ヒグチアイ バンドワンマン東京公演
に観た、新たな歌をうたい続ける彼女
の現在地
2019.11.16 Veats SHIBUYA
彩るバンドメンバーは御供信弘(B)、伊藤大地(Dr)、そして実妹のひぐちけい(Gt)。昨年同様、気心の合った各位にて贈られた。以下はその東京編。11月16日のVeats SHIBUYAでのドキュメントだ。
ヒグチアイ
ヒグチアイ
ここのMCでは『一声讃歌』が振り返られた。「今回は私が私自身を掘り起こしてみた。結果しっかりとずっと私でいられたことを改めて感じられた。私は30年間愛されてきたからここまでこれた」との言葉が満場へと贈られ、「ラブソング」では、ここまで辿り着いた、気がつけた、出会えたかのような安堵感と、ラストに配された場内も合わせて完成させたハミング部分も印象深い。また「わたしはわたしのためのわたしでありたい」では、<自分が自分らしくいる為にも正誤を映し出す鏡のようなあなたが必要だ>とこの日は響いたし、「ココロジェリーフィッシュ」では、未来が来ても絶対に追い求めるだろうその理想の対象を満場各位に想い浮かばせた。また、本編ラストの「聞いてる」は、まさに作品聴時とは全く真逆の感受があった。この歌が冒頭の記述通り、大団円感や穏やかさを持って響くとは意外。冒頭の感受同様、同曲ではステージのライトの光量も上がり、とてつもない至福感に包まれていくのを覚えた。
アンコールは彼女一人で行われた。実は今日は、『一声讃歌』にちなみ、『一斉参加』との題の予定であり、「今日に向かって走ってきた感があり、その時が近づいて寂しい。たくさんの元気をもらいました。ありがとう」と続け、「この日東京でしかやらない特別な曲」と告げ、出来立ての新曲「東京にて」がピアノ弾き語りで放たれた。様々な目線を通し違って映り、変化してゆく東京が歌われた同曲。どれもが嘘でどれもが本当のように映るけど、そんな中でも見え、感じ、実感したもの。それがリアルであり事実。それを信じて明日からも歩いて欲しい……なんだかそう歌われているように響いた。
ヒグチアイはやはりこれからも歌をうたっていく。「ラブソング」で歌われた<あなたは 決して一人じゃない 愛されていたんだよ>に続く歌。「聞いてる」での脈打つ鼓動や鼓舞の<(自分を胸を)叩いた数だけ生きていける>の先にうたうべく歌。その萌芽を「東京にて」や「言葉のない手紙」からはありありと感じる。今日以降、また新たに生まれ出てくるであろう彼女の歌を、ますます楽しみにしている自分がそこに居た。
文=池田スカオ和宏
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