【メリー】


ライヴ写真撮影:深港まゆみ/取材:土内 昇

『Many Merry Days』が終わりましたが、どんなツアーでしたか?

メリーがいろんなことを考えて、いろんな意味で成長したツアーだったんじゃないかな。最初の頃は何も考えずに、勢いというか、楽しければいいって思っていただけだったけど、それがだんだん変わっていって、みんなもいろいろ考えるようになったし、ライヴのために曲を作るようにもなった…そういうふうに変わったのは、『#3』からかな。みんなの意識が横浜文化体育館を向いて走り出した。

そのツアーファイナルとなった横浜文化体育館はどうでした? 最後の「空っぽな歌」での、お客さんとのコール&レスポンスは感動的でしたよ。

今まで観たことがないぐらい、最高の景色でしたね。『#1』や『#2』の頃のメリーだったら、歌のコール&レスポンスはなかったと思うんですよ。しかも『空っぽな歌』で。それがバンドが成長した証だろうし…『#3』が終わって、『閉ざされた楽園』って曲を作った時に“メリーは、この曲を作りたかったんだ”って思ったし、『#4』を回る中で“メリーは閉ざされた楽園でもいいや”って思えたんですよ。そのキャパシティーが上がっていけばいいのかなって。横浜文体は大掛かりなセットも組まず、バンドだけで勝負したいと思ってやったんですけど、こういうステージにも立てるようになったんだって思ったし…バンドの成長を実感しましたね。

アンコールでガラくんが筆談ではなく、喋ってメンバー紹介したのも、バンドがひとつ上に行った証なのかなと思ったのですが。

今までだったら絶対に習字でしたもんね。ツアーを回っているうちに“絶対にこうしないといけない”っていうものが、自分の中でなくなったんです。“やりたいようにやればいいじゃん”って。喋りたい時は喋ればいいし、演奏だけを聴かせたい時はそうすればいいって思えるようになったら、急に楽になれたというか…メリーのライヴに変な予定調和はいらないって思えたんですよ。

ツアーを終えて、次に向かうべき方向も見えました?

“よりバンドらしく、よりメリーらしく”ってのが、僕の中でのテーマで…個人個人が誰かに勝ってたり、負けてたりしても別にいいんですよ。5人がステージに立って、バンドになった時に、誰にも負けない塊になってたらいいなって。それがメリーらしいのかなって。

そういう気持ちが、次のシングルにも反映される?

まさに、今、レコーディング前なんですけど、次のシングルは“メリーだからできることって何だろう? メリーにしかできないことって何だろう?”って考えて、みんなが“これがメリーだ!”って思う曲を…うちは楽器隊の4人全員が曲を書くんで、それぞれが持ち寄ったものを単純にくっつけました! 大作になっちゃってます(笑)。でも、まさにメリーの音っすね。みんなの気持ちの入った曲になると思います。

それって1曲にまとまるんですか?(笑)

結生くんが苦労してますね(笑)。横浜文体のライヴが“ベスト・オブ・メリー”だったんで、今度は1曲の中で“ベスト・オブ・メリー”をやろうよって。1曲の中でやるってなったら、結構いろんなジャンルだったり、要素が入ってきて…だから、“こんなことをやるバンドがいるんだ!”って思うぐらいのシングルになると思います(笑)

メリー

メリー:2001年10月に結成。昭和歌謡的な叙情旋律や欧米発のロックなどを様々に融合させた個性的な世界観により、インディーズシーンのみならず、著名ミュージシャンからも注目される存在に。2005年にメジャー進出した後も精力的なライヴを行なっており、型にハマらない活動がそのままバンドのコンセプトにもなっている。

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