DJ Clue?

ミックス・テープのリリースや派手なクラブ・プレイで、シーンの最前線にのし上がってきたDJといえば、ファンクマスター・フレックスやトニー・タッチの名前が思い浮かぶだろう。DJクルー?もそんななかのひとりである。彼は、２枚使いやスクラッチなどの技（スキル／テクニック）を重視に披露したり、大声で煽ったりして盛り上げるタイプではなく、センスのよい選曲で“聴かせる”DJスタイルを得意とする。それを堪能させてくれるのが、彼が編纂した１stアルバム『プロフェッショナル』（98年）だ。——DMX、ジェイ・Ｚ、EPMDという新旧を代表するイースト・コースト系ラッパー〜ミッシー・エリオット、ビッグ・パニッシャーなどの個性派MC〜マライア・キャリーといった超大物ポップ・シンガーまで、華やかな顔ぶれの楽曲をチョイス（ブランニュー・シットも盛りだくさん！）。それらを自身の喋くりを交えながらスムーズにミックスした内容だ。しかし、けして自分が前面に出てくるわけではなく、“佳曲を世に紹介する”というDJの大義／基本姿勢をしっかりと踏まえている。そのアティテュードは続編『プロフェッショナル，Pt.２』（00年）においても変わらない。
また、DJクルー?は自身主宰のレーベル＜DESERT STORM＞からイケメン・ラッパー＝ファボラスをデビューさせ、特大ヒットさせてもいる。さすがの実業家っぷりですな。