レベッカの大傑作!
世界的ガールポップの潮流を
見事にバンドサウンドに注入した
『REBECCA IV ~Maybe Tomorrow~』
『REBECCA IV ~Maybe Tomorrow~』/レベッカ
今や当たり前のようなバンドスタイルとなっている女性ヴォーカル+男性楽器隊を、日本の音楽シーンに根付かせたレベッカは誰もが認めるレジェンドバンドだ。1985年にリリースした4thアルバム『REBECCA IV ~Maybe Tomorrow~』はチャート1位を獲得しただけでなく、翌年の年間ベスト3にもランクインを果たすなど、邦楽シーンの勢力図を変えるほどの大ヒットを記録し、後のバンドブームの火付け役にもなった。あれから30年。彼女らのブレイクの要因を、時代背景、そしてこの『REBECCA IV ~Maybe Tomorrow~』の内容と併せて探ってみた。
女性ヴォーカル+男性楽器隊という
スタイルをポピュラー化
具体的に言えば、80年代前半のMTVブーム──もっと言えば、そのMTVブームの渦中でシンディ・ローパーからマドンナへと続く、世界的なガールポップの潮流を、ロックサウンドに組み込んだこと。個人的にはこれに尽きるのではないかと思っている。当時は未だアイドル的な括りだったとはいえ、チェッカーズや吉川晃司、C-C-Bらが台頭し、何となくお茶の間にもロックサウンドが漂ってきた頃。筆者のレベッカ初体験は「ラブ イズ Cash」(3rdアルバム『WILD & HONEY』)なのだが(テレビ神奈川の深夜の音楽番組でPVを観た)、「マドンナみたいなことをやってるロックバンドが出てきたな」というのが最初の印象だった。後で知ったことだが、この楽曲は初期メンバーが脱退しメンバーチェンジ直後にリリースする最初のシングルということで、ここで方向性をシフトチェンジしたそうである。これが功を奏したと言ってしまえば簡単だが、このタイミングは100年に一度とも言うべきものであり、NOKKOが言い出したのか、リーダーの土橋氏のハンドリングだったのか分からないが、これは見事な一手だったと言わざるを得ない。
アーティスト
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