Bruce Roberts

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    Bruce Robertsブルース・ロバーツ

    “第2のバート・バカラック”と呼ばれるほど、ブルース・ロバーツが生み出すメロディは洗練されており美しい。実際、バート・バカラック&キャロル・ベイヤー・セイガー夫妻(91年離婚)と3人でコラボレイトした楽曲も少なくはないし、自身の名をタイトルに掲げた77年のデビュー・アルバムでも、セイガーと6曲共作を果たしている。
    そんなロバーツの初リーダー作は、優しさに満ちあふれた内容だ。温かく包み込むようなヴォーカル、ドラマティックあるいはポップに響くメロディ、シックな雰囲気を醸し出すサウンド——そのすべてが叙情的である。なかでも、ピアノやストリングスを導入した壮大なバラード・ナンバーは素晴らしいかぎりだ。また、ロバーツ本人の力量はもちろんのこと、デヴィッド・フォスター/ジェフ・ポーカロ/ロン・カーターなど多くのゲスト・ミュージシャンの支えがあってこそ、AOR史上に残る名盤と成り得たことも忘れてはならないだろう。