のお客さんが“ブライアンは変わってない”と思って戻ってきてくれたんですよ。
森
“メジャー行ったのに、あの人らあかんわ”ってね(笑)。
そんな中、新しいシングル「Maybe」がリリースされるわけですが。
森
前回の「HEROES」はメジャーでの1枚目でもあるし、アニメのタイアップでもあるしってことで、わりとアッパーで分かりやすい言葉を選びながら書いたんですけど、「Maybe」は今までのように内面に潜っていくようにしながら書いた曲で。それがシングルになるってことが、このタイミングでは大事だったんじゃないかな。今回もアニメのタイアップが付いているんですけど、アニメサイドも含め、チーム全員がこの曲がいいと意見が一致したんですよ。そこに必然性も感じるし、導かれているような気もするし、そういうところも含め良かったと思います。
「Maybe」は派手な魅力があるわけではないのですが、“何かひとつ足りない感じ”をテーマにしたという歌詞も含め、とても雰囲気のある、すごくいい曲になりましたね。
森
不思議な曲ですよね。そういう曲がシングルになってラッキーというか、注目されながら世に出る曲だとは思ってなかったので、報われた感じはあります。
小川
僕らはいろいろなジャンルの曲があるから。やっぱり全部聴いてほしいんですよ。だから、注目されているタイミングでこういう曲を出せるっていうのは、バンドにとってはでかいことだと思います。ひとつひとつの音を大事にしないと成り立たない曲だから、それだけ気持ちは引き締まりましたけどね。
ミッドテンポだからやりようによってはぬるい曲になっていたかもしれないのに、そうならなかったのはバンドとしてかなり意識したからじゃないかと思うのですが。
小川
音数がかなり少なくて、それぞれの楽器の音がすごく聴こえるだけに、僕らのタッチやニュアンスで曲の印象を変えてしまう恐れはありました。なので、レコーディングではピッキングのニュアンスをはじめ、今まで以上に詰めた上で、どうやったら曲の空気感を壊さずに曲の世界観をそのまま受け取ってもらえるかを考えましたね。良太からデモをもらった時、景色、曲の色、温度が手に取るように感じられたんです。そういう力のある曲だったから、それをどれだけバンドで表現できるか。そこが挑戦だったと思います。ギターも何十本も試して、どの音色がこの曲に一番合うか探したんですよ。
森
そんなにキャッチーなサウンドでもないし、何回か聴かないと良さは分からないかもしれないけど、逆に何回聴いても新しい発見がある。リズム隊もいい仕事してますしね。
田中
フレーズは森くんがデモで送ってくれたものをほぼ再現したんですけど、歌のニュアンスで強弱を意識しながら叩きました。
森
Aメロ、Bメロ、サビの音符の長さがそれぞれに違うんですよ。Aメロはタターンって長いじゃないですか。でも、Bメロはタタタと刻んでいて、サビはタンタンタンと跳ねている。そういうところもリズム隊のふたりはすごく考えながら演奏してくれたと思うんですよ。
白山
はい。考えながら早くレコーディングを終えて、できるだけギターに時間がかけられるように頑張りました(笑)。
森
難しいベースラインにもかかわらずね。
白山
レコーディングって基本的にリズム隊から先に録るじゃないですか。そこで躓いてると、雰囲気が良くなくなるんじゃないかなって(笑)。サクッと終わって時間に余裕があると、ギターがソロで苦戦したとしても、“頑張れ!”って雰囲気になるんですけど、初っぱなでベースがドツボにはまると、“早よせーや”ってなるから(笑)。
田中
そういうプレッシャーはあるよなぁ。
森
ドラムがミスった時のみんなが一瞬無言になる感じね。
白山
それってリズム隊あるあるだと思うんですけど(笑)。
カップリングの「しゅがーでいず」は「Maybe」とは正反対のエキセントリックなところもあるロックンロールで。
森
元気な感じにしたかったんです。『甘々と稲妻』の原作を読んだあとに書いたせいか、主人公の犬塚つむぎちゃんみたいにワチャワチャしている感じになりましたね。
小川
アレンジもライヴをより意識して、余計なことはせずに50メートル走を走り切って終わるみたいなイメージで。
森
ライヴでやったら絶対気持ち良いよね。
ライヴと言えば、秋の対バンツアーが決まりましたね。
白山
対バン相手はこれから発表するんですけど、僕らっぽいバンドが多いと思います。僕らってライヴで過度の煽りをするわけではないじゃないですか。むしろストイックに演奏するタイプだと思うんですけど、そういう同じような志を持ったバンドに出てもらおうと考えてます。ライヴのやり方を意図的に変えることはないんですけど、それでも毎回ライヴの雰囲気は違うので、対バンによっても変わると思うんですよ。ただ、それがどう変わるかは分からない(笑)。ワンマンライヴだったらお客さんの雰囲気だけにしか影響されないけど、そこに対バンが1個増えるので、そこでどんな変化が生まれるのか僕らも楽しみなんです。
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