情感にあふれた
陰影のある歌を聴かせる
マリア・マッキーの『永遠の罪』
雑食音楽のライヴハウス、パロミノ
パロミノの出演者たちはパンクであろうがカントリーであろうがお互いに影響し合い、よく共演もしていた。そんなライヴの様子を見て、カントリーやロカビリーとパンクをミックスした女性グループのスクリーミング・サイレンズが誕生するなど、パロミノはカウパンクやパンカビリーといった音楽を生み出し、若者たちにも徐々にその名が知られるようになる。パロミノに影響されて、イーストL.Aの多くのライヴハウスでは、パンクロック、カントリー、ブルーグラス、ブルース、R&B、フォークなどのアーティストが入り乱れる結果となり、これがもとになって後にオルタナカントリーやアメリカーナが生まれることになるのである。実際、ブラスターズのデイブ・アルヴィンはXのエクセン・サーベンカやジョン・ドゥと一緒にニッターズというオルタナカントリー(というよりはオルタナブルーグラスのほうが近い)のアルバムを作っているし、ニッターズやジョー・イーリー(ロッキン・カントリーシンガー)のライヴを観たクラッシュのジョー・ストラマーがカントリーに影響されるなど、当時のイーストL.Aでは早くから90年代に向けたオルタナティブで自由な空気が漂っていたようだ。
シド・グリフィン率いるロング・ライダーズ、ピーター・ケイスのいたプリムソウルズ、チャック・プロフェット加入後のグリーン・オン・レッド(いわゆるペイズリー・アンダーグラウンド)等のグループもパロミノで活動していたが、今回の主役であるマリア・マッキーが在籍したローン・ジャスティスやカーラ・オルスンのテクストーンズなどは、パロミノでは80年代型の新世代オルタナカントリーロッカーであった。
ローン・ジャスティス
メンバーが大幅に入れ替えて臨んだ2ndアルバムの『シェルター』(’86)もたいした結果を残せずグループは87年に解散、歌唱力を買われたマッキーはソロシンガーとして再スタートを切ることになった。
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ソロとしての活動アーティスト
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