【夜の本気ダンス】タイアップがきっ
かけで、よりポップに!
L→R マイケル(Ba)、米田貴紀(Vo&Gu)、鈴鹿秋斗(Dr)、西田一紀(Gu)
夜の本気ダンスがメジャー2ndシングル「SHINY E.P.」をリリース! タイトル曲「SHINY」はNHK Eテレで放送のアニメ『境界のRINNE』第3シリーズ OPテーマソングとしてオンエア中だ。そんな新作について、米田貴紀(Vo&Gu)と西田一紀(Gu)に訊いた。
取材:田山雄士
「SHINY E.P.」はまた新たな夜の本気ダンスが感じられるポップな4曲に仕上がったと思うのですが。そうなるきっかけというのは?
米田
まず、表題曲の「SHINY」を『境界のRINNE』のために書き下ろしたのが大きいと思いますね。“さわやかで疾走感のあるもの”みたいな要望をいただいて、曲を作っていったから。そもそもタイアップが初めてで。
夜ダンはテレビで何度もプッシュされてるせいか、初めてな気がしないです。
米田
何かの番組で「WHERE?」が一瞬流れたりとかはあったんですけどね(笑)。タイアップとはいえ、わりと自由にはやらせてもらって。でも、要望に応えつつ、自分たちの良さも出したいじゃないですか。そのあたりは難しかったりもしましたね。客観的に楽曲を見なきゃいけない。僕らのファンだけじゃなく、アニメのファンをはじめとする、より多くの人たちに届かないと意味がない。だから、曲の構成はこれまで以上に工夫しました。
西田
もちろん、バンドのカラーに則したサウンドにするんですけど、やっぱり聴いてもらう人の対象が違うので、抜き差しはいつも以上に大切に考えました。
米田
前作の「Without You」のような曲調じゃ、アニメにはそぐわないですからね。まぁ「SHINY」のようなカラーをもともと持ってなかったわけでもないので、ポップなものを捻り出すみたいな苦労はしてなくて。
そうですよね。ただ、これまでに出してきた「LIBERTY」や「Fun Fun Fun」のようなポップさとはまた違う印象で、もう一歩踏み込んで聴きやすくなったというか。
米田
タイアップということの後押しがあったんじゃないかなと思います。自分たちだけだったらその手前で止まるんやけど、“もうちょっとポップなところに行ってもいいよ”って言ってもらえた感じ。
『Too Shy A key TOUR 2017』を通して次のモードが見えてきた、みたいなことではないですか?
米田
ではないですね。もちろんツアーで得たものはありましたけど、「SHINY E.P.」はシンプルにアニメのタイアップが出発点になってる。なので、このカラーで今後ずっと行くわけでもないっていう。
なるほど。紙資料に“飛び跳ねるだけでは満たされないあなたに贈る新しいステップ”とあるように、何かひとつの段階をクリアーしての今作なのかなって。
米田
うーん。でも、確かにそうですね。例えば、8ビートにしてもいろいろあるじゃないですか。その中で身体が動かせるような8ビート。これが今の時点で表現できるレベルにまで来てると思ったので、よりポップな楽曲にトライできたのはあります。
西田
今回こういうかたちで作れて良かったと思います。バンドをやってると自分らの中に言葉にしないで溜まってる、積み重なっていってるものがたくさんあるんです。タイアップが引き金になって、それを上手く出せたんで。
今作の4曲はどことなくトーンが近い気がしました。これまでのシングルはダークな曲とポジティブな曲とか、洋楽っぽさと邦楽っぽさとか、対比させる構造で聴かせることが多かったですけど。
米田
「Ride」と「THREE」は「SHINY」が完成したあと、そのいい感触を受けて作りましたからね。最初にできたのは「Blush」なんです。去年、西田が加入して初めてレコーディングした曲が実はこれで。
あ、そうだったんですね! 確かに、「Blush」がもっとも従来の夜ダンっぽい。「SHINY」「Ride」「THREE」に共通するテイストって具体的に言葉にできますか?
米田
曲作りに対しての考え方が、個人的には高校生くらいの感覚というのかな(笑)。当時はイギリスのニューウェイブや80’sをまだ通ってなくて、アメリカのポップパンクとかが好きやったんですね。そういうテイストのさわやかさやと思います。
さっきも話に出ましたが、曲の構成を工夫したのは分かりますね。ポップスの王道に挑んでるというか。例えば、サビを3回聴かせたり。
西田
はい。特に「SHINY」に関しては意識的にやってます。アニメのタイアップということでサビをプッシュしたかったんで。ギターのアレンジにしても、目まぐるしく景色が切り換わっていく感じが出るといいんかなってみんなで話し合ったりして、それを念頭に置いて考えたらああいったカラフルさになりました。
米田
細かく言うと、それぞれのサビで西田が微妙にコードを変えてくれてたりします。ギターは渋いのよりかは、キラキラした若い感じのリフを弾いてもらって。結構パッと出してくるんですよ。
「THREE」の《マイウェイ マイペース》のところとか、歌メロの裏でギターソロを弾いてる感じで面白かったです。
米田
あれも“合わせてなんか弾いてみて”って言ったら、すぐ出てきた感じやんな。
西田
うん。この曲は頭を使って捏ね繰り回すタイプの曲じゃないなと思ったんで、セッションしてる時に閃いたフレーズをそのまま採用しましたね。
リズム隊のふたりについては、何かありますか?
米田
「SHINY」の話ですけど、マイケルはアニソンが好きやった時期があったらしくて、それに見合ったポップ感を意識したって言ってましたね。鈴鹿には、身体が動く8ビートを叩いてほしくて。そういう点で僕が影響を受けたのは、BEAT CRUSADERSのマシータさんなんです。マシータさんのドラムって8ビートでも跳ねててめっちゃノれるから、“ああいうのいいと思うねん”みたいなことは伝えました。
「SHINY E.P.」は、アニメで夜ダンを知った人もこれまでのファンも新鮮に聴けると思います。
米田
そうですね。アニメきっかけの人は「Blush」で“おっ!”と思ってくれるはずやし、ずっと聴いてくれてる人はこのポップさに“おっ!”と驚いてもらえたら。
西田
4曲を等しく聴いてほしい意図があっての“E.P.”ですから(笑)。
米田
こういうテイストで一枚できたことで、さらに違う方向にも振りやすくなったんじゃないかな。
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