鈴木重子

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    鈴木重子スズキシゲコ

    "中庸の美"という表現がまさにピッタリなシンガーだ。——ジャズをジャズらしく(あるいはジャズもどきに)歌わないとジャズ・シンガーではない、と錯覚していた時代はとうの昔である(その部分に深くこだわるジャズ・ファンも多くいたが……)。しかし反面、現在は自由を身につけ過ぎて、かえって着膨れしている音楽が多いのもまた事実。——そんな中、鈴木重子の歌は押しつけがましくなく、とてもシンプルに響いてくる。
    静岡県浜松市出身。東京大学法学部在学中にジャズの魅力に引き込まれ、主にジャズやボサ・ノヴァを勉強する。司法試験にもアタックしながら、学業とジャズを両立させる日々が続いた。やがてジャズ・クラブでの仕事も定着、ヴォーカリストの道を歩み始める。そしてニューヨークのブルーノートで日本人ヴォーカリストとして初めてライヴを行い、大いに話題を呼んだ。
    95年の1stアルバム『プルミエール』以降、コンスタントに佳作を発表。また、個性的なステージ・トークやエッセイからも、彼女のセンスの高さが垣間見れる。 (山本晋平)

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