理性を消し去り、暴れ狂え。ラヴェー
ゼには珍しい小粋な遊び心も飛びだし
た、凪斗-nagitoの生誕祭公演。
凪斗-nagitoの生誕祭は、紗弥-saya-の祈るような哀切な歌声から物語を記し始めた。音が轟くのを合図に、楽曲は「Unrelieved」へ。紗弥-saya-は熱情した歌声を響かせ、沸き立つ気持ちをぶつけていた。激しく揺れ動く紗弥-saya-の感情を、重厚な音が煽り続ける。凪斗-nagitoの泣いたギターの旋律も胸を揺さぶる。冒頭からラヴェーゼは、見ている人たちの気持ちを現実から一気にひっぺがした。
続く「Bergamot」でラヴェーゼは、さらに音圧と迫力を増した演奏を突きつけた。挑む姿で、沸き立つ感情を熱くぶつける紗弥-saya-。その横で凪斗-nagitoも、モニターに足を乗せ、荒れ狂うギターの音をフロア中に撒き散らしていた。願うように歌う紗弥-saya-の姿も、この曲では印象深く瞼に焼きついた。
「-驟雨-」を挟み、ライブは終盤戦へ。破壊的な衝動を詰め込み、凪と激両極の表情を示しながら「Aube」が流れだす。紗弥-saya-の嘆く歌声へ寄り添うように、演奏も歪んだ音ながらも感傷的な表情も示してゆく。追いかけるように旋律を織りなす2本のギターの音色の、なんて美しくも哀愁を抱いていたことか。体感的な激しさだけが激情ではない。心の激情を美しく、嘆くように切なく描き出すことでも気持ちは奮い立つ。
アンコールでは、「凪斗-nagito MY LOVE 2」を、紗弥-saya-がスケッチブックに書いた歌詞をめくりながら歌うという、凪斗-nagitoのバースデーライブだからこその嬉しいサプライズも飛びだしていた。こういう遊び心を味わえるのも、メンバーの生誕祭であり、ワンマン公演だからこそ。
ここからは、ふたたびいつものラヴェーゼの姿へ。「もっともっと血に染めようか」と叫ぶ紗弥-saya-の声を合図に、楽曲は「Amaryllis」へ。ダーク&ラウド&メロというラヴェーゼらしさを満載したドラマチックな展開を描く楽曲を通し、彼らは会場中の人たちの頭を振り乱し、身体を大きく折り畳んでいった。
興奮を求める観客たちの前に三度姿を現したメンバーたちは、ラヴェーゼの始まりの歌となった「偽りのディストピア」を演奏。ラヴェーゼらしいダーク&グレッシブでラウドな頭振り乱してこそという楽曲をぶつけ、フロア中を騒ぎ狂う光景に染め上げ、今宵のライブの幕を閉じていった。
PHOTO: A.Kawasaki(@a_kwsk_1985)
ライブ日程は、以下を参照。
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