半世紀以上に及ぶ活動の中で最高傑作のひとつに挙げられるロッド・スチュワートの『ナイト・オン・ザ・タウン』
ロング・ジョン・ボールドリーのフーチー・クーチー・メンを皮切りに、ジェフ・ベック・グループやフェイセズといったブリティッシュロック界の名グループを渡り歩き、ソロシンガーとして頂点にまで上り詰めたロッド・スチュワート。若いロックファンからすると、現在のロッドはポップスシンガーにしか見えないかもしれないが、彼はミック・ジャガー、ロバート・プラント、ポール・ロジャースらと並ぶブリティッシュのスターシンガーのひとりだ。60年代後半から70年代にかけて彼がロック界に与えたインパクトはとても大きい。今回紹介する『ナイト・オン・ザ・タウン』は自身初のアメリカ録音となった前作の『アトランティック・クロッシング』(’75)と対をなす作品で、彼の長いキャリアの中でも、間違いなく最高の瞬間を記録したアルバムである。