Lucky Roberts

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    Lucky Robertsラッキー・ロバーツ

    ストライド奏法の名手として知られる伝説的ピアニストのラッキー・ロバーツは、ジャズ史においてもっとも残された記録の少ない謎のミュージシャンのひとりである。彼のキャリアの大半は、社交界向けのバンドを率い、そしてミュージカル・コメディの音楽を書くことで費やされたが、おもに40年代と50年代に行われた数少ないソロ・レコーディングの作品は、軽やかで生き生きとしたタッチと優れたメロディ感覚を持ったピアノの名手の姿を明らかにしている。実にうまく出来たその作品群は、複数の要素がしばしば予想外の、しかし理に適った方向に展開する。上品で気取った風のワルツが、変幻自在ないたずらっぽいリズムや舞うようなグリッサンド、さらには華麗に踊るメロディなどと交互に絡み合うのだ。根底にブルースの感覚が流れているものが多いが、ロバーツは12小節からなるブルースの形式を巧みに避けて通り、むしろ楽曲全体のより複雑な構造の中でブルースの要素を部分的に活用する。もしストライド・ピアノの入門編を探しているのなら、まずはロバーツの音楽から始めてみるといいだろう。

    曲・アルバム

    • Happy Go "Lucky" (Digitally Remastered)

      2010年07月13日リリース
      アルバム・11曲

      • 1 Sweet Georgia Brown
      • 2 Bill Bailey
      • 3 By The Beautiful Sea
      • 4 St. Louis Blues
      • 5 After You've Gone
      • 6 If You Knew Susie (Like I Know Susie)
      • 7 Darktown Strutters' Ball
      • 8 Honeysuckle Rose
      • 9 I'm Just Wild About Harry
      • 10 Ballin' The Jack
      • 11 Runnin' Wild

      Happy Go "Lucky" (Digitally Remastered)