Gacharic Spin、10周年記念ワンマン
で「今日のこの景色は、本当に最高最
強」
◆Gacharic Spin画像
◆ ◆ ◆
2019年5月から現在の6人編成となったGacharic Spin。彼女たちの新しい表現スタイルを各地で示した全国ツアー<ガチャっ10LIVE 2019>が10月14日、中野サンプラザ公演で、ついにファイナルを迎えた。その模様を早速レポートする。
昨年末にパフォーマー1号まいが卒業。新編成となることを宣言したGacharic Spin。しかし、このような形となることを予想していたガチャマン、ガチャピン子(ファンの呼称)は、おそらくいなかったのでは? アンジェリーナ1/3(Mic Performer)が加わった5人体制でのライブも、それまでのガチャピンと大きく異なるパフォーマンスとなっていたが、そこから暫く経ってyuri(Dr)の加入が発表されて仰天! 「ドラムがもうひとり入るってどういうこと⁉」と半ば混乱して、「はながギターボーカルとなる」と知ってから「なるほど!」と納得しつつも、急展開に頭がついていかなかった人は、少なからずいたはずだ。しかし、「第5期」と称されている現在の6人編成のライブを実際に観たら、「このガチャピンも、すごくかっこいい! ますます大好き!」となってしまわずにはいられない。『10th Anniversary Special LIVE !!「最高最強伝説」』というタイトルが掲げられた中野サンプラザでのライブも、そういう凄みに満ちた内容であった。
スクリーンに流れたオープニングムービー。映し出されたのは、Gacharic Spinの足跡であった。2009年、F チョッパー KOGA(Bass)、はな(Vocal・Guitar)によって結成。間もなくTOMO-ZO(Guitar)も加入。精力的なライブ活動と作品リリースを重ねて、海外公演も経験した彼女たちであったが、ボーカリストが脱退。しかし、ピンチとなっても決して歩みを止めず、サポートプレイヤーだったオレオレオナ(Keyboards)が正式メンバーとなり、やがてパフォーマーも加えた編成となっていった……というような歴史が、懐かしい写真を交えつつ一気に紹介された。ムービーが終了した後、ステージに現れた6人を出迎えた大きな拍手。1曲目「Stay gold...」の演奏が始まると、中野サンプラザは、瞬く間に熱気で包まれた。ステージのセンターに立ち、ギターを華麗にプレイしつつ、パワフルに歌うはな。ピンク色の髪の毛を激しく揺らしながら観客を煽り、エネルギッシュに歌声を響かせるアンジー。バンド全体で醸し出すグルーヴに一層の深みと華やかさを与えているF チョッパー KOGA。キーボードをダイナミックに操ってドラマチックなメロディを奏でるだけでなく、妖艶な歌声でも楽曲に素敵な色合いを添えるオレオレオナ。キュートな笑顔と、高い演奏スキルに裏打ちされたギタープレイのコントラストがスリリング極まりないTOMO-ZO。妖精みたいな穏やかな佇まいなのに、全身をフル稼働させて強烈なビートを叩き出すyuri── この6人が構築した黄金のアンサンブルにすっかり魅了された観客たちは、早くも興奮状態。はなとTOMO-ZOが向かい合わせでツインギターソロを放った瞬間、客席内に既に漂っていた熱気は、さらに恐るべき角度で急上昇した。
新旧の曲を絶妙に融合させていたセットリストは、ガチャピンの10年の歴史を鮮やかに伝えてくれた。そして、昔の曲を演奏したとしても単に過去を懐かしむムードではなかったのが、特筆すべき点だったと言えよう。《2013年春に生きてるんだ僕ら》という一節がある「今を生きてる~2019年 秋~」を、はなが《2019年秋に生きてるんだ僕ら》と歌った時、観客の間にさざ波のように広がった興奮は、最高最強の音を奏でている現在のガチャピンを心から讃えていた。骨太なパワフルさが目いっぱいに添加された新アレンジの「JUICY BEATS」にも、猛烈にワクワクした観客がたくさんいたはずだ。とにかく、片時も目も耳も離せない場面の連続であった。
オレオレオナが正式メンバーとなった直後にリリースされたシングルのタイトル曲「ヌーディリズム」を、“はな、F チョッパー KOGA、TOMO-ZO、オレオレオナ”という4人編成で演奏した後、TOMO-ZOがメインボーカルを務めている曲のメドレーを経て突入した終盤戦は、再び6人編成でアッパーなナンバーを怒涛の勢いで連発。「シャキシャキして!!」「ハンティングサマー」「More Power」「Redline」……はなが、青色のウィンドシンセサイザーをプレイする場面を交えたりもしながら、多彩な表現スタイルが示された。そして、本編を締め括ったのは「ゴー!ライバー」。バンザイをするかのように両腕を激しく振り上げながら大合唱する観客たちを眺めながら、ステージ上の6人は明るい笑顔を浮かべていた。
