【Roselia インタビュー】
Roseliaとして
より“味わい”のある
楽曲になっている

L→R 工藤晴香(氷川紗夜役/Gu)、櫻川めぐ(宇田川あこ役/Dr)、相羽あいな(湊 友希那役/Vo)、志崎樺音(白金燐子役/Key)、中島由貴(今井リサ役/Ba)

次世代ガールズバンドプロジェクト『BanG Dream!(バンドリ!)』の中でも圧倒的な存在感を放つRoseliaが、ニューシングル「Swear 〜Night & Day〜」をリリースする。工藤晴香(Gu)が演じる氷川紗夜の心情にスポットを当てたミディアムテンポの楽曲で、スマートフォン向けゲーム『バンドリ! ガールズバンドパーティ!(ガルパ)』に実装されるやファンの間で話題になっていたもの。工藤晴香と宇田川あこ役の櫻川めぐ(Dr)のふたりに、同曲とカップリング曲「Our Carol」に込めた想いや演奏面などについて訊いた。

紗夜にフィーチャーした曲は
すごく久しぶり

「Swear 〜Night & Day〜」は9月22日に有明アリーナで開催された『「BanG Dream! 10th☆LIVE」DAY1 : Roselia「Sonnenschein」』でライヴ初披露となりました。ミディアムの重厚なサウンド感はRoseliaっぽさがあると思いましたが、それぞれが最初に聴いた印象はどういう感じでしたか?

工藤

RoseliaはBPMが180以上の速い曲が多いので、久しぶりのミドルバラードだというのが第一印象でしたね。

櫻川

ライヴ中はテンションがアガっていて曲のテンポをいつもより速く感じたり遅く感じたりするんですけど、有明アリーナで「Swear 〜Night & Day〜」を演奏した時はめちゃくちゃ遅く感じました。

工藤

私も遅く感じた。

櫻川

スローモーションみたいな感じで、間を持たせる時間がすごくもどかしくて。

工藤

突っ込みたくなるよね。“空白がある!”って思っちゃう。

櫻川

だから私、ドラムが走っちゃってたかもと思って終わってからみんなに“ごめんね”って言ったら、みんなが大丈夫だよと言ってくれて安心しました。

工藤

それだけみんながお互いの音を聴いていたということです。

この曲は『バンドリ!』で工藤さんが演じている、氷川紗夜の妹の氷川日菜(CV:小澤亜李)への想いが歌われているとのことですが。

工藤

『ガルパ』のイベントストーリーで紗夜がフィーチャーされていて、紗夜が何か壁にぶち当たったり悩んだりすると絶対に隣には日菜がいてくれるので、本当にふたりでひとつみたいな関係性なんです。そのことがよく表れている曲なんじゃないかと思います。もともと『バンドリ!』の曲はキャラクターにフィーチャーしたものがすごく多いのですが、紗夜にフィーチャーした曲は「Determination Symphony」(2017年11月発表のシングル「ONENESS」収録曲)以降なかったので、すごく久しぶりだなとも思いましたね。

演奏で印象的な部分はありますか?

櫻川

サビの歌詞に《掻き鳴らせ 約束を繋ぐ指先で》という部分があるんですけど、ドラム的にはハイハットシンバルをそれこそ搔き鳴らす感じなので、演奏する身としてそこはすごく気持ち良いです。だからこそ、そこは湊 友希那役でヴォーカルのあいあい(相羽あいなの愛称)の歌を意識して聴くようにしていて。本当に気持ちを込めやすい歌詞だなと思います。声優として声で表現するのとは違って、ドラムという楽器に気持ちを乗せる部分では、ミディアムバラードのテンポ感だからこそ、より気持ちを乗せやすいのかもしれないですね。

個人的に《Every Day, Every Night...》のあとの、ちょっと音が広がる感じのところが好きです。

工藤

あ〜、分かります。ピアノソロが入ってからのドン、ド、ドンのところ。基本シンコペーションで演奏しているのに、一部だけシンコペしていないんですよ。絶対シンコペしちゃダメだと思って、私はめっちゃドラムを聴きながら弾いています。

櫻川

実はここって難しいフレーズを叩いていたり、足(バスドラム)を大きく踏もうとか技術的なところを、Morfonicaで二葉つくし役としてドラムも叩きつつ私のレッスンも担当してくださっているmika先生に相談していたので、すごく意識して叩いていますね。

工藤

ここはメンバー全員がめっちゃ真剣かも。ずっとシンコペしてぐんぐんと上がっていくのに最後にはフッと引くみたいな。

こういう感じも新たな武器になっていくんでしょうね。

工藤

そうですね。Roseliaとして、より“味わい”のある曲になっています。これまでの楽曲ではどんどんシンコペしていって、ブレイクからのドーンみたいな終わり方をするものも多かったので。

櫻川

それこそ楽器を始めたばかりだったら、この速さは今以上に難しいし、今ほどの完成度には到底辿り着けなかったはず。今だからこそ叩けたと思える曲なので、Roseliaの演奏者として成長している姿を見せられたんじゃないかなと思います。

ギターで今までと違った点は?

