【ALL OFF】スタジアムでライヴをや
りたいという願望が曲に込められてい
る
L→R Kossy(Ba)、so-hey(Vo)、Otsuki(Dr)、Gaku (Gu)、Yukio(Gu)
ニューシングル「リフレインボーイ」の表題曲はTVアニメ『モブサイコ100』のエンディング曲! これまで以上に歌や曲調にこだわり抜き、スケール感を高めた新境地の楽曲についてso-hey(Vo)に話を訊いた。
取材:荒金良介
昨年、TVアニメ『ヘヴィーオブジェクト』のオープニング曲「One More Chance!!」でメジャーデビューしましたけど、それから心境の変化はありますか?
多岐に渡ってありますね。まず今年は前作「Never Gave Up」のリリースツアーファイナルの恵比寿LIQUIDROOM公演でロックファンとアニメやアニソンのファンで一緒に楽しもうと企画した『アニソン主題歌祭り!!』をやったりして、ジャンルの架け橋になろうという気持ちが一層強くなりました。曲作りにおいては今まで以上に本質的なところを追求してみようという気持ちになりました。
本質的なところとは?
今まではどれだけパンチを出せるかということに意識を注いできたけど、これからは聴いた人の感情をメロディー、歌詞、曲の雰囲気でどれだけ揺り動かせるかなって。今回の「リフレインボーイ」は今までの曲とそこが一番違いますね。
なるほど。先ほど話してくれましたが、今年6月にアニソン主題歌を担当したバンドを集めた『アニソン主題歌祭り!!』をやられましたけど、あのアイデアはどこから?
アニメで曲を知って、ライヴに興味を持った人が行きやすいイベントを作りたいと。メジャーデビューを皮切りにアニメの曲をやらせてもらって、そっち界隈の方にも知ってもらえる機会が増えましたからね。大きなアニメのイベントはあるけど、ライヴハウス規模でやってる人はいないから。
そこも振り切ってますよね?
いきなり『アニソン主題歌祭り!!』と打ち出したので、そこは相当の覚悟を持って臨みました。
覚悟させたものとは何ですか?
アニメが好きで入ってきてくれたお客さんとたくさん出会えたから、どっちかだけに偏りすぎるのは違うんじゃないかと思ったんです。アニメ主題歌をやらせてもらえたからこそ、いろんなお客さんが入り乱れて楽しめる場所を作りたいという気持ちが大きくなりましたね。
それで曲作りにも変化が起きたのでしょうか?
乗れる曲と人の心に残る曲の両方を書けるバンドになりたいんですよ。今はそこを目指してる最中ですね。
アニメ好きの人はいきなりライヴハウスで暴れないでしょうからね。そして、今回の表題曲ですが、THE UNIQUE STARのHirokazu Ebataさんが作詞と作曲を手がけてますよね。
はい。昔から仲がいいんですよ。以前一緒にやった時にいい感触だったから、再び共作したいと思ったんです。
アニメ側から何か注文はありました?
これまでのオープニングと違って、重視されるのは余韻でした。来週まで1週間待たなきゃいけないという余韻に浸れることが大事だと言われて。曲の雰囲気は“哀愁や葛藤などがありつつも、見終わった後、爽やかさを感じれるような楽曲”とオーダーをもらいました。でも、僕らにはあまりさわやかさがないから、どうしようかなって(笑)。
ははは。表題曲は特にメロディーが際立ってますね。
最初はストレートなギターロックだったんですけど、ALL OFF風にアレンジにしたら、ありそうでなかった曲になりました。
ありそうでなかったとは?
ラウドでも、J-POPでも、ギターロックでもない。かといって、これまでのアニメ主題歌にはあまりないような、絶妙なラインですね。そういう意味では僕らにしかできない新しい風を吹かせられたのではと。
こだわったポイントというと?
ドラムですね。複雑だけどストレートに聴こえる、みたいな。J-POPやギターロックだったら、こんなにバスドラを踏まないだろうって(笑)。そこでウチらしさを出せたかなと。僕、BLINK-182が大好きで。他のバンドと違うのはドラムの複雑さやトリッキーさなので、あの感覚を持ち込めたら、飽きない曲になれるかなって。
ヴォーカルに関してはどうでした?
今回、僕が歌詞を書いてない分、歌い方や声で成長した部分を見せられたし、今までの曲の中で一番いい歌になったと思います。歌で曲の良さを引き出したかったので、録る前に何百回と歌い込みました。それでクオリティーも上がりました。
「リフレインボーイ」の英語バージョンも良かったです。
言葉数が多いから、そっちは疾走感を感じてもらえるかなと。日本語、英語、どっちで聴いてもいい曲を作りたいんです。
そして、アーティスト盤に収録されているカップリング2曲も聴かせる要素が強くて、大人っぽさが浮上した曲調だなと。
乗せるよりも、歌詞や聴いた時にどう感じてもらえるかを重視しました。「21」は僕が聴いて育った古き良きポップパンクを現代風にアレンジしたんですよ。
いわゆる2ビートで畳み掛けるパンクとは違いますよね?
成熟したパンクロッカーみたいな感じ(笑)。曲の空気感は緩くて、ちょっと過去を思い出すような曲調にしたかったので、2ビートというよりもポップパンクのアルバムの中に1曲入ってるいぶし銀みたいな曲にしました。歌詞は自分の大学時代のことを歌っています。当時もバンドをやりたくて周りの流れに逆らって生きていたので、みんなに“好きなことをやっても大丈夫だよ!”と伝えたかったんです。
「Light Up The Sky」は抑制の効いたダンス曲ですね。
僕らの曲に「Dancing All Night」(アルバム『ALL OFF』収録曲)という曲があるんですけど、ああいう手触りのメロディーを書きたくて。
大人も踊れるパーティーチューンみたいな?
はい。感傷に浸りながら、体を揺らせる曲ですね。
今作の作風全体に言えることですけど、泣きはあるけど、キリッと前を向いた曲調が多いですね。
そうなんですよ! 今回はピアノの音色だったり、曲のスケール感を広げたくて。いつかスタジアムでライヴをやりたい、という願望が曲に込められています。
アーティスト
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