DASEIN、半年遅れでJOEの生誕祭を初
の配信ライブで開催。画面の先の君を
熱い視線でじっと見つめ、心を騒がせ
ていたい。
この日は観客を入れる形で進めていたが、いまだコロナ禍の影響が影を落とし、配信限定という形で開催。たとえ「無観客ライブ配信」だろうと、久しぶりにDASEINの姿を目に出来たことが嬉しかった。
今年は、DASEIN結成20周年という記念の年。本当なら4月から20周年ツアーも行う予定が、それも延期になったように、直接触れ合えないにしても、半年遅れでJOEの誕生日を祝えることはもちろんDASEINの愛でたい20周年のお祝いも含め味わえたことは、何にも増してご褒美のような気持ちだった。この日のライブには、JOEがDASEINと並行し活動しているtheCYCLE / ELLEGUNSのメンバーであり、盟友のPANTHER(ELLEGUNS)もゲストで参加。ここへ、当日の模様をお伝えしたい。
激しさを数倍強化した「レジスタンス」でも、JOEの鬼のような豪傑ドラムプレイが炸裂。Rickyも、モニターに足をかけ高らかに声を上げていた。「さぁ、夏のDASEINをお届けしたいと思います」の言葉に続いて、「漣」を演奏。どの楽曲も、生バンドによる演奏を強化した今のDASEINのモードへ進化。楽曲の持つ魅力そのままに、より攻める姿勢を強め、DASEINは、画面の先で騒ぎたくてうずうずしている人たちを「騒ぎたいなら騒ぎなよ」と言わんばかりに煽り続けていった。
「なんとか今日このステージに立てたことをみなさんに感謝します。まずはDASEINの存在を感じてほしい。そしてJOEの48.5歳を一緒に祝いましょう」
結成20周年記念配信シングルとしてリリースした「待宵影」をライブで初披露。「待宵影」は、デビュー曲「夢つれづれ」のオマージュ作。NEO HYPER BEAT ROCK STYLEと言えば良いだろうか。妖艶でメロウな歌とダンサブルでエレクトロな音の洋服をまといながらも、今のDASEINらしいハードエッジな音の服を重ね着した姿で表現。心地好く歌に身を預けながらも、迫力あるダンスロックに身体は揺さぶられていた。JOEの猛々しいドラム演奏に乗せ、楽曲が一気に走りだすと同時に、演奏は「キ・ミ・ダ・ケ」へ。哀愁を帯びた歌を、Rickyは画面の先の人たちの胸に印象深く響かせる。ライブという場を通すことで、「キ・ミ・ダ・ケ」がいつも以上に熱情した歌に姿を変えて突き刺さった。彼らの情熱的な想いが胸を騒がせた。
PANTHERのギターとベースの長野典二によるバトル・セッションが展開。そこへJOEのドラムと巧のシーケンスなど演奏陣が加わり、楽曲は「今に勝る時はナシ 今に敗けるよりはマシ」へ。激しさに激しさを塗り重ねる演奏。Rickyも、荒ぶる演奏を雄々しき声で煽っていた。メンバーたちが感情剥き出しのバトルを繰り広げれば、その熱を、Rickyは画面の向こうの人たちにもぶつけてゆく。昂る感情、頭を振らずにいれない衝動が身体中を駆け巡る。
「ケリをつけろ」というタイトル通り、JOEの攻撃的なドラム演奏を背に、演奏陣とRickyは、カメラレンズの先にいる大勢の人たちを「騒ぎ狂え」「ケリをつけろ」とけしかけた。沸き立つ熱情を、もっともっと臨界点まで高め互いにぶつけあおうと、DASEINは強く求めてきた。「Oi!」「Oi!」と煽るRicky、猛り狂う音に浸っていたら、昂る感情をすべて吐きださずにいれなかった。Rickyのハイジャンプキックのエンディングを受け、「我思う、故に、我あり」とRickyが口にした言葉に続き、最後にDASEINは「COGITO ERGO SUM」を演奏。唸る雄大なエレクトロなスタジアムロックナンバーを全身に浴びながら、Rickyは沸き立つ想いを力強く熱唱。この貫祿と迫力、触れた人たちを熱狂の虜にしてゆくパワーと存在感こそDASEINの20年間の歩みだ。
「なかなか終息が見えない中、大変な今を、みんなと一緒に素敵な今にしたいと思います。みんなと出会った今を、この大切な曲に込めたいと思います」。壮麗なエレクトロ音が流れる中、DASEINが届けたのが「大切な人へ」。今の自分たちの気持ちをこの曲に託し、彼らは慈しみと感謝の想いを届けてくれた。その演奏と歌声は、大切な人へ向けたDASEINからの素直な告白にも思えていた。
ふたたびPANTHERを招き、「心を一つに共鳴しあおう」の声を合図に、最後にDASEINは夏に相応しい「共鳴り」を演奏。大きく手を振りながら、画面の先の人たちと気持ちを共鳴しあおうと呼びかけるRicky。心を解き放ち、視線の先に眩しい夏の光景を描きながら、DASEINは触れた人たちと素敵な想い出の一場面をそこに残してくれた。開放した気持ちのままに、この想いを、まだ見ぬ次の景色へとDASEINは繋げてくれた。その熱を持った優しさが嬉しかった。画面の向こうでも、Rickyと一緒に騒いでいた人たちも大勢いたに違いない。
無事、JOEの生誕祭を行うことが出来たのも、素直に嬉しかった。次にDASEINと直接逢える日まで、今は、この日の心のざわめきを大切に胸に閉まっておきたい。
PHOTO:NORI
TEXT:長澤智典
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【DASEIN プロフィール】
2001年1月1日、avexよりメジャーデビュー。 爆発的パワーとヘヴィかつ的確なビートにより狂気のグルーブを生み出すドラムのJOEと、 幅広い声域と艶のある力強いハイトーンヴォイスでポップス、ロック、シャンソン、 特撮ヒーローソングまでを変幻自在に歌いこなすヴォーカルのRickyからなる二人組ユニット。 DASEIN(ダーザイン)=現存在。11枚のシングルと2枚のアルバムをリリースし、 のちにHYPER BEAT ROCKという独自の音楽スタイルを確立する。 2004年1月、渋谷公会堂2daysをもって解散。 結成10年目となる2010年にSHIBUYA-AXにて復活を遂げ、 2017年には約15年振りとなる3rdアルバム『唯、此処に在ることが愛しくて』をリリース、2019年4月には通算16枚目となるシングル『じっとみつめたい』リリースするなど、現在も音楽シーンでその異彩を放ち続けている。結成から20年目となる2020年には大規模な全国ツアーも予定している。
DASEIN twitter
https://twitter.com/dasein_555
Ricky オフィシャルサイト
http://hyperneosoloist.com/ricky/
Ricky BLOG
https://ameblo.jp/ricky-soloist
Ricky twitter
https://twitter.com/Ricky_A_Prmkv
HyperNeoSoloist YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/HYPERNEOSOLOIST
JOE オフィシャルサイト
http://sjoe.blog39.fc2.com/
――セットリスト――
「存在」
「Yの黙示録」
「レジスタンス」
「漣」
「待宵影」
「キ・ミ・ダ・ケ」
-ドラムソロ-
「追憶」
「じっとみつめたい」
「ETERNAL RAIN」
「BREAK←SHAKE→BRAIN」
「今に勝る時はナシ 今に敗けるよりはマシ」
「ケリをつけろ」
「COGITO ERGO SUM」
-ENCORE-
「流離人」
「大切な人へ」
「共鳴り」
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