アンサンブルボッカ

読売巨人軍に入団した主人公、星飛雄馬がさまざまなライバルとの戦いを交えて成長していく姿を描いた『巨人の星』。社会現象まで巻き起こした熱血スポ根アニメの名作だが、アンサンブルボッカの歌う主題歌「ゆけゆけ飛雄馬（巨人の星）」も我々の記憶に深く刻みこまれた。この曲を聴くと父・一徹との葛藤（ちゃぶ台倒し！）や姉・明子の木陰からの涙、そして大リーグ・ボールなどが走馬灯のように思い出され、体中の血がフツフツと沸きたつ感覚に襲われるのだ。
ちょうど栄光の巨人V9時代と符合するかのように高度成長期が始まったわけだが、まさしくそんな時期を象徴するような雄々しいコーラスは、今となっては忘れ去られてしまった企業戦士の鎮魂歌だ。