【尾崎裕哉×宮本貴奈
インタビュー】
自分でイメージできないところや
アイディアが浮かんでくる

L→R 尾崎裕哉、宮本貴奈

尾崎裕哉が4月9日の東京・日本橋三井ホールを皮切りに、兵庫、愛知で『Strings Ensemble Premium Concert 2023』を開催する。デビュー記念ライヴ以来、約7年振りとなる弦楽アンサンブルとのコンサートについて、ピアノ&音楽監督を務める宮本貴奈とともに語ってもらった。

宮本さんとだったら
もっとポップスを取り入れてもできそう

久しぶりの弦楽アンサンブルとのコンサートですね。

尾崎

“懐かしいなぁ”って気持ちですね。でも、当時はメンバーも一緒に曲を作ったり、アレンジをしてたトウミヨウさんがキーボードで入ったりしていて、知り合いベースでやっていたんですが、今回は京都フィルハーモニー室内合奏団の弦楽アンサンブルとの共演なので、より本格的なものになっているからとても楽しみです。

そこに宮本貴奈さんが加わって。

宮本

はい。以前にお会いしたことがあって、ご挨拶をしたことはあったんです。“同じボストン住まいでしたね”って。

尾崎

そうでしたね。

宮本

それで今回お話をいただいて、びっくりしたんですけど、調べてみたら同じ時期にボストンにいたこともあって! 私、いろんなポップスの方とのオーケストラ公演もさせていただいてるので、尾崎さんとの今回のコンサートもきっと良いものになるんだろうなって期待感がありました。さっき初めての音合わせをしたんですが、本当に素晴らしくて! 感動してファンになりました(笑)。

音合わせをして、その期待感がより高まった感じですね。

宮本

はい。ミュージシャン同士ということで、“あれをやりましょう”“これをやりましょう”って提案させてもらうと、“あっ、いいですね!”ってフレキシブルに対応してくれて。ご自身がいろんなことができる方なので、こっちも面白がってどんどん無茶振りみたいな感じでお願いしちゃいました(笑)。

音合わせでお互いのフィーリングが分かったと。

宮本

そうです、そうです。ワクワクしています!

尾崎

最初にこの話があった時、ご挨拶をさせてもらったことはあったんですけど、どういう感じの方なのかは分かっていなくて。で、今日お会いして“明るい方だなぁ”と。

宮本

あははは。

尾崎

バイブスがアメリカのノリだと思ったので、“これは何でもできるぞ!”ってポジティブに感じられました。今日、音合わせしたリハーサルスタジオがクラシック系のスタジオだったこともあって、最初は“大先生が来るのかなぁ”って少しかしこまっていたんですが、いい意味で全然違いましたね(笑)。

今、お話を聞いていてもフレンドリーというか、フランクな印象を受けます。

尾崎

ですよね。それで、もともと考えてきたセットリストがあったんですが、変更することにしたんです。宮本さんとだったらもっとポップスを取り入れてもできそうだと思って。管弦楽を取り入れたクラシック系のコンサートだと、僕の場合はバラードが多めになるんですけど、そうじゃなくてもいいのかなって。

会ってみての感覚で方向性とかセットリストをすぐに変えられるというのは、先ほど宮本さんが言ったようにフレキシブルな対応ができるということですよね。

宮本

そう思います。

尾崎

今回、宮本さんに音楽監督としても参加してもらっているので、自分ひとりで全部決めなくてもいいわけですし、自分でイメージできないところやアイディアが浮かんでくるところが良さでもありますからね。

宮本

でも、“選曲を前もって出しておいてね”ってお願いしていたんですけど、なかなか出てこなくて、ちょっとヤキモキしていました(笑)。とはいえ、“自分ひとりで決めなくてもいい”という意図があるんだろうなとも思っていました。

尾崎

そうです、そうです!

宮本

お願いしてすぐに出てきたら、もうすでに自分の中でイメージが固まっていると思ったでしょうし、そうじゃなかったということはまだ変更の可能性もあるんだなって。

尾崎

セットリストはそんなに大きく変わらないと思うんです、基本的には。代表曲だったり、みんなが聴きたい曲を入れて…という感じなので。でも、僕はコンサートをする時、いつもゼロベースで考えるんです。裾野を広げて、ある程度フラットな状態からまず選んでみて、候補曲を30曲ぐらいに絞って…それをそのまま“この30曲が候補曲です!”って送っても良かったんだけど、さすがにそれは困るだろうと思って15曲に絞って(笑)。

宮本

困ります!(笑)

尾崎

ですよね(笑)。選曲に悩んでいるんだったら、それを今日の音合わせの時に話せばいいわけだから、そのまま挑んだんですけど、雰囲気が分かったことでミッシング・ピースが見つかりました。

コンサートの全体像が見えた?

尾崎

そうですね。

宮本

弾き語りツアー(『ONE MAN STAND 2023 SPRING』)をされていたということで、あえてソロコーナーを入れたりして、本編との対比も楽しんでもらえそうな気がしています。

弦楽アンサンブルとのコンサートとはいえ、全曲それでやる必要はないですし。

尾崎

そうなんです。そういったアイディアを出していただきました。

宮本

ベーシストをジャズポップス系のアメリカ人にしたので、3人によるちょっとジャジーなセッションもありますし、いろんな楽しみ方ができると思います。

宮本さんから見た、尾崎さんの歌声や楽曲の印象は?

宮本

“真っ直ぐ”ですね。そういったど直球で歌うことってすごく勇気がいると思うんですけど、そのまんまな人だったので、曲と人となりが一致してるんだなって。ここまで真っ直ぐ生きるのもすごいと思います。

尾崎

あははは。

宮本

歌声も在り方もまんまなので、とても素敵です。

尾崎さんから見た宮本さんは?

宮本

まだ2曲しか合わせていないんですけどね(笑)。

尾崎

ピアノ先行の曲とギター先行の曲の両方を合わせさせてもらったんですが、自分が作ったスペースをちゃんと埋めてくれていたから、自由にやっていいんだなって。オケがしっかりしてると、自分が乗っかれる安心感があるんで“あっ、任せていいんだ”って思いました。ちょっと楽できるかなって(笑)。

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