【インタビュー】ミッドナイト・シテ
ィ「1980年代をオマージュし現代の音
楽としてアップデートして行く」
ベテランの中心人物ふたりがこれまでのキャリアとは路線の違う音楽性を目指したミッドナイト・シティは、2017年と2018年に2枚のスタジオフルアルバムをリリースし、日本でもメロディック好きの間で瞬く間にその名を知らしめた。メロディアス・ハードロックというジャンルはプロジェクトものも多く、なかなかライブの実現も難しいものだが、彼らは紛れもなくバンドだ。華やかなフロントマンの存在とメンバー間のコミュニケーション能力、優れた楽曲を彩るキラキラな鍵盤、流麗なギターソロ、サウンドを支えるリズム隊の屋台骨の安定さといった彼らの魅力は、まさしくツアー経験から培われたものだろう。
そしてピートがハーレム・スキャレムの作品にコーラスとして参加していたり、ハリー・ヘス(ハーレム・スキャレム)がミッドナイト・シティの作品をマスタリングしていたりすることもあってか、彼らのハモリのバリエーションも大きな見せ場となっていた。場内から湧く大きな声援とともに全曲をシンガロングするオーディエンスに、ステージ上のメンバーもたびたび驚きと喜びの表情を見せる。グラマラスだけれどソフトで爽やかなステージは、極上のメロハーを存分に降り注ぎ、MCでは「夢が叶った」と喜びを表していた。ちなみにメンバーは「夢」という漢字タトゥーを日本で入れたという。
そんなメンバーたち、ロブ・ワイルド(Vo)、マイルス・ミーキン(G)、ショーン・シャーベット(Key)、ジョシュ・ウィリアムズ(B)、ピート・ニューデック(Dr)の全員が、東京公演前にインタビューに応じてくれた。
ロブ・ワイルド(Vo):夢が叶ったよ。僕らのヒーローたちもみんな日本に来ているし、おそらく全てのバンドが日本に行きたがっている。それが今の僕らのレベルで来れた事がとても幸せだよね。
ピート・ニューデック:今回はプロモーターから直接連絡をもらって、こうして実現した事にとても感謝しているよ。
──各所でのツアーの反響はいかがでしたか?
ロブ・ワイルド:6月からイギリスツアーを行って、フェスティバルにも出演したんだけど、とても良い手応えだった。東京と大阪公演の後にも新たなイギリスツアーが始まるけど、今のところとても順調だよ。
ピート・ニューデック(Dr):結成からまだ2年ほどだけど、いかに多くのファンがついてきてくれているかを感じているよ。とても驚いているし、感謝だね。遠く離れたここ日本でもファンが拡大していて嬉しいよ。
ロブ・ワイルド:大きなきっかけとなったのは、ノルウェーのソロシンガー、イッサとのコラボレーションだね。彼女がメロディックなアーティストだったし、そこからレコード契約の話が先にあって、それに向けて溜まっていたアイディアと、先人たちのアイディアをどう新しいものとして昇華させるかを考えながらメンバーと動いてきたんだ。
──ふたりはベテランですが、マイルスやショーンといった若手メンバーはどう見つけたのですか?
ショーン・シャーベット(Key):実は以前のバンドでは僕はベーシストだったんだけど、ロブがキーボーディストを探していた時に、知人を通じてキーボードも弾ける奴がいるよ、と紹介してもらったんだ。そこからライブのバックステージに行って、「曲作りやツアーに参加してみないか?」と直接オファーを受けて参加する事になった。
ジョシュ・ウィリアムズ(B):もともと自分はN.W.O.B.H.M.が好きで、ディーモンやペルシアン・リスクでもプレイしていたんだけど、また別のバンドの時にイギリスのフェスティバルでタイガーテイルズと共演した事がきっかけだね。その時から親交が始まって、最初に2曲送られてきたうちの1曲を聴いた時点で、これは凄く良いバンドだと直感したんだ。
──ロブはKISSの大ファンですが、デュラン・デュランにもとても影響を受けたとか?