工藤

クリーントーンのアルペジオだったり、ディレイをかけるところは、すごくこだわって音を作りました。あと、珍しくギターソロがないんです。それも今時なのかなと思いますね。なので、イントロのギターリフがなるべく目立つようにと思って、ちょっと分厚めに音を作ったんです。

現代的なポップスはイントロとか間奏がないものも多いですね。

工藤

Roseliaの楽曲は作曲家さんによっても違っていて、この曲は竹田祐介(Elements Garden)さんですが、上松範康(Elements Garden)さんの曲だと逆にすごくギターソロが長いんです。12小節くらいあった時は“これを弾くのか!?”と笑っちゃいました(笑)。ギターソロがあったりなかったりするのもそれぞれの楽曲の個性なので、私はそれも含めて楽しんでいる部分がありますね。

他の楽器で印象的なところはありますか?

工藤

2番のBメロにある《それぞれの音色》というところは、ブレイクになってベースだけ参加しているんです。先日の有明アリーナでのライヴ(9月22日の『「BanG Dream! 10th☆LIVE」DAY1 : Roselia「Sonnenschein」』)では、私とあいあいはその時にベースのゆっきー(中島由貴の愛称)のほうを振り向いて、ゆっきーが演奏しているところを見るという動きをやっていて。

ライヴ中のそういうちょっとした動きは事前に相談するんですか?

工藤

ここは相談したわけじゃなく、その場で感じたままに動いたんです。なんかゆっきーのことを見たくなっちゃって、パッと見たらあいあいも見ていたという。

櫻川

かっちり決めなくても、自然に出ますよね。練習中に出る動きがあるし、ゲネプロで出るもの、ステージ中だけのライヴ感もあって。後ろから見ていると前の3人は“天才か!”って思います。本当に頼もしいです。

櫻川さんの他の楽器で印象的だった部分は?

櫻川

多くのRoseliaの楽曲でハイハット、スネアドラム、バスドラムの3点でリズムを引っ張っていくイメージなのですが、今回はタム回しが盛り込まれていてタムで低音を意識するという部分で、ベースとの合わせをすごく意識しました。お互い補い合っているというか。ドラムの音数が多いところでもベースがリズムを刻んでいたり、ドラムが叩いていないところのリズムをベースが補ってくれていたり。よりベースとともに支え合う楽曲だと思いますね。

シンプルでそこまで難しそうには聴こえないけど、実はすごく難しいんですね。

櫻川

他の曲より、こっちのほうがテクニカルですごく難しいです。

工藤

わりとマニア向けというかね。最後はフリーテンポで、みんながあいあいのヴォーカルに合わせて演奏するんです。ライヴではみんながあいあいのほうを向いて全集中していました。

櫻川

そうだったね。

工藤

やっていくうちにどんどんブラッシュアップされて、すごい楽曲になっていくんじゃないかと期待しています。

最後に《始まりは私達》と出てきますけど、この《私達》は氷川姉妹のことであり、Roseliaのことも意味しているんでしょうね。

工藤

この一節は私たち楽器隊も一緒に歌っているので、どっちにも取れるんじゃないかと思います。紗夜にフィーチャーした楽曲ではあるけど、めぐちぃ(櫻川めぐの愛称)が演じている宇田川あこちゃん目線でもハマる楽曲だし、どのキャラクターの視点でとらえてもハマる楽曲だと思っています。《ワタシノ ユイイツ》という歌詞があって、これは紗夜からすると日菜なのか、ギターなのか、Roseliaなのかだけど、他のキャラクターに置き換えても、きっとそれぞれの唯一があると思うので。それぞれの想いを馳せて、聴いてもらう楽しみ方もできるのかなって思いました。

タイトルにある“Swear”は“誓う”という意味とのことですが、最近おふたりが何か誓ったことは?

櫻川

夜にドカ食いしないとか(笑)。ライヴが近くなると、みんなが身体を仕上げてくるから。私も今回はお鍋でお野菜をいっぱい食べて頑張りました!

工藤

通販で買い物をよくするんですけど、商品が家に届いた時点で満足しちゃうんです。だから、まだ開いていない段ボール箱が玄関に山積みになっていて。ちゃんと届いた時に開けたほうがいいなって、大量の段ボールを処分した時に思いましたね。

櫻川

“開けよう!”って誓ったんだね。

工藤

そうそう。“届いたらすぐ開けよう!”って。

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