マルニ 2017-18年秋冬メンズコレクシ
ョン - 未完成が生み出す魅力

その期待に応えるファーストルックは濃厚な赤。ジャケット、スラックスともにゆったりとしたリラクシングなピースに、違和感を覚える鎖付きのレザーベルトを締めている。そして、なぜだか全体にはクローゼットにしまい込んでいたかのようなシワが所々に残っている。

チェック柄のシャツ、端正なテーラードのコート、後に続くものほとんどに見られる薄っすらとしたシワは、加工と言うより時を経てついてしまった印象だ。オシャレを楽しむ若者がクローゼットに眠る服を引き出してきたのか、はたまたファッションに無関心な若者が興味を覚え出したのか。いずれにせよどこか未完成、あるいはちぐはぐな部分を感じる。 色や毛足の異なるファーを組み合わせたガウン、ランダムに入り乱れるボーダーのカットソーなど、類義として再構築によるデザインも目立った。

スタイリングは、ラグジュアリーなコートにカジュアルなコーデュロイのセットアップとスニーカー、ボリュームボアのパーカーをキルティングのパンツにタックインするなど、どこかミスマッチなのは先述した通り。その未熟な要素は、今後の成長を予期させ、私たちの目には間違いなく魅力的に映った。

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