【SPICY CHOCOLATE インタビュー】
人生は出会いと別れでできている

SPICY CHOCOLATE

常に聴き手を驚かせるゲストを迎え、心地良い楽曲を聴かせてくれるSPICY CHOCOLATE。新作の配信EP『最後のPiece feat. シェネル & Beverly』には、シェネルとBeverlyを迎え、カップリングにはLeolaとRAYという若手実力派を大抜擢! 今作に託した“出会いと別れ”というテーマについてや、新しい楽曲を作るためにしていることなどを、じっくりと話してもらった。

出会いと別れ、一期一会が
大きなテーマ

前作のアルバム『スパイシーチョコレート BEST OF LOVE SONGS』から今回のEP『最後のPiece feat.シェネル& Beverly』を作るまでに、どんな試行錯誤があったのですか?

前作のアルバムをリリースしたあとに、『シリタイ feat. C&K & CYBERJAPAN DANCERS』や『THE JUNGLE MIX UP』をリリースして、他にもライヴをしたり、プロデュースワークだったりいろいろ動いていたんですけど、リリースについては、約1年空いてようやくというかたちです。正直うずうずしてましたね。今回のEPは、出会いと別れ、一期一会を大きなテーマとして考えました。

何かきっかけがあったんですか?

最近になって、人生は一期一会だということをより感じるようになったんです。生を受けて一番最初に出会うのがお母さんで、それからお父さんに会って、兄弟に会って、おじいちゃんおばあちゃんに会う。そこから外に出るようになって友達や恋人など、さまざまな出会いがありますよね。でも、その関係はずっと続かないし、出会ったら必ずどんなかたちであれ、別れが来るんです。だからこそ、人生の一瞬一瞬で手を差し伸べてくれる人、助けてくれる人、そして心の隙間に寄り添ってくれる人や理解してくれる大切な人たちを大事にしないといけない。それは男女の恋愛だけというよりも、大切な人…出会った人に対する感謝の気持ちを持つことができたらいいよねというテーマのもと、楽曲制作に入りました。

確かに、ものすごく広い愛を感じました。

最初はラブソングとしてとらえてもらえればいいと思ったんですが、何度も聴いていくうちに、“こんな意味もあるんじゃないかな”と気付いてもらえたらと思っています。

でも、このテーマって結成当初からずっと変わらず、芯としてありますよね。

気付いてくれて嬉しいです。良かった、ぶれてなくて(笑)。

あはは。

この10年で“出会い”って人と会うだけじゃなくて、例えばSPICY CHOCOLATEの曲を聴いてくれている人たちも僕にとっては出会いだと思うし、目に見えているものだけが出会いじゃないということにも気付いて。毎回“聴いてくれる人たちに何を届けたらいいんだろう?”ということを考えてきたからこそ、改めて今回のテーマで歌おうと思ったのかもしれないですね。

聴き手への見え方も変わると、歌詞の言葉も変わってくるのではないでしょうか?

そうですね。前は自分の好きなものを押し付けるようなニュアンスがあったんですが、聴いてくれる人たちがいるからこそ、自分たちが存在できるということも実感するんです。そんな人たちに聴いてもらいたいと思う楽曲だからこそ、より言葉もこだわるようになりました。

どんなアーティストさんよりも出会いが多いのがSPICY CHOCOLATEだと思うのですが、今回はシェネルさんとBeverlyさんという、ビックなおふたりを迎えているんですね。

外国の方、かつ母国語が英語とフィリピン語でありながら、その人たちが日本語で上手に、しかも心に染みる曲を歌うというのはありそうでなかったと思うので、こういった試みはSPICY CHOCOLATEが初になるんじゃないかなと思っています。

どういった基準でこのおふたりになったんですか?

最初にBeverlyちゃんの歌唱力の高さに惚れ込んでオファーを掛けさせてもらいました。次に、もうひとり誰かを迎えたいと思った時に、男性アーティストも考えたんですが、それよりも女性同士のほうがイメージが沸いたんですよね。その瞬間、シェネルさんが思い浮かんだんです。シェネルさんは前に「うれし涙 feat. シェネル & MACO」(2014年7月発表の配信シングル)という曲でご一緒させてもらっているので、“絶対に良くなる”と思ったんですよね。

おふたりは初対面だったんですか?

はい。でも、シェネルちゃんはアメリカのお国柄なのか、ハグから入ってとても仲良くやってくれました。逆にBeverlyちゃんのほうが緊張してましたね(笑)。シェネルちゃんがその緊張をほぐしながらやってくれたのですごく助かりました。本当にいいムードメーカーなんですよ。

歌詞はどのように作られたんですか?

先ほど話した出会いと別れというテーマを話して作り上げていったような感じです。歌詞に関しては、レコーディング中にいいものは採用し、余計なものを削ぎ落としていく作業なんですよ。

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