尽きぬ熱狂の宴。Soanプロジェクトw
ith芥が描き出したのは、絶叫と拳が
上がり続けるジェットコースターのよ
うな狂乱のライブ!!
Soanプロジェクトwith芥としての2019年のライブは、先に2マンシリーズを通して幕を開けていた。とはいえ、ワンマン公演という形は今回が今年初となる。
1月27日(日)、Soanプロジェクトwith芥は3rdミニアルバムと同じ「『動猛成る狂想、動脈に射つ。』~2019 1st Oneman Live~」とタイトルを掲げ、Soan/芥(from Chanty)/K/Shun(from DuelJewel)/Ivyというお馴染みの仲間たちと一緒に池袋EDGEの舞台に立っていた。ここからは、あの日の熱狂の模様をお伝えしようか。
「派手にいこうか!!」、Soanの煽りを受けて飛び出したのが『朽ち木の行方』だ。雄々しく、何より気高さを持って牙を剥く演奏に、身体が激しく騒ぎだす。誰もが叫びたい感情を、頭を振り、身体を折り畳み、大きく手を振り、跳ね続けることで舞台上へぶつけていた。頭上高く掲げた両手を打ち鳴らすたびに理性が消えてゆく。むしろ、現実など頭の中からすっほり消し去ってくれ!!
ここで、同期のデータが飛ぶというハプニングが。ならばと、ここは生演奏だけで勝負。それくらい、今宵のメンバーたちの気持ちは最初から熱く燃えたぎっていた。しかも、同期の音を埋めていたのが観客たちの絶叫。荒ぶり疾走する『隔つ虚構紡ぐ真実と憧憬』の演奏に合わせ、沸き上がる気持ちを拳と叫びに変え全力で舞台上へぶつける観客たち。その熱に浸りながら冷静でなどいれるわけがない。雄々しく叫びながら、想いを求める芥。その声に、熱を降り注ぐ観客たち。互いに気持ちを剥き出しに感情をぶつけあう。これこそが、ライブだ!!
Soanの大地を揺さぶる原始的なドラムソロを挟み、ライブは『濁った瞳』へ。芥の「濁った瞳は」という声に触れたとたん、彼の歌声に気持ちがグッと引き寄せられた。猛々しい轟音が渦巻く中、芥は揺れる気持ちのまま、抑揚した声を持って嘆く心を歌いあげる。その歌声は、濁った景色の先に、無垢な心の嘆きと純潔な想いを映し出していた。
赤く濁った音の中から沸き上がるスリリングな空気。張り裂けんばかりの痛みの中から、生を持った声のように『sign…』が響きだした。演奏が進むごと、脈動した赤い力を増してゆく歌と演奏。その境界線を超えたら身体が切り刻まれそうだ。でも、その誘惑に手を伸ばしたくなる。スリリングな衝撃をしっかり心で受け止めていたい。まさに、そんな気分だ!!
「さぁ、踊ろうかー!!」。感情のブレーキを取っ払うようにSoanプロジェクトwith芥がぶつけたのが、『躁狂の踊り子~山紫水明の宴~』だ。「飛べ飛べ飛べ飛べ」の煽りへ呼応するように、会場中の人たちが手にしたタオルを振りまわし、熱狂の踊り子となり、全力で右へ左へ駆けだした。「踊れ」「歌え」「狂え」、芥の声に触発され、誰もが喉を枯らす勢いで声を張り上げ、何度も何度もタオルを振りまわし右へ左へ駆け続けていた。理性をすべて消し去り宴人となる。この熱狂こそ、Soanプロジェクトwith芥のライブに相応しい風景だ。
続く『arrive』でも、猛り狂った宴は終わりを知らずに繰り広げられていた。絶叫と熱狂が支配する空間の中、魂を揺さぶる強靱なダンスロックに乗せ、誰もが祭りを彩る跳ね人となり、我を忘れ、宴に熱狂の花を咲かせ続けていた。「求めれば求めるほどに失うのが怖くなる」。ならば、失わないように、その熱を止めなければいい。彼等が導くままに飛び続ければ、それでいい!!
「そのパワーで、向こうまでいこうかー!!」。本編最後にぶつけたのが、『frowery count』だ。会場中の人たちが演奏に合わせ絶叫し、頭を振り乱し、拳を突き上げ、一体化した狂乱と恍惚と歓喜の様を創り出していた。この日もSoanプロジェクトwith芥は、止まることなき熱狂呼び起こす宴を描き続けてくれた。緩みを知らないジェットコースターのように、一度Soanプロジェクトwith芥のライブへ飛び乗ったなら、彼らが宴を止めるまでは、終始熱を上げながら、熱狂の限界を超えた先の風景を求め続けたい。限界を超えた先には、日常では出会えない自分と出会える。それを味わいたくて、みんなここへ集うのだから。
「プロジェクトが3年続いていくって、稀に見ることだと思います。ぞれぞれの歩いてきた道が繋がってこの空間が出来ています。今年は、愛や恋を紡いで、愛にあふれた年にしましょう。そして、未来に向かって突き進みましょう。」(芥)
「降りしきる雨がいくら強かろうと、この傘を射して一緒に進めたらいいなと思います」。芥の言葉に続き、放熱し続けた宴を優しく抱きしめるよう、最後の最後にSoanプロジェクトwith芥は『紫陽花がまた咲く頃に』を届けてくれた。ライブという場に生まれた空気をそのまま吸い込んだ『紫陽花がまた咲く頃に』は、何時も以上に熱を発しながら、会場中に心を熱く揺さぶる想いの雨を降らせていた。こんなにも肌に嬉しく刺さる想いのこもった雨なら、いくらでも全身に浴びていたい。その熱が、僕らを紫陽花のように綺麗な心に生まれ変えてゆくのだから。
次にSoanプロジェクトwith手鞠とSoanプロジェクトwith芥に同時に出会えるのは、振替公演となった5月19日の新横浜公演、6月1日と2日の高田馬場AREAになる。6月はSoanプロジェクト始まりの日であり、Soanの誕生でもあるように、ぜひ、祝福の宴を、また共に作り上げようじゃないか。
PHOTO:インテツ
TEXT:長澤智典
Soanプロジェクトwith芥Member
Soan/芥(from Chanty)/K/Shun(from DuelJewel)/Ivy
『月欺けば傀儡が笑う』
『朽ち木の行方』
『薄紅は舞い散り寂光に消える』
『隔つ虚構紡ぐ真実と憧憬』
『透過幕』
『濁った瞳』
『sign…』
『undelete』
『躁狂の踊り子~山紫水明の宴~』
『arrive』
『hysteria show time』
『frowery count』
-ENCORE-
『月欺けば傀儡が笑う』煽りループver.
『紫陽花がまた咲く