【ROKI インタビュー】
それぞれの想いはどうあれ、
全てのリスナーが愛おしい
L→R 松元りんたろう(Ba)、ヤマグチハヤト(Dr)、渡辺 岳(Gu)、山崎大樹(Vo&Gu)
全国各地でコンスタントにライヴを行ない、その知名度がぐんぐん伸びているROKI。アッパーなサウンドと情緒あふれるリリックに心を射抜かれると同時に、無邪気なヤンチャ感が憎いくらいに魅力を放っている。2019年は初の全国流通盤としてミニアルバム『HEARTFIELD』を完成させた他、『BAYCAMP2019』をはじめとするロックフェスへも多数出演。今回は山崎大樹(Vo&Gu)に話を訊いた。
山崎さんが中心となって2017年に結成されたROKIですが、バンドが動き出した当時はどのようなお気持ちでしたか?
自分が聴きたい音楽をやりたいと思ってました。そんで、今でも思ってます。当時、ひとりでPCを使って曲を作っていて、夜に完成した曲を聴きながら歩くのが好きだったんです。そしたら誰かに聴いてもらいたくなってネットに上げて、ライヴの誘いが来て、メンバー誰もいないけど“出ます”って返事をして…そっから始まったのかな。だから、バンドが動き出した時からずっと理想のバンドをやってます。
デモCDが完売したり、全国各地でのライヴやサーキットイベントにも出演されてますが、結成3年を前に活動を振り返ってみていかがですか?
大切な人が増えました。その人たちを裏切りたくないと思ってます。それは聴いてくれたり、ライヴを観に来てくれる人たちにも思いますね。ドライブしながらテンションを上げるためにROKIを聴く人や、自分と俺らの秘密として聴いてくれている人がいるかもしれないし、心のよりどころにしてくれていたり、他のバンドと似てるって笑うために聴いてる人がいるかもしれない。想いはどうであれ、とにかく全てが愛しいです。だから、変わらないでいようと思うし、変わらないために毎日変わろうとも思ってます。
2019年4月にリリースしたミニアルバム『HEARTFIELD』の歌詞には度々“赤い”というワードが出てきて、ジャケットも赤とピンクが基調になっているので、“赤”というテーマがあったのかなと思ったのですが。
ミニアルバムを通して赤を意識したつもりは特にないです。ただ、曲ごとに色が見える瞬間があって、「Farmer's Market」はピンクの感じ、「夜行列車」は赤、「ByeByeBye」は歌詞でも言ってるけどオレンジ、「ポリア」は特別で透明、「ミルクポットの雨」は青。そういうのを考えていたらどんどんピンクが主張し始めたので、このジャケットにしました。
特別とおっしゃった「ポリア」の《間違っていようが正しかろうが言いたいことを言うってこと》というフレーズは、バンドをやる上で常に思っていることなのではないかと感じたり、どの曲にも孤独感が共通してあるような気がしました。
そのフレーズには奥があると思っていて。でも、それを俺が説明すると、言いたいことを言えなくなる人がいるかもしんないし、答えるのは野暮だと思うんでパスします。でも、それぞれの曲に孤独感はあると思いますね。俺自身、孤独感のあるバンドが好きなんです。それこそNIRVANAとかRadiohead、Joy DivisionやThe Vines、あとはART-SCHOOL。歌詞が前向きでも、この人たちが作る音楽って絶対に孤独感を身に纏ってると思うんですよね。だから、寄り添ってくれる気がして、とても好きなんです。音楽が心から必要になったのが中学とか高校生の時で、この頃に両親が離婚して、父のことは絶対にぶっ飛ばしてやろうと思っていたけど、頼れる父親的な存在を必要としていて、僕にとってはそれが音楽だったんです。だから、孤独感のある音楽が好きなんだと思います。それで、自然と孤独感が出てるんじゃないかな。愛したものがアウトプットに出てないと、本当に愛したものじゃないだろうし。
「Farmer's Market」の衝動的なサウンドと皮肉めいた感じにはヤンチャなパンク精神がありますし、希望を歌っているような印象を受ける「ByeByeBye」にもどことなく少年っぽさがあって、10代の頃から変わっていない感情が原動力のひとつになってたりするのかなと。
そもそも10代から変わってないです。10代で聴いた音楽が今でも俺の血肉だし。上京して二十歳を超えた時にできた彼女に“好きなことに夢中なところが好き”って言われたから、デートはレコファンにして、10代から好きなバンドのブートレグを店中くまなく探したんですよね。そしたら5時間くらい経っていて、思い出したように彼女を見たら泣いてて。“音楽とあたしどっちが大事なの?”って言うもんだから“音楽”って言いました。そしたらフラられたんですけど、それくらい10代は尊いです。だから、今があります。
それはすごいエピソードですね(笑)。ROKIの音楽にはロマンがあると思っていて、身近な出来事を歌にしながらも、山崎さんが憧れる光景を表現に込めていたり、メンバーそれぞれのバックボーンが注がれているからこその特別感も魅力的です。楽曲はどのようにできるんですか?
俺がデモをPCで作ってメンバーに送ってます。そこから歌詞とか伝えたいこととかをメンバーが汲み取ってくれて、よりカッコ良くしてる感じです。簡単なギターソロ、ベースライン、ドラムパターンは自分でも作れるけど、やっぱりメンバーには敵いません。俺という人間を知ってくれた上で、それぞれが考えてかたちにしてくれるので頭が上がらないですね。いつか磯丸水産で贅沢させたいです。
楽曲制作で大事にしていることは?
歌詞とメロディーです。特に歌詞なんですが、言いたくもないことを歌っても絶対に気持ちは入らないので、素直に書くことは大事にしてます。《間違っていようが正しかろうが言いたいことを言うってこと》とか言ってる奴が適当に歌詞を書いてたら笑えますもんね。だから、音楽においての嘘はダメです。
どんなバンドになりたいと思ってますか?
大切な人を守れるバンドになりたいです。メンバーもお客さんも友達も守って、みんなと悪いことがしたいと思ってます。
取材:千々和香苗
アーティスト
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