Def Squad

ビートに絡みつくような粘っこいフロウのエリック・サーモン／鼻詰まり声が特徴のレッドマン／ヤンチャな雰囲気たっぷりのラップを見せるキース・マレイ、というアクの強い３人の輩で結成されたのが、このデフ・スクワッドだ。三者三様のすこぶる個性的なラッパーたちだが、お互いのキャラクターを知り尽くしているからか、楽曲中で個性が拮抗することはなく、見事なシンクロを見せている。また、エリック・サーモンによるシンプルでドライながら高い中毒性を持つファンク・サウンドも、自分たちのラップの素晴らしさを引き出している出来映えだ。つまり、すべてのプロダクションは相手、及び自分への理解の上に成り立っているのだ。
作品的には、改心の出来に仕上がった１stアルバム『エル・ニーニョ』（98年）とあまり評判にならなかった『エリック・オナシス』（00年）の２作をリリースしている。