ファンク系ブルースを生み出した
B・B・キングの
『コンプリートリー・ウェル』
しかし、60年代後半からは、白人のオーディエンスが増え、ロックやファンク、ソウルに急接近しており、その姿もまたB・B・キングなのである。彼は今で言うアメリカーナ的なスタンスで捉えるのが正しいと思う。今回取り上げる『コンプリートリー・ウェル』は白黒混合の名うてのミュージシャンをバックに制作された名盤であり、収録曲の「スリル・イズ・ゴーン」は70年のグラミー賞を受賞している。
ブルースは洗練されR&Bや
ソウルへと進化
B・B・キングはそういった黒人音楽の流れの中で、先人たちのエッセンスを吸収しつつ独自のギタースタイルを生み出し、幼少期に経験したゴスペルをもとにしたパワフルなヴォーカルとの両輪で40年代終わりにデビューする。
キング・オブ・ブルース
トップスターとなったこの56年には342回のコンサートが行なわれており、彼の肉体的なタフさがよく分かる。この年は54年にデビューしたエルヴィス・プレスリーとラジオで共演(他の出演者にはレイ・チャールズ(26歳)もいる)しており、ふたりでスナップ写真を撮っていることからも、彼は他の多くのブルースマンとは異なり、早い時期から人種を問わず活動していたようだ。
60年代に入ると『ライブ・アット・ザ・リーガル』('65)や『ザ・ジャングル』('67)など名盤を次々とリリース、旺盛なライヴ活動もあって、まさに“キング・オブ・ブルース”の名をほしいままにする。特に『ライブ・アット・ザ・リーガル』での粘っこいギターワークは素晴らしく、僕がこのアルバムを最初に聴いたのは中学生の頃だが、マイク・ブルームフィールドやピーター・グリーン(フリートウッド・マック)らが、いかにB・B・キングの影響を受けているか思い知らされたものだ。
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ブルースマンからアメリカーナ系アーティストにアーティスト
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