Little Richard

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    Little Richardリトル・リチャード

    リトル・リチャードをロックンロールの始祖だという人たちがいる。その一方で、それはヴァン・ヘイレンだという人たちもいる。後者みたいな発言をするヤツに限って、毎日タバコをひと箱吸い、まだ20歳そこそこだというのにバイクを乗りまわし、破れたジーンズの後ろポケットに大きな櫛を入れているようなヤツらなのだ。今のロックンロールのイメージを作り上げたのはホワイトだが、ルーツを辿ればブラックにぶつかる。——無知は戦犯よりも罪なのだ。
    それはさておき、リトル・リチャードがロックンロールの始祖だとは断定できずとも、少なくとも彼がそのサウンドとスタイルを大きく変えたことは確かだ。ゴスペル・ミュージックとケイジャンR&B、そしてエキサイティングなブギウギを融合させた彼は、独自に強力で躍動的なサウンドを生み出し、パット・ブーンやジミ・ヘンドリクス、そして60年代のブリティッシュ・インヴェイジョンで登場したほとんどすべてのバンドに多大な影響を与えた。体中にアドレナリンを駆け巡らせる「トゥッティ・フルッティ」や 「キープ・ア・ノッキン」といった曲群は、リトル・リチャードの恐れを知らない刺激的なパフォーマンスとソウルフルなヴォーカルに魅了された数多くのアーティストによって繰り返しカヴァーされている。彼のレコードに合わせて同じように歌おうとした人ならば、リトル・リチャードのヴォーカルの柔軟性と力強さを再現することがいかに困難なことなのか、すぐにでも分かるだろう。とにかく、その華々しい音楽性はあまりにも偉大なのである。リトル・リチャードを知らずに音楽を語るのは、罪だ。

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