費用対効果バツグン! 首位を走るDeNAがもっと讃えられてもいい理由
今季の12球団平均年俸は前年比133万円増の3,811万円で、4年ぶりにプラスとなった。リーグ別ではパが平均3,834万円、セが平均3,788万円。パの平均額がセを上回るのは1997年以来、18年ぶりのことだ。
調査結果には球団別の平均年俸も記されている。この数値と今季の順位を見比べると実に興味深い。セ・パそれぞれで見ていこう(※リーグ戦の順位は調査結果が発表された5月18日時点)。
〈セ・リーグ 年俸順位〉
◎1位 読売ジャイアンツ
年俸総額42億7,350万円/球団平均6,893万円/1軍平均1億709万円
→リーグ戦の順位は2位
◎2位 阪神タイガース
年俸総額22億590万円/球団平均3,558万円/1軍平均6,082万円
→リーグ戦の順位は4位
◎3位 中日ドラゴンズ
年俸総額20億9,542万円/球団平均3,435万円/1軍平均4,573万円
→リーグ戦の順位も3位
◎4位 広島東洋カープ
年俸総額20億8,780万円/球団平均3,367万円/1軍平均6,461万円
→リーグ戦の順位は5位
◎5位 東京ヤクルトスワローズ
年俸総額18億1,415万円/球団平均2,926万円/1軍平均4,797万円
→リーグ戦の順位は6位
◎6位 横浜DeNAベイスターズ
年俸総額15億150万円/球団平均2,503万円/1軍平均2,627万円
→リーグ戦の順位は1位
まさに「桁が違う」巨人の年俸総額には改めて驚かされる。だが、その巨人と比較して総年俸でいえば約3分の1、1軍平均では4分の1の年俸で首位を走るDeNAの「効率の良さ」がひと際目を引く。このままDeNAの“下克上”が続くかに注目だ。
ちなみに、ヤクルトとDeNAの総年俸がひと際低いのは、1億円プレーヤーが少ないからだ。年俸が1億円を超えている選手はヤクルトが3人、DeNAは2人だけ。特に、DeNAは野手で最も年俸が高いのは石川雄洋【写真】の6,000万円だが、打撃成績上位を見ると、トップ10に日本人選手が一番多い(DeNAが3人、中日が2人、広島、ヤクルトが1人ずつ。残り3人は外国人選手)。チーム成績、個人成績ともに好調を維持すれば、このオフ、一気に1億円プレーヤーが増えるかもしれない。
〈パ・リーグ 年俸順位〉
◎1位 福岡ソフトバンクホークス
年俸総額34億2,100万円/球団平均5,798万円/1軍平均9,829万円
→リーグ戦の順位も1位
◎2位 オリックス・バファローズ
年俸総額27億2,330万円/球団平均4,464万円/1軍平均6,860万円
→リーグ戦の順位は6位
◎3位 北海道日本ハムファイターズ
年俸総額20億2,065万円/球団平均3,259万円/1軍平均6,349万円
→リーグ戦の順位も3位
◎4位 埼玉西武ライオンズ
年俸総額19億8,840万円/球団平均3,314万円/1軍平均5,720万円
→リーグ戦の順位は2位
◎5位 千葉ロッテマリーンズ
年俸総額19億6,150万円/球団平均3,269万円/1軍平均5,778万円
→リーグ戦の順位も5位
◎6位 東北楽天ゴールデンイーグルス
年俸総額18億1,415万円/球団平均2,956万円/1軍平均5,332万円
→リーグ戦の順位は4位
ソフトバンクが他を大きく引き離し、その後を追うオリックス。他の4チームは比較的同じ程度の年俸予算を組んでいるのがパ・リーグの特徴だ。
その中でもやはり注目すべきは、パ・リーグ年俸総額2位、12球団で見ても3位の予算をかけたオリックスの不甲斐なさだ。大型補強を敢行し、開幕前は話題をさらっていたものの、主力選手の不調、故障者の続出で、開幕から躓いた。2ケタの借金や、この順位が続くようでは、このオフ、大粛清が行われてもおかしくないが、高額年俸者ほど複数年契約を結んでいるもの。しわ寄せが若手や中堅選手に向かないかが今から心配でもある。
もちろん、ペナントレースはまだまだ前半戦途中。年俸に対して見合った成績だったかどうかを判断するのは早計だ。高額年俸選手は相応の成績が期待できるからこそでもあり、これから巻き返す可能性は大いにある。
お金をかけたから単純に強くなるわけでもないのが、野球という競技の難しさであり、面白さでもある。シーズン終盤にこの「お金と順位」の関係性がどうなるかも含め、追いかけていくべき数字だ。
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