‟親密な空間”に響かせた、ピアニスト務川慧悟の音楽世界~4日間2プログラムを届けた浜離宮朝日ホールでのリサイタルをレポート
務川慧悟が浜離宮朝日ホールで4日間のリサイタルを行った。プログラムは2種類で、2022年12月15日(木)・16日(金)と、20日(火)・21日(水)がそれぞれ同一プロ。中心軸となったのは、リリースされたばかりのCDとリンクする形で、ラヴェル作品である。前半には、ラヴェルの世界観とどこか通底するものや、希望の声が寄せられた曲、そして何より務川が4日間の舞台を浜離宮朝日ホールに選んだ理由に則した作品が置かれ、後半はラヴェルで固めた。筆者は15日(木)と20日(火)のコンサートに足を運んだ。本稿はその公演に基づいたレポートである。