【CHiCO with HoneyWorks
インタビュー】
初のホラー映画主題歌で切り開く
“チコハニ”の新境地
CHiCO with HoneyWorks
“キュンキュン系”“青春系”と呼ばれるCHiCO with HoneyWorksの新曲「⻤ノ森」は、なんとホラー映画『樹海村』の主題歌! 既存のイメージを覆す重厚な響きと子守唄のようなリフレインで“怖さ”を醸しつつ、メロディーや言葉遣いには彼らならではのセンスが確かに光っている。ロックでシニカルなTVアニメ『裏世界ピクニック』のオープニング主題歌「醜い生き物」も加えた両A面シングルについてCHiCO(Vo)に訊く!
実写ホラー映画の主題歌と聞いて、
純粋にすごく驚きました!
初のホラー、しかも実写映画の主題歌を担当すると知った時は率直にどう思われました?
純粋にすごく驚きました! 以前「ツノルキモチ」(2018年2月発表の『私を染めるiの歌』収録曲)で実写映画の挿入歌を担当させていただいたことがあったんですけど、その時は恋愛モノだったので、CHiCO with HoneyWorks(以下、チコハニ)とうまくリンクするところがあったんですよ。でも、まさかのホラーって!?
ですよね。では、この「鬼ノ森」制作にあたって、実際に映画『樹海村』も御覧に?
はい。試写で拝見させていただいたら、もう本当に怖くて! ただ、そこに姉妹愛だとか、母親の彼女たちに対する深い愛も絡んできたり、樹海のシーンも相まって神聖な空気感もあるんですね。制作サイドからも“バラードで讃美歌のような曲”というオーダーがあったので、作曲のGomさんとも“めちゃめちゃ難しいね”って話をしながら、ヴォーカルに関しては、多少民謡っぽいテイストの歌い方にチャレンジしてみました。
ちょっと島唄のような神秘的な雰囲気がありますよね。歌声もとても自然なので、経験がおありなのかと思ったのですが。
いや、全然! 本当に今回が初めてで、ずーっとYouTubeで民謡とか元ちとせさんとかを聴いてました。島唄や民謡みたいに伝統のある歌い方って簡単に習得できるものじゃないから、完璧にはマスターできないにしても、どう歌えばそれっぽくはなるのかをGomさんともいろいろ話し合ったり。裏声に一瞬ひっくり返す箇所とか、もうそこだけをひたすら練習してました。おかげでいろいろと自分にないものを吸収できた楽曲になりましたね。
ピアノメインのサウンドも荘厳で、出来上がりを聴いても新鮮だったんじゃありません?
コーラスから始まるイントロとか、“あっ、今までにないなぁ”って思いましたね。歌もそんなにキーが高くないのもあって、ちょっと大人っぽい感じがするんですよ。そういった新要素には、たぶんファンの方もびっくりするんじゃないかな?
そう言えば、Bメロの《切り取って》《待ってるの》でキーが下がるのにも驚きました。
普通は上がりますよね。囁くというよりは低音を意識することでサビ前にギャップを作って、ちょっと怖い空気を出してほしいというディレクションもあったんですよ。ところどころに聴き覚えのあるメロディーや展開もあったり、ちゃんとチコハニっぽさもあるんですけど、ほんとに歌詞は珍しいタイプなので、みんなもいろいろと想像を膨らませてくれるんじゃないかと思ってます。聴いてくれる人それぞれの中で自分の物語を展開してもらえそうっていう、ある意味そこもチコハニっぽさですね。
言葉の使い方や形容の仕方がとてもセンスが良くて、ひねりはあるけれど難解ではなく、むしろイメージや情景がより浮かぶ。そこもチコハニらしさなのかもしれないですね。
そうですね。歌詞はGomさんとshitoさんが共作で書いてくださっているんですけど、私が自分の書いた詞を添削してもらう時も“文章になりがちで長いから起承転結をつけたほうが分かりやすい”とかアドバイスをくださるんです。自分で書く時も“みんなが聴いて分かりやすい単語をなるべく組み込んでいる”とも言ってました。難しい言葉はそんなに使わないって。
では、そんな歌詞の中でCHiCOさんが特に好きな箇所は?
民謡っぽいテイストの歌い方をうまく活かせたという意味も含めてサビですね。特に1行目の《永久の木々 根に沙羅双樹》とか。そのあとに出てくる“鬼”というキーワードが、またチコハニのオリジナリティーを打ち出していて、実は『樹海村』自体には鬼って出てこないんです。作品に出てくる死人や幽霊を、この曲ではきっと鬼に例えているんでしょうね。あとは、Aメロの《絆繋ぐ赤露》という言葉がメインキャラの姉妹や母娘につながっていたり。
なるほど。“血縁”ってことですね。
そうだと思います。
これまた絶妙な形容とワードの組み合わせですよね。この曲が映画のエンドロールに流れることで、また新たなファン層が獲得できるのではないかと。
楽しみです! ホラー好きな方にどう響くのかも気になりますし、チコハニのファンからも“ホラーは苦手なんですけど頑張って観ます!”っていう声をたくさんいただいてます。「鬼ノ森」からCHiCO with HoneyWorksを知って、これまでの曲を聴いたらギャップが激しいでしょうけど、そこからハマってもらえたら嬉しいです。
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