【ORCALAND インタビュー】
全方位でグレードアップした
内容にしたかった

L→R おとやん(Ba)、村田京哉(Gu)、大塚祥輝(Vo&Gu)、こーてぃん(Dr)

ロックレーベル・No Big Deal Recordsが2021年から22年にかけて開催した新人発掘オーディション『No Big Deal Records 10th Anniversary Audition』でグランプリを獲得した、ORCALANDが7曲入りの1stミニアルバム『Travel Notes』を完成させた。ポップな歌を軸に多彩なアレンジを封印した今作について、メンバー全員に話を訊いた。

取っつきやすい
自然体のバンドを目指している

バンドの結成は2019年ですか?

村田

そうですね。大学のサークルの友達で結成したバンドです。おとやんだけは一個上で、他の3人は同じ学年ですね。

こーてぃん

音楽の好みはバラバラだけど、ライヴが良くて拳があがるアツいバンドが好きというのは共通項です。で、曲を作る時には各々が好きなエッセンスを少しずつ入れている感じですね。

大塚

活動初期に僕らの中で名前が出ていたバンドはcinema staff、Rhythmic Toy World、BYEE the ROUND、GRAND FAMILY ORCHESTRAあたりでしたね。そこはみんなが共通して好きなバンドです。

今作を聴いても音楽的に引き出しの多いバンドだと感じました。

おとやん

全員何でもやりたいタイプなんだと思います。だから、最初はまとまらなかったんですけど、最近はうまい具合にまとまるようになってきたんじゃないかと。

大塚

王道のポップスをやりつつ、バックの演奏で自分たちの引き出しを見せられたらいいなと思っています。

歌を追いかけても、演奏を追いかけても楽しめるバンドでありたい?

大塚

そうですね。自分たちは常に楽器で面白いことをやりたいんですよ。それは4人全員が考えていることですね。

『No Big Deal Records 10th Anniversary Audition』でグランプリを獲得したそうですが、その時の心境は?

こーてぃん

Wiennersが大好きなので、単純に“その後輩になれるのか!?”という嬉しさもありました。

村田

ずっと自主でやってきて、誰かに認められるという機会はなかったから、“04 Limited Sazabys、reGretGirlとかがいるレーベルに入れるんだ!”って。

おとやん

僕はオーディションのあとに正式加入したんですよ。自分は他のバンドでまた違った音楽をやっていたから、ORCALANDとはジャンルが合わないんじゃないかと思っていたんですが、サポートで2年半やるうちに好みの溝が埋まっていった感じですね。その意味でもオーディションがひとつの分岐点になりました。

好みの溝が埋まったとは?

おとやん

僕はもっとサウンドが重めの曲が好きだったんです。

こーてぃん

No Big Deal Recordsで言うとJYOCHOみたいな、テクニックが凄いタイプ。

おとやん

難しいことをしている曲が好みだから、ORCALANDとは違うかと思っていたんですけど、僕の好みも取り入れてくれるメンバーなので。

大塚

おとやんが加入した頃には歌を軸にしていろんなことをやるという方向が定まっていましたからね。それ以降は曲作りにおいても対極的視点も持つようになったというか、今まで作ってきた曲と照らし合わせたりして、広い視点で見るようになりました。

こーてぃん

以前は思いついたらすぐにそのフレーズを入れていたけど、細部まで話すようになりました。“ギターがそうするならベースはこうした方がいいんじゃない?”って。

なるほど。そして、今作は“時間と旅”をテーマに制作を進めたそうですね?

大塚

これまでのEPは特にテーマを決めずに出してきたので、今回は自主でやってきた時間と、ここからNo Big Deal Recordsの一員としてやっていく時間を旅にとらえて、“時間と旅”をテーマにしました。今までの自分たちを知っている人のことも置いていかないし、その上でもっといろんな人に受け入れられるバンドになりたいなと。だから、今作は自分たちの旅を書き記したものであり、今後この作品の曲たちとみんなで成長していきたいという想いを込めてます。

村田

時間と旅を歌詞に落とし込む作業は大変でした。特に「年上のお姉さん」は(笑)。

今作の中ではもっとも砕けた歌詞ですね。

大塚

そういう自分たちの砕けた部分も曲で残しておきたくて。

村田

そこはバンドとして大事にしている部分かもしれないですね。取っつきやすい自然体なバンドを目指しているから。

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