AKB48「大島優子」とは何だったのか
?徹底検証
デビューから3ヶ月が過ぎると、チームKは初のオリジナルセットリスト「青春ガールズ」公演がスタートするのだが、この公演は激しいダンスも多様に取り入れ、アイドルとは思えない運動量でていたことで、当時は「過酷な公演」と言われていた。
その中心となって引っ張って行ったのが、前述した秋元と宮澤の体育会系コンビ、そして小柄ながら運動能力の高かった大島だった。その3人がチームの形を作り上げていき、チームKの公演が話題に。チームKの人気が上がると共に、可愛くて明るくて運動もできる大島が注目を浴びるようになり、AKB48としてのメジャーデビュー曲『会いたかった』選抜メンバーに選ばれ、チームの枠を超え、大島の名前が少しずつだがファンの間に知れ渡っていった。
大島の魅力は、ビジュアルも可愛く何事にも一生懸命ストイックに取り組む生真面目さ。誰もが恥ずかしがるようなことを率先してやったり、どんな時でも真剣にバカなことをやる、そんな底抜けな性格の明るさ。楽屋では全裸で歩いているとメンバーに暴露されたり、メンバーの胸をいきなり揉んだりすることもあるというが、これも大島の人間力で、こんな無茶苦茶な行動を非難するメンバーもいなく、むしろ好意的に受け止めている。とかく、過当競争の激しいAKBとしての活動でメンバーは緊張の連続。その中で、大島優子が馬鹿なことを積極的に行うことで、精神的にも救われたメンバーは多かったという。
常に等身大の自分でいる姿をメンバーもファンも見てきた。だからこそ、男女問わず大島に好意を持つファンが増えていった。その人気が爆発したのが、2010年選抜総選挙での絶対的エースである前田敦子を抑え見事に1位を獲得した瞬間。1位の特典として発売されたシングルが、AKB48の代表曲であり国民的なヒット曲となった『ヘビーローテーション』。大島がセンターポジションを前田から奪った瞬間である。
『ヘビーローテーション』での可愛くてセクシーな大島を見て、多くの女性ファンを獲得。この時に、AKB48にとって大島の存在が絶対的なモノとなった。
その後、ライバルで親友でもある前田敦子の卒業、秋元才加や篠田麻里子の卒業を経験しながらも、変わらずにAKBの顔として活躍を続けてきた。2013年は、大島優子以外のメンバーがAKB選抜のシングルのセンターを務めることが多かった。渡辺麻友や松井珠理奈、島崎遥香がセンターとして活躍できたのも、後ろに控える大島優子の存在があったからに違いない。総監督であり絶対的リーダーとして信頼を得ている高橋みなみとは違うタイプの、どこか近いお姉さん的な安心のできる存在。まさに、大島優子は「AKBの太陽」だった。
「AKB48単独&グループ春コンin国立競技場~思い出は全部ここに捨てていけ~」の代替公演が6月8日に東京調布市の味の素スタジアムで開催することが決定した。大島優子とメンバー達が過ごす時間も刻一刻と少なくなっている。ここまで独自の世界観を持っているメンバーは誰もいないので、大島イズムを継承するのは難しいが、誰が後継者ではなく、大島の人間力を全メンバーでしっかり引き継いでもらいたい。(C)AKS
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