【ハコニワリリィ インタビュー】
“ハコニワリリィ”になったことが
さらに強く伝わる一枚に

L→R Hanon、Kotoha

動画投稿サイトでの“歌ってみた”、アニメ主題歌や絶大な支持を誇るTikTokなど、ハコニワリリィを語る上でのキーワードはさまざまだ。とはいえ、彼女たちが人気を集める最大の理由は、やはり歌声や動画から伝わるパートナーとしての純粋な仲の良さにあるだろう。ニューシングル「キョリ感」について語る本稿を通して、そんなふたりの空気感であり、笑顔が途切れぬ取材の雰囲気を少しでも多く感じてほしい。

私たちの音楽は一曲ごとに
雰囲気を変えている点が魅力のひとつ

前回の取材はメジャーデビュー作『コガネゾラ』発売を控えた2021年の夏頃でしたね。同時期よりおふたりのTikTokアカウントがバズり続けていますが、それを実感したエピソードはありますか?

Hanon

初対面の方から“TikTokってやっていますか?”と尋ねられたことが(笑)。私たちは顔を出さずに活動をしているものの、動画を通してなんとなく雰囲気は伝わるものだなと。その方は友人の友人だったのですが、私がHanonだと気づかれないように“えっ、やってないですけど〜”と、申し訳なく思いつつ他人の振りで切り抜けました(笑)。

Kotoha

初対面の方に訊かれると本当にドキッとするよね(笑)。

Hanon

でも、それだけ応援していただけて嬉しいですね。今はフォロワー56万人なのですが、いつかは100万人になることを目指しています!

そんな人気のきっかけとなったのが、YOASOBIの代表曲「夜に駆ける」を日本語と英語で交互に歌った動画でしたね。

Hanon

そうですね。再生回数もまさかの一日も経たずに100万回まで届いて。ここまでバズったのも初めてだったから、当時はすごくはしゃいじゃいました。

Kotoha

すごすぎて逆に怖かったです(笑)。

Hanon

とはいえ、あの動画の生まれ方は奇跡だったよね。確か『コガネゾラ』に封入するカードにメッセージを書いている時、ことちゃん(Kotohaの愛称)とその日に投稿する動画のネタを考えていたら、一緒にいたマネージャーさんが“せっかくなら日本語と英語で交互に歌うなんてどう?”と提案してくれて。その場の思いつきだったので、マネージャーさん不在だったらあのアイディアは出ていなかったですね。

Kotoha

缶詰状態で生まれたのがあの動画で。実は半月ほどレンタル作業部屋にこもって、ひたすらにメッセージカードを準備していたんです。

驚くべき裏話が!? これまで投稿した中で、それぞれ特にお気に入りの一本は?

Kotoha

2021年11月に投稿した、夜のひと笑いさんの「ワライカタ」の“歌ってみた”動画ですかね。多くの方々から楽曲の視聴報告をいただいたり、それこそ70,000本以上ものたくさんの動画で私たちの音源を使っていただいたりと、本当に歌って良かったと感じました。

Hanon

あとは、“急に歌って”シリーズもお気に入りです。お互いにいきなりアカペラをさせられるやつ(笑)。

Kotoha

急だから歌詞が出てこないのよ(笑)。カメラが出てくると“また来たな”って身構えちゃう。

Hanon

でも、歌が上手だから、あんな感じの無茶振りをしても大丈夫!(笑)

では、ここからは2ndシングル「キョリ感」について聞かせてください。前作からの成長を楽しめるだろう今回のシングルは、ひと言でどのような一枚になりましたか?

Hanon

端的に言えば、“ハコニワリリィ”になったことがさらに強く伝わる一枚になりました。それこそ“HanonとKotohaのふたりではない、ひと組のアーティストになったんだね”というコメントをいただくことも増えました。私たちの音楽は一曲ごとに雰囲気を変えている点が魅力のひとつなのですが、今回のシングルではそうした歌い方や声色の使い分けもますます幅が広がっているので、ぜひ意識していただきたいポイントですね。

今作は3形態・全7曲の大ボリュームですが、一曲たりとて似たような楽曲はないですからね。しかも表題曲「キョリ感」はTVアニメ『阿波連さんははかれない』エンディングテーマに起用されていて。オンエアを観ての感想は?

Kotoha

アニメの作画も、声優のみなさんのお声もとってもきれいで。第1話もふたりで笑ったりツッコんだりと楽しんで観ていたら、一瞬で私たちの歌うエンディングテーマになっていました。

Hanon

阿波連れいなさんとライドウくん、ふたりともとっても可愛いくて! それに天然キャラだからツッコミどころ満載なんだよね。ハコニワリリィはツッコミ係。そして、何より私は“〜じゃね?”っていう“ライドウくん構文”がめちゃめちゃ好きで。

Kotoha

それ、絶対に話すと思った! はのぴ(Hanonの愛称)はオンエアのたびに“〜じゃね?”とかライドウくんの口癖が好きって言っているし、今では日常的に真似しています(笑)。ちなみに私は第1話のクレーンゲームからの流れが大好きです。阿波連さんがライドウくんに景品のぬいぐるみを大量にプレゼントするんですけど、ライドウくんがその夜、まるで儀式みたいな置き方で、ぬいぐるみを枕元に並べて寝るんですよ。その光景がシュールすぎて! 置き方、独特すぎでしょって(思い出し笑い)。

Hanon

あのシーンは本当にシュール! 私は原作の時点で爆笑しました。

(笑)。「キョリ感」は前作「コガネゾラ」から大きく雰囲気が変わりましたね。

Hanon

そうですね、使っている声色も全然違っていて。「キョリ感」の可愛らしいテイストは、むしろ私たちがインディーズ時代に発表していた楽曲に近いんですよ。なので、レコーディング自体もスムーズでしたし、歌っていて原点に立ち返ったような気持ちになりました。

Kotoha

全体を通してHoneyWorksさんらしいサウンドだよね。とっても甘酸っぱくてやさしくて、キュートな女の子らしさがふんだんに表現されていると思いました!

Hanon

私はサビの直前にふたりでハモるフレーズがお気に入りだな〜。

Kotoha

阿波連さんとライドウくんにも、私たち自身の関係性にも重なる一曲だよね。それこそ私たちもすごく近い距離感で一緒に活動をしているわけだし。

歌い終わりの《見つめ合って 今二人ゼロ距離》というオチが最高です!

Hanon

そうなんですよ! このフレーズ、キュンとするんですよ〜(しみじみ)。歌詞だけでも破壊力抜群なのに、楽器のほうも同じタイミングできれいに切れるので余計にドキッとするというか。歌詞がスッと届いてくるので、胸キュン間違いなしです。

Kotoha

このフレーズはアニメでは味わえない、フルサイズならではの聴きどころだよね。フル推奨楽曲なので、みなさんもぜひとも!

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