「今日のこの景色は、本当に最高最強でした。私はこの10年間、Gacharic Spinという道だけをひたすら歩いてきたんだけど、普通のまっすぐな道とか一切なくて、常に急カーブとか、すごい坂道とか。ほんとに大変な10年だったなって思うんだけど……」。激動の10年を振り返りつつ、支えてくれる全ての人々への感謝を、じっくりと語ったはな。「これから先も、このGacharic Spinという道をみんなで一緒にまだまだ歩いていきたいなと思いました。これからも頑張っていくので、応援よろしくお願いします!」── 彼女が深くお辞儀をすると、特大の拍手と歓声がステージを包んだ。そして、アンコールの1曲目に届けられたのは「宝物」。心をこめて届けられた歌声と演奏を、観客たちは静かに耳を傾けながら受け止めていた。
菅波栄純(THE BACK HORN)から提供された新曲「超えてゆけ」を初披露した後、ステージを後にしたメンバーたち。しかし、鳴りやまない手拍子に応えてダブルアンコールが行われた。「今日は10年間のGacharic Spin。そして、今のGacharic Spinを、しっかり見せられたと思います。それでは、初めて出したCDのこの曲をやりたいと思います」と、F チョッパー KOGAが言い、スタートした「Lock On!!」。ステージ上で真っ白なスモークが大量に吹き上がる中、響き渡った爆音は、これからも前進を続けていこうとしているガチャピンの想いを示しているように感じられた。観客の歓声も加わり、圧倒的な一体感と共にエンディングを迎えた時、爽やかな余韻が会場いっぱいに広がっていた。
文:田中 大
撮影:江隈麗志(C-LOVe CREATORS)
■<10th Anniversary Special LIVE!!「最高最強伝説」>
2019年10月14日
@中野サンプラザホール
M1.Stay gold...
M2.最後のピース
M3.Lost AngeL
M4.今を生きてる~2019年 秋~
M5.Don’t Let Me Down
M6.your place
M7.JUICY BEATS
M8.KAKUHEN
M9.赤裸ライアー
M10.NEXT STAGE
M11.TAMASHII
M12.逆境ヒーロー
M13.ヌーディリズム
M14.TOMO-ZOメドレー
M15.シャキシャキして!!
M16.ハンティングサマー
M17.More Power
M18.Redline
M19.ゴー!ライバー
Encore
M20.宝物
M21.超えてゆけ(新曲)
W Encore
M22.Lock On!!
■Live Blu-ray『最高最強伝説 -10th Anniversary Special LIVE!!-』
2020年1月22日(水)発売
VIZL-1692 \5,364+税
※結成10周年記念、中野サンプラザホールにて行われたスペシャルライブを映像化
※オフショットムービー収録/Live Photobook封入+スペシャルBOX使用予定
関連リンク
アーティスト
おすすめ記事
-
『OKMusic』サービス終了のお知らせ
2024.02.20 11:30
-
音楽ファンの声、エールを募集! music UP's/OKMusic特別企画 『Power To The Music』 【vol.89】公開
2024.02.20 10:00
-
今年でデビュー50周年の THE ALFEEが開催する、 春の全国ツアー神奈川公演の チケット販売がいよいよ開始!
2024.02.13 18:00
-
音楽ファンの声、エールを募集! music UP's/OKMusic特別企画 『Power To The Music』 【vol.88】公開
2024.01.20 10:00
-
宇多田ヒカル、 初のベストアルバム 『SCIENCE FICTION』発売決定& 全国ツアーの詳細を発表
2024.01.15 11:00
人気
-
【連載】 Mrs. GREEN APPLE 大森元貴 『ナニヲなにを。』 - 第1回 『自己紹介を。』 -
2014.12.20 00:00
-
【連載】 Mrs. GREEN APPLE 大森元貴 『ナニヲなにを。』 - 第16回 『巡り合いを。』 -
2016.03.20 00:00
-
【連載】 Mrs. GREEN APPLE 大森元貴 『ナニヲなにを。』 - 第2回 『忘れられていることを。』 -
2015.01.20 00:00
-
【連載】 Mrs. GREEN APPLE 大森元貴 『ナニヲなにを。』 - 第3回 『魔法の言葉は在るということ、を。』 -
2015.02.20 00:00
-
【連載】 Mrs. GREEN APPLE 大森元貴 『ナニヲなにを。』 - 第4回 『モヤモヤの正体を。』 -
2015.03.20 00:00