the peggies、初の野音で開催した結
成10周年記念ワンマンライブのオフィ
シャルレポート到着
the peggiesにとっての初の日比谷野外大音楽堂でのワンマンであり結成10周年のお祭りは、小雨が降る中、レインコートを着込んで期待を膨らませるオーディエンスを前に、とびきりポジティブな『ドリーミージャーニー』からスタートした。オーディエンスが勢いよく座席から立ち上がり、ハンドクラップで迎え入れる。元気よく手を振りながら現れた北澤ゆうほ(Vo&G)、石渡マキコ(B)、大貫みく(Dr)の3人。一聴すればすぐに歌える程のキャッチーな曲を1曲目に選んだところに、野外の開放感を味方につけ、みんなで思いきり楽しむ特別なお祭りにするんだという意志を感じる。
北澤は結成当初はライブが苦手だったと明かしている。しかし、思うように成長できていないと自分で感じている状況下でライブに来てくれるお客さんに感謝の気持ちが芽生え、ライブでも楽曲でも聴き手に対し、一対一の気持ちで届ける意識を持ったと。それによってライブで楽曲が完成する感覚を持ち始めたと話していたが、the peggiesのライブの良いところは、すべての曲がライブ仕様になっているということだ。どうしたらオーディエンスと一体となって楽しみ合えるか。それを目指したライブアレンジがところかしこにちりばめられている。
「みんなを肯定するために、私自身を肯定するために、前に進むために歌います」。ありったけの感情を込めた「さよならさ行かなくちゃ」というフレーズから始まる「足跡」をみんなの気持ちも背負って、歌い放つ。パワフルなギターとベースとドラム、三位一体となってグルーヴを高めていく。そのまま「スタンドバイミー」へ。この10年、アンサンブルも劇的に分厚くなった。
北澤が「私たち、他のバンドの人や音楽業界の人に言われて気付いたけど、だいぶ仲良いらしいよ」と言うと、「高校生の時、ケンカしまくったからもう仲良くなるしかなかった」とか、「毎日100通ぐらいメールしてた」とか思い出話で盛り上がる中、ふと北澤がフロアを見て「すいません。置いていっちゃって(笑)」と謝罪し、場が和む。
「こうやっていろんな人を巻き込みながら、バンドをやって生きることができてすごくありがたい」と感謝の気持ちを伝え、18歳の時に作った「ボーイミーツガール」へ。カウントアップから、3人が向かい合って、楽器を鳴らす。退屈な毎日の中、君に出会って恋をしたというラブソングだが、the peggiesの3人もそんな風に音楽に恋をしてバンドを始めたんだろうなと素直に思える、瑞々しく甘酸っぱいラブソングだ。
ステージ上で秋に新作をリリースすることを明かしていたが、これまでの歩みを誠実に振り返り、感謝しながらも、終着点ではなく大きな通過点となる予感に満ちたライブだった。
文=小松香里 撮影=河本悠貴
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