【仲村瞳の歌謡界偉人名言集】#136
歌手・由紀さおりの言葉
どう悩んでも、しょせんは自分ひとり。今に満足せず、立ち止まらず、新しい道を切り開いていこう
デビュー50周年の節目として、現在<由紀さおり50年記念コンサート2019~2020“感謝”>で全国ツアー中の由紀さおり。小学生時代の童謡歌手の頃から数えると、およそ65年の芸歴になる。その歩みの中で、声帯の薄い小学生時代、姉との軋轢、先輩歌手との死別、子宮摘出手術、2度の離婚など、歌手として、女としての苦悩を、このインタビューの中で赤裸々に語っている。そのひとつとして、「年を重ねると、声がうまく出ないとか、たくさんの量を歌えないとか、悩むことも出てくるんですね。そんな時、先輩がたは、どうやって乗り越えてきたのかしら、教えてほしい、と天を仰ぐこともあるんです」と、語りつつ、今回の名言につながる。その「新しい道」の象徴として「着物」を挙げ、日常でも着物を着こなし、芸域を広げようと意気込んでいるようだ。これからの由紀の活動も楽しみである。
由紀さおり(ゆきさおり)
1948年11月13日生まれ、群馬県桐生市出身。歌手、女優、ナレーター、シンギング・コメディエンヌ。小学校1年生の頃から、姉の安田祥子と共に本名の安田章子の名義で童謡歌手として活動。1965年、「ヒッチハイク娘」で歌謡曲の歌手としてレコードデビュー(本名名義)。1969年、由紀さおりに改名し、「夜明けのスキャット」で再デビュー。同曲は累計売上、約150万枚のミリオンセラーを記録し、『第20回NHK紅白歌合戦』の初出場を果たす。1970年、「手紙」で『第12回日本レコード大賞』にて、歌唱賞を受賞。その後も、快進撃は続き、1973年には「恋文」で『第15回日本レコード大賞最優秀歌唱賞を受賞する。一方で、『8時だョ!全員集合』など、バラエティ番組にも出演し、コメディエンヌとして高い評価を受ける。『コメディーお江戸でござる』や『道中でござる』にも準レギュラーで出演し、伊東四朗と絶妙な掛け合いを見せている。1983年、松田優作主演の映画『家族ゲーム』で母親役を演じ、日本アカデミー賞助演女優賞を受賞。1987年、NHK連続テレビ小説『チョッちゃん』でも母親役を演じ、女優としてのキャリアも確立させた。1985年、安田翔子と共に、童謡アルバム『あの時、この歌』を発表。童謡ブームを呼び起こす。2009年、由紀さおりに改名してから40周年記念のオリジナルアルバム『いきる』をリリース。2011年、由紀さおりとピンク・マルティーニによるコラボレーションアルバム『1969』をリリースし、世界的に高い評価を受ける。2012年、紫綬褒章受章。2019年、旭日小綬章受章。現在、『由紀さおり50年記念コンサート2019~2020“感謝”』にて、全国ツアー中。
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