CSN&Yの『デジャ・ヴ』は
70sアメリカンロックの進むべき道を
提示した圧倒的な名盤
短命なようでいて
長い付き合いのグループ
https://okmusic.jp/news/68210/
彼らはそれぞれソロアーティストとしても一流であるだけに、ひとりひとりが大きな個性を持っている。普通、あまりに個々が主張しすぎるとグループ活動に支障が生じるものだが、彼ら4人が集まった時にはその力が4倍かそれ以上になるというのが大きな強みである。特にヴォーカルについては、全員がハーモニーを何より大切にしているところがCSN&Yというグループの最大の魅力なのだ。
スティーブ・スティルスと
ニール・ヤングの不思議な関係
ただ、75年にスティルスのソロライヴになぜかヤングが参加し、翌年にはスティルス・ヤング・バンド名義でアルバム『太陽への旅路(原題:Long May You Run)』をリリースしている。このバンドでツアーも行なわれたものの、やはり衝突しツアー途中でヤングは抜けてしまっている。喧嘩別れは、これで3回目である。その後、CSN&Y名義での3枚目となる『アメリカン・ドリーム』(‘88)をリリースしているが、この時はクロスビーのドラッグ中毒が問題であったためにスティルスとヤングの間に大きな衝突は起こっていない。それにしても、ひっついたり離れたりを何度も繰り返す彼らふたりが不思議な関係であることは間違いない。
天才ニール・ヤング
ヤングがこれまでにリリースしたアルバムは50枚以上で、さまざまな音楽的なチャレンジを行なってきた。ロック史上に残る名盤の数は多く、パンク、ヘヴィメタ、フォーク、グランジ、アバンギャルド、カントリー、ソウルなどなど、彼が影響を与えたアーティストはジャンルを問わず数多い。特にカート・コバーン(ニルヴァーナ)、エディ・ヴェダー(パール・ジャム)、サーストン・ムーア(ソニック・ユース)など、90年代のオルタナティブ系ロックに与えた影響は絶大である。ダイナソーJr.に至っては、爆音でニール・ヤング風の音楽を演奏するという理由で結成されているのだ。黒人アーティストのリック・ジェームズもモータウンからデビューする前はニール・ヤングのコピーをしていたそうだ。
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