【Dizzy Sunfist インタビュー】
“Dizzy Sunfistって
こうなんじゃないの?”って
いうのが出せた

L→R moAi(Dr&Cho)、あやぺた(Vo&Gu)、いやま(Ba&Cho)

大阪生まれ、ハイスタ育ち。コロナ禍においても歩みを止めることがなかったDizzy Sunfistから3rdシングル「ANDY」が届いた。メロディックパンクをアップデイトした表題曲をはじめ、それぞれに違う魅力を持った計4曲には、聴いた人に笑顔になってもらいたいという想いが込められているという。

強い歌が乗れば、
すごくいい曲になる自信があった

新作「ANDY」は前作『EPISODE II』(2020年7月発表のEP)のアナログ盤、トートバッグ、ステッカー3枚を一緒にパッケージした完全数量限定のスペシャルセットというかたちでのリリースなんですね。

あやぺた

普段はサブスクで音楽を聴いている人たちにもCDを手に取ってもらいたいと思ったんです。

いやま

そのための工夫です。

それもあるのではないかと思ったのですが、リリース後のツアー『Looking for “ANDY” Tour 2021』のタイトルだったり、「Cutie Honey (English Ver.)」のカバー以外のオリジナル3曲に込められたテーマから考えると、Dizzy Sunfistからファンに向けた特別なギフトという想いもあったのではないでしょうか?

あやぺた

ギフトになるんかな?(笑) 今回のシングルは明るい曲で始まって、楽しく終わるっていうようなイメージがあって、とにかくテンションがアガる曲を届けたかったんです。

表題曲の「Andy」をはじめ、今回はどの曲も友情がテーマになっているじゃないですか。それはどんなところから出てきたものなのですか?

あやぺた

今も友達にすぐ会えない状況が続いているけど、そういう時に支えてくれるのは、やっぱり友達というか。逆に、“うちらが友達としてできることって何やろう?”って考えることも多かったんですよ。

会えない友達や、支えてくれた友達の中にはDizzy Sunfistのファンも含まれているわけですしね。

あやぺた

うん。それはもちろん!

moAi

それともうひとつ、コロナ禍以降、ワンマンツアーを回ってきたんですけど、その中で、それまで同年代のバンドと当たり前にやってきた対バンの良さに改めて気づかされたっていうこともありますね。ワンマンのライヴも面白いんですけど、先輩や後輩も含め、友達のバンドの存在ってありがたいって思ったんです。

いやま

5月から始まる今回のシングルのツアーは対バンを迎えてやるんですよ。もちろん予定通りにできればですけど。ツアーをやりながら、友達とか関係者とかに会える歓びを実感しそうだなって、今、moAiの話を聞きながら楽しみになってきました(笑)。

そんな今回のシングルですが、それぞれに違う魅力を持った4曲が収録されています。まず表題曲の「Andy」はいろいろな曲を作った中から選んだのですか?

あやぺた

そうです。他にも候補曲があって“シングルの表題曲はどれにする?”ってすごく悩んだんですけど、「Andy」が一番Dizzy Sunfistっぽいっていうことで。実は18年1月にリリースした2ndフルアルバム『DREAMS NEVER END』のレコーディングのプリプロの時からあった曲なんですよ。その時はメロディーが全然違ってて、そのメロディーがしっくりこないからという理由でレコーディングしないで取っておいたんです。で、今回のシングルの曲を作る時に生き返らせたいというか、ちゃんと自分が納得のいくかたちに作りたいと思ったんです。そこで改めて、この曲と向き合ったらパッとメロディーが出てきたんですよ。

オケは変わっていないんですか?

moAi

オケも構成もほぼ変わってないですね。

あやぺた

オケはその時からめっちゃめちゃカッコ良かったんですよ。

moAi

『DREAMS NEVER END』から今作までの間に2ndシングルの「STRONGER」(2019年6月発表)と1st EPの『EPISODE II』をリリースしてて、実はプリプロを毎回してたんです。その都度、メロディーを変えてやってみたんですけど、今回やっとかたちになりました。

あやぺた

みんなは“いいんちゃう?”って毎回言ってくれたんですけど、自分的には“ん〜、これでいいんかな?”っていうのがずっとあって、“このメロディーでは出したくないな”って思ってたから、やっとみんなに聴いてほしいと思えるメロディーが降りてきてくれて。

待った甲斐がありましたね。

いやま

これまでのメロディーも良かったと思うんですよ。でも、確かに今回、やっとハマった感がありました。すごくキャッチーになったと思います。

アレンジはとてもシンプルですね。

moAi

いつも“原型ないやん!?”っていうくらいもとのアイディアからいじるんですけど、「Andy」のアレンジに関しては最初からこれしかないって思ってました。

あやぺた

うちらには珍しいパタ-ンだと思います。

moAi

曲全体を通して、この曲はシンプルさを追求していったほうがいいと思ってたんです。そういう曲って単調になりがちですけど、強い歌が乗っかれば、すごくいい曲になる自信があったんで。

イントロとサビのドラムの4つ打ちがすごく耳に残りますね。

moAi

メロディックパンクのバンドが4つ打ちをやっちゃうと、“あぁ、4つ打ちかぁ”って思われるんじゃないかっていう周りの目を気にする気持ちがちょっと自分の中にあって…でも、Dizzy Sunfistの曲って4つ打ちを取り入れやすいんですよ。それで曲の印象がポップになったとしても、僕らがもともと持っているメロディックパンクのマインドが変わるわけじゃない。その自信があるから「Andy」も4つ打ちってことに左右されない曲になったと思います。

ベースはどんなことを意識しながらアレンジしていったのでしょうか?

いやま

基本的にドラムのビートに合わせて4分でダンダンダンと弾いているんですけど、ベースのフレーズを考える時にmoAiにも一緒にスタジオに入ってもらって、自分が考えたフレーズに意見をもらいながら、これまで以上にしっかり詰めました。“ビートがシンプルやから、こういう音を足したらどう?”と提案してもらって、それを足してみたら鮮やかというか、一気に曲の色合いが広がった感じがあってすごく楽しかったです。

moAi

1stシングルの「THE DREAM IS NOT DEAD」(2017年4月発表)がパンク寄りだったから、その次に出す「DREAMS NEVER END」ではポップな要素も欲しいということになって、さっき言った4つ打ちの流れがあるのかもしれないですけど、いやまが言った曲の色合いに関しては、J-POPを結構意識しましたね。ふたりで考えることで、それまでのメロディックパンクとポップの要素が合わさったいい感じのフレーズというか、ノリが出せたんですよ。

そして、あやぺたさんはダイナミックなギターソロを披露していますね。

あやぺた

死ぬほど練習しました(笑)。そのソロ以外はパワーコードで。久々なんですよ、ほぼパワーコードって曲は。そういう意味でもシンプルな曲なんですけど、ソロだけはちょっとムズかったです(笑)。

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