【アルカラ インタビュー】
人と人がかかわる中で生まれる
コントラストを表現した作品になった
L→R 稲村太佑(Vo&Gu)、下上貴弘(Ba)、疋田武史(Dr)
結成20周年を迎えたアルカラが20周年記念アルバム『キミボク』をリリースする。2019年12月にリリースした10thアルバム『NEW NEW NEW』のインタビュー時には同作を“アルカラにとって新たな一枚となった”と語っていたが、今作は彼らにとってどのような作品になったのか? 20周年記念2マンツアー『産声』についても振り返ってもらいつつ、作品に込めた想いを訊いた。
面白い方へ向かっていくという
今も昔も変わらぬ姿勢
20年という月日は決して短いものではないと思いますが、今の心境としては如何ですか?
稲村
やっていることとしては特に変わらないので、20年目だということで、改めて頑張らないとあかんなという気持ちには特になっていないですね。でも、何かを続けることへの尊さはひしと感じていますし、20周年を喜んでくれる人がいることへの感謝の気持ちが強くあります。
下上
自分たちとしては必死にやってきた20年間だったので、僕も20年の重みというものは特に感じてはいないですね。逆に、20年目でも1年目のつもりで、初心を忘れることなく振りきって考えていこうと思っています。
疋田
そうだね。駆け抜けていったら、いつの間にか20年が経っていたという気分です。
20周年記念2マンツアー『産声』を開催されていましたが、こちらについては?
稲村
今回のツアーは縁のあるバンドだけではなく、初めて一緒にやるバンドにも声掛けしながら組んでいったんです。僕らもいろんな人と出会っていきたいですし、そういう刺激を絶やしたくなかったんですよね。僕らの今の気持ちとしては、20年経ってようやく一周して、新たなスタート地点に立った感覚なんです。僕らももう40代なので、若さという点では昔に比べたら劣る部分はあるかもしれないですけど、そのぶん得てきたエネルギーがあるので、それらを携えて、これまでの延長線上から始めるのではなく、真っ新なスタートを切りたい。そういう想いがあったので、ツアータイトルも“産声”にしたんですよ。とはいえ、これまで培ってきたものを壊したいわけではまったくないので、そこの両面性を兼ね備えられたツアーになったんじゃないかな?
下上
何カ所かはキャンセルになってはしまったんですけど、自分らはまだまだやなって思いました。当たり前のことではあるんですけど、自分らにはないものを持っている人たちばかりだったので、その人たちが歩んできた人生について考えながらライヴを観ていたら、勉強することはたくさんあると思いましたね。
疋田
そうだね。久しぶりに対バンするバンドも過去に一緒にやった時よりも格段にブラッシュアップされていたり、初めて対バンする方々もMVや作品を聴いて得ていた印象とライヴでの印象がまったく違ったりもして、やっぱり現場でしか分からないことってめちゃくちゃあると思いました。それで言うとPK shampooが衝撃的で、“ライヴではこんなに喋んねや…”って思いました(笑)。
SNSに対バン相手の楽曲のカバーをアップされていましたが、ああいうサプライズ的なアクションをするっていうのは、流石アルカラだなと思いました。
稲村
あれは下上のアイディアなんですよ。“せっかくの2マンツアーやし、面白いことやらへん?”っていう話の流れで、できるかどうかを検証することなく始めました。でも、バンド同士をつなげるものになったように思いますし、双方のお客さんにも楽しんでもらえたんじゃないかな? 振り返ってみると“誰かを楽しませたい”だとか“誰かを喜ばせたい”だとか、そういった想いをきっかけにしていろいろな試みをしてみるっていうのは、アルカラの活動における原点であり、今なお大事にしていることだなと思いましたね。
下上
でも、翌週にはカバーで覚えたことは全部忘れていた(笑)。
稲村
そうそう、きれいに忘れていた(笑)。楽曲の一部分を一点集中で覚えただけだったし、ほんまに一夜漬けだったもんな。そう考えると、行動パターンも学生時代から何も変わってないわ。カバーについてはツアーで赴いた場所のスタジオに夜中に入って練習したんですけど、それもまた良かったですね。札幌のスタジオなんて、壁が薄くて隣の部屋の音がまる聞こえだったし。
疋田
あははは! そうそう!(笑)
稲村
でも、そういうのもツアーの良さよな。
下上
そのぶん、スケジュールもみっちみちやったけどな。
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