【レポート】Hiroyuki Arakawa自身が
語るリリースツアー最終日・オースト
ラリア公演
■照明が一切ない暗黒のテクノ空間
公演最終日は、オーストラリアの広大な大地に位置するメルボルンからのブッキング。ツアーはメルボルンの前に韓国での2箇所(15feetunderとSmak)でも行っていて、新しい出会いと自身が生んだ音楽が伝わる嬉しさを感じている中での渡航。やはり、未知の土地でライブする不安は相当なものだが、期待のほうが大きく、自分の音楽を信じてメルボルンへ飛んだ。
セットアップを終えて、いよいよ22:00に会場がオープン。早い時間から多くの来場者で賑わいながらも、人の入れ替わりが激しい様子が伺えた。しかし徐々にフロアに滞留してきたのも24:00くらいですでに会場内は込み合っていてあちこちから歓声が沸いていた。早い時間からも、BPMが130近いようなハードグルーヴでフロアが熱気を帯びているところを見ると、徐々に自身のライブが届くかどうか不安にもなってきた。常に、自分の出番前の人の流れでうまくハマるかどうか、ある程度は予想できるが今回は予想が難しい。自分の時間の前にはDAN CLOWLEYがプレイしており、オープンからそのままのハードグルーヴをキープして、フロアのお客を引かせなかった。
■オーディエンスの表情が見えたこの瞬間
いよいよ自分のプレイがスタート。LennarDigital Sylenth1を弾き、徐々にドラムを入れ始めると、すぐに多くのお客が思い思いに手を上げたり踊りはじめた。期待して待ってくれていた人が多かったことが伝わってきて、最初の1発目のキックがなった瞬間に歓声が上がり、一気にリラックスしてプレイすることができた。最近作ったばかりのミニマルな音源を中心に前半を作っていく。先ほどのDJからのハードグルーヴから一気に流れが変わった瞬間。空間の奥行きがワイドなトラックが瞬時にニュー・ゲルニカをジャックしていく。手元がオーディエンスから見られない位置に、DJブースがあるため、お客からは何をやっているかわからないので、あえて大げさに機材を操作したり、キーボードをたくさん弾いたり、各パラアウトの音量をあえて不揃いにしたり、わかってもらえるようなパフォーマンスを絶え間なく行った。途中で人の流れをみながら、ライブの方向性を修正しつつも後半にはアルバムからの楽曲、また過去作品を怒涛のようにいれ込んでいく。国を超えて日本人が作ったテクノを楽しんでくれているオーディエンスの表情がみえたこの瞬間こそが、毎回の公演をライブで勝負していくことの楽しみである。
<Tokyo Love Hotel>
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