圧倒的な名演を収録した『クリームの素晴らしき世界』は、70’sロックへの道標となった
ロックにおけるドラムの在り方を作り上げたのは、間違いなくジンジャー・ベイカーである。残念なことに10月6日に亡くなってしまったが、60~70年代前半にデビューしたイギリスのロックドラマーは、ほぼ彼の影響を受けていると言ってもいいだろう。そこで今回は追悼の意味も込めてロック史上に残る名演を収録した『クリームの素晴らしき世界(原題:Wheels of Fire)』を取り上げる。本作は2枚組で1枚はスタジオ録音、もう1枚はアメリカでの公演を収めたライヴ盤である。たった2年半の活動で空中分解してしまった彼らだが、クラプトンのギターをはじめ、ジャック・ブルースとジンジャー・ベイカーの壮絶なインタープレイがロック界に与えた影響は絶大なものがある。