Grinding Spiral

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    Grinding Spiralグラインディング・スパイラル

    「生音と機械の融合」——インダストリアルは「ロック」と「テクノ」を、デジタル・ハード・コアは「パンク」と「テクノ」を、それぞれ取り込み、さらに過激で攻撃的なサウンドを構築した。それは、新たな音楽の地平を拓いたといえるだろう。と同時に、いわゆる「宅録アーティスト」の創造性を押し広げたとも考えられる。もともとバンド活動をしていたFUKAが98年に個人で始めたプロジェクト、グラインディング・スパイラルも、そういった利点を活かしきった音楽を呈示している。アリス・イン・チェインズを彷彿とさせる重く淫靡なバンド・サウンドや、まさにハード・コアの性急さをもったスタイルを打ち込みによって繰り広げるさまは、自主制作ながら完成度の高さをしっかり感じることができる。