【Gacharic Spin インタビュー】
Gacharic Spinという人の
性格だったり、
生き方だったりを詰め込めた
写真上段より時計回りに オレオレオナ(Key)、はな(Vo)、yuri(Dr)、TOMO-ZO(Gu)、アンジェリーナ1/3(Mc)、Fチョッパー KOGA(Ba)
さまざまな困難を乗り越えてきたGacharic Spinの前に立ちはだかったのはコロナ禍という壁。そんな中、セルフプロデュースによるアルバムを完成させた。その作品がセルフタイトルを掲げる意味であり、制作過程や背景などについて、Fチョッパー KOGA(Ba)とアンジェリーナ1/3(MC/以下、アンジー)に語ってもらった。
バンドの在り方としての
セルフプロデュースだった
前作『Gold Dash』(2020年3月発表のアルバム)を引っ提げて47都道府県ツアーを始めたところで、新型コロナウイルス感染拡大防止のために公演が延期となったわけですが、月の半分はライヴをやっていたようなバンドだっただけに、この事態をどう受け止めました?
KOGA
やっぱり最初は“どうするよ〜”って感じで…でも、私たちだけじゃなくて、みんなどう動いていいかが分からなかったじゃないですか。正直言って戸惑った時期もあったんですけど、気持ちの切り替えは早かったですね。
アンジー
1週間もしないうちに切り替わりましたね。“今、自分にできることを考えよう”って個々でSNSを始めたり、YouTubeで『ガチャっとTV』を始めたり。どうしてもライヴができない…今まで面と向かって“ありがとう”と言えていたのに、それができなくなったわけじゃないですか。でも、YouTubeとかで私たちが笑っていたり、おかしなことをやっている元気な姿を届けることはできていたので、ナーバスになることはなかったです。
KOGA
今回のアルバムに入っている曲も半分くらいはこの時期に煮詰めたから、曲作りする時間に充てることもできたし。メンバーそれぞれが自分やバンドを見つめ直したと思うけど、そこで“もっと頑張って曲を作りたい”や“もっと楽器を弾きたい”という答えが出たからこそ、“今やれることやっていこう”になったと思うんです。それが今回のアルバムにつながったと思っています。
アンジー
高校を卒業して“やっとバンドに専念できるぞ!”と思った矢先だったので、やっぱり“もうライヴはできないのかな? 音楽活動はできないのかな?”とか考えたりはしましたけど、逆に何でもできるというか…バンドをやりつつイラストを描いている人がいたり、お洋服のデザインをやっている人がいるじゃないですか。だから、いろんな表現に挑戦して、それがバンドの活動につながればいいと思えたんです。実際に音楽以外の表現もいろいろやれたので、アーティストとしてステップアップできたというか、意味のある期間だったんじゃないかなって。
まさにラジオ日本での『アンジェネレーションラジオ』はそうですよね。
アンジー
そうですね。音楽とは違うけど、バンドに直結することなので。
さっきKOGAさんが、今回のアルバムの曲作りに時間を充てることができたとおっしゃっていましたが、その中で生まれてくる曲も今まで違っていました?
KOGA
やはり歌詞は影響されましたね。曲は過去に作ったストックを煮詰め直したものもあったり、ゼロから作った新しいものもあります!!
そうなんですね。でも、楽曲の振り幅はいつも以上に大きいので、いろいろなタイプの曲が生まれてきたのかなと。
KOGA
まだ他に30曲くらいあるんですよ。
アンジー
しかも、全然違うジャンルの曲もいっぱいあります。
KOGA
だから、悩んで悩んで入れたのがこの10曲になんです。
そんな今作はセルフプロデュースなのですが、それは最初から決めていたのですか?
KOGA
昨年のツアーが始まる時期に“プロデューサーのもとを離れて自分たちだけでやってみよう”となって、そのあとに今作を出すことが決まったから、その流れの中で必然的だったというか。だから、アルバムのためのセルフプロデュースではなく、バンドの在り方としてのセルフプロデュースだったんです。
セルフプロデュースで曲を作っていたから、その曲を収録するアルバムもセルフプロデュースになったということですね。まずは先行配信というかたちで「MindSet」がリリースされたわけですが、なぜこの曲だったのですか?
KOGA
新しいGacharic Spinを見せられるかなと。改めて“メンバーひとりひとりが主役なんだ”というところも見せたいし、その中でも新しい血であるアンジーをどう活しているかを前面に出したかったので、それを表現するのに「MindSet」が打ってつけじゃないかと。ちょっとマニアックな曲だから先行配信として出すのはどうなのかという会議もあったんですけど、“これでいこう!”ってなりましたね。
それぞれのパートがバトルしているテクニック全開のナンバーだし、歌詞もメッセージ性の強いし、なかなかのインパクトですよね。
アンジー
そんな曲を先行シングルにした私たちは天才だと思いますね(笑)。普通は曲も歌詞も分かりやすい曲を選ぶんだろうけど、Gacharic Spinなんだし、私たちにしかできないものを先行シングルにしないでどうするんだって。私たちの表現を思いきり詰め込んだものにしたかったし、“私たちの攻め方はこれなんだ”というものが届けられたから、私はこの曲で間違いなかったと思っています。
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