一流の美術商が一堂に集う『2019 東
美アートフェア』 刀剣を扱う美術商
も出展

一流の美術商が一堂に集うアートフェア『2019 東美アートフェア』が、2019年10月4日(金)〜6日(日)の3日間、東京美術倶楽部(会場:東京都港区新橋6-19-15)で開催される。
日本を代表する102軒の美術商が一堂に集まる『2019 東美アートフェア』では、仏像等の歴史的な彫刻をはじめ浮世絵や屏風等の絵画、現代アートから漆器等の工芸まで、様々な分野や生活様式に相応しい美術品を一斉に披露する。
刀剣を扱う「日本刀剣」を含む2軒の美術商が出展
『2019 東美アートフェア』では、102軒のギャラリーの内、刀剣を扱う「日本刀剣」と古典籍・書画・文房四宝他を扱う「玄海樓」の2軒が今回より出展する。刀剣は、武家の歴史と職人の技が生んだ特殊なジャンルだが、ここ数年は『刀剣乱舞』というゲームなどをきっかけに、女性の間でもひそかなブームとなっている。1386年に作られた彫りの入った備州長船末次という刀身だけでなく、鞘や柄にも技巧を凝らした作り手のこだわりが見られる。特に飾りに拘った鐔は、海外コレクターの間でも人気を博している。日本の様々な伝統工芸の手法が凝縮された「金梨子地家紋散金蒔絵鞘 細太刀拵」は見るほどに味わい深さが増す一品だ。
時代を超えた美術品と日本を代表する美術商の工夫を凝らしたブース展開
「色絵蔦図角皿」尾形 乾山 3-1 上原永山堂
工芸は、日本で「用の美」と言われるジャンル。尾形光琳の弟、尾形乾山の手による「色絵蔦図角皿」は、タタラによる型打ち成形で、見込みには紅葉する蔦が描かれており、琳派の特徴とも言える日本の伝統を尊重しつつもデザイン性の高い装飾が魅力だ。また、昨年“幻のやきもの”といわれる初代 宮川香山が話題となったが、今年は二代 宮川香山(眞葛香山)の立体的な美しさを持つ菓子鉢、青磁釉 「河骨に翡翠」に出会うことができる。
「時雨美人図」上村 松園 3-28 かどまつ誠心堂
女性の美人画巨匠、上村松園の「時雨美人図」は、女性の視点から描かれた日本画。松園の繊細なタッチによる清楚にして端正な表情、それを華やかに彩る髪飾りや着物の動きと模様、しなやかな仕草、背景による季節感からは日本独特の優美さが感じられる。
「東京」岩波 昭彦 4-31 西邑画廊
現代美術としては、岩波昭彦の都市の肖像画「東京」。歴史画家を志していた岩波昭彦が都市の肖像画家となったのは、美術記者として多くの現代美術家と接して刺激を受けてきた経験が活きている。近年では抽象表現にも挑戦し、綿密に描かれた都市の肖像画と表現主義的に描かれた抽象画、この二面性の眼差しを持っている。
『2019 東美アートフェア』では、このような時代やジャンルを越えた美術品を、ガラスを隔てず身近に鑑賞し、購入できる。さらに、3フロアに102軒の美術商が、それぞれ未来へ伝えたい美術品の魅力を最大限に引き出すよう工夫を凝らしたブース展開を行う。

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