松尾太陽、デビューミニアルバムに
実力派クリエイターたちが楽曲を提供
松尾太陽
松尾の音楽ルーツでもある“City Pops"をテーマとしたミニアルバムを幕開けるのは、大塚愛の手による「mellow.P」。ポップでキュートなパーティチューンだが、歌詞には現在の社会情勢と通じるような不安感も漂い、タイトル通りメロウな歌声とマッチして絶妙な浮遊感で楽しませてくれる。続く「The Brand New Way」はこれぞ“City Popsの王道!"と言いたくなるような、爽快なドライブチューン。City Popsで育った松尾の活き活きとしたボーカルがなんとも心地よく、作曲・堂島孝平&作詞・浅田信一というヒットメイカーのタッグも熱い。3曲目の「掌」は、昨年行われたソロライブ『Utautai』で初披露されたナンバーで、松尾本人が初めて作詞・曲を手掛けたもの。今回、大幅に歌詞が書き換えられ、大阪から上京してきた自身の経験をベースに、悩みながらも新たな道を踏み出そうとする人々へ向けた優しく、力強い応援ソングに仕上がっている。
また、現役大学生マルチアーティストのVaundyが提供したリード曲「Sorrow」は、洋楽由来のCity PopsをさらにJ-POP流に咀嚼した“Neo City Pops"に。朝の目覚めを思わせるよう爽やかなサウンドに乗せ、悲しみを乗り越えてなお手を差し伸べる強さを持った主人公像は、松尾太陽自身と重なるものがある。一転、夜空を描き出すのがShe Her Her Hersによる「Libra」で、抑揚をおさえたリズムで松尾のクール&セクシーな一面を引き出すことに成功。ちなみにタイトルは彼の星座である天秤座のことであり、それを踏まえて歌詞を読むと、より奥深いメッセージに触れることができるだろう。
新たな一歩を踏み出すにあたっての不安と期待を率直に綴りつつ、山口寛雄の手によるスタイリッシュかつ温かな音像でシーンに挨拶する「Hello」で締めくくられる全6曲。いずれも松尾太陽というキャラクターとリンクしながら、それぞれのクリエイターとのハイブリッドな化学反応を発揮している。裏を返せば、それだけ柔軟で多彩な引き出しを彼が備えているということ。ボーカリストとして、さらなる高みを目指す松尾太陽の大いなる意志が込められたデビュー作を、心して待ちたい。
おすすめ記事
-
『OKMusic』サービス終了のお知らせ
2024.02.20 11:30
-
音楽ファンの声、エールを募集! music UP's/OKMusic特別企画 『Power To The Music』 【vol.89】公開
2024.02.20 10:00
-
今年でデビュー50周年の THE ALFEEが開催する、 春の全国ツアー神奈川公演の チケット販売がいよいよ開始!
2024.02.13 18:00
-
音楽ファンの声、エールを募集! music UP's/OKMusic特別企画 『Power To The Music』 【vol.88】公開
2024.01.20 10:00
-
宇多田ヒカル、 初のベストアルバム 『SCIENCE FICTION』発売決定& 全国ツアーの詳細を発表
2024.01.15 11:00
人気
-
【連載】 Mrs. GREEN APPLE 大森元貴 『ナニヲなにを。』 - 第1回 『自己紹介を。』 -
2014.12.20 00:00
-
【連載】 Mrs. GREEN APPLE 大森元貴 『ナニヲなにを。』 - 第16回 『巡り合いを。』 -
2016.03.20 00:00
-
【連載】 Mrs. GREEN APPLE 大森元貴 『ナニヲなにを。』 - 第2回 『忘れられていることを。』 -
2015.01.20 00:00
-
【連載】 Mrs. GREEN APPLE 大森元貴 『ナニヲなにを。』 - 第3回 『魔法の言葉は在るということ、を。』 -
2015.02.20 00:00
-
【連載】 Mrs. GREEN APPLE 大森元貴 『ナニヲなにを。』 - 第4回 『モヤモヤの正体を。』 -
2015.03.20 00:00