──デュラン・デュランは日本でも大ブレイクしましたが、当時のイギリスは凄かったでしょう?
ロブ・ワイルド:そう、イギリスやアメリカでは本当に凄かったけど、日本でもそんなに人気があったんだね?それは知らなかったよ、素晴らしいね。
──他のメンバーはどんな影響を?
ショーン・シャーベット:僕はね、もともとセミプロのサッカー選手だったからあまり音楽には触れていなかったんだ。でもある時プリンスの「Purple Rain」の映像を観てから音楽にのめり込むようになってボン・ジョヴィにもハマったよ。
ジョシュ・ウィリアムズ:自分はガンズ・アンド・ローゼズの映像を観てからなんだけど、クィーンズライク、アイアン・メイデン、ジャーニーやTOTOとか、スタイルの違う幅広い音楽から影響を受けていると思う。
ピート・ニューデック:ソングライティングの部分では1980年代のポップスが原点として大きいね。音楽はコンテンポラリーなものからフリーやバッド・カンパニーまで好きなんだ。ドラマーで言えば、ジョン・ボーナムとFMのピート・ジャップの正確さが素晴らしくてお手本だよ。
ロブ・ワイルド:もちろんあるよ。2020年のどこかで3rdアルバムを出したいと思っている。日本の後も11月からイギリス、オーストラリア、ギリシャとか多くのツアーが決まっているから忙しくはなるけど、来年の前半にはレコーディングを始めて後半にはリリースしたいよね。曲作りはもう始まっているよ。
──どんなアルバムになりそうですか?
ロブ・ワイルド:これまでのミッドナイト・シティのフォーマットから大きく変わる事はないよ。ただバンドとしてアルバム毎に成長して行く事は重要だと思っている。今やっている事が僕らにとってとても心地好くできているから、それが上手く反映されつつアップデートできるといいよね。
──1980年代の先人たちからのインスパイアはありそうですか?
ロブ・ワイルド:そこから抜け出そうと思っても難しいよね(笑)。それがやりたい事でもあるからね。
ピート・ニューデック:そもそも、1980年代のバンドをオマージュし現代の音楽としてアップデートして行く事がこのバンドのコンセプトだからね。
──来年はオーストラリアでの<MelodicRock Fest>出演も決まっていますが、この勢いで目指すところは?
ショーン・シャーベット:今年もかなり大きなフェスティバルに呼ばれて素晴らしい経験をしたけれど、来年はイギリスに来る大きなバンドのサポートアクトもやりたいな。
ピート・ニューデック:と言うのも、イギリスでは今やれている会場の規模の次の段階になると、もう大きなアリーナクラスしかないんだよ。だからそこを目指したいね。
ジョシュ・ウィリアムズ:たくさんのサポートに感謝しているよ、ありがとう。
ロブ・ワイルド:日本の皆んなはとても熱狂的になってくれて嬉しいよ。
ショーン・シャーベット:(日本語で)アナタハ、ボクニトッテ、トテモダイジナソンザイデス!アイシテマス!
ピート・ニューデック:ファンのサポートがあってこそ、僕らはこうして日本に来れたんだ。またなるべく早く戻って来れるようにしたいよ。
マイルス・ミーキン:僕らのライブミュージックを楽しんでね。
取材・文:Sweeet Rock / Aki
写真:Kaoriko Hanawa
<Midnite City ~ Japan Tour 2019 ~>
2019.10.18 Shinjuku Ruide K4
1.We Belong
2.Ghosts of My Old Friends
3.Life Ain't Like This on the Radio
4.Here Comes the Party
5.You Don't Understand Me
6.Gave Up Giving Up
7.Heaven's Falling
~ Key & Guitar Solo ~
8.One Step Away
9.Hard to Get Over
10.Until the End
11.Last Beat of My Heart
12.Things She Said
13.Summer of Our Lives
14.Give Me Love
~ Encore ~
15.Can't Wait for the Nights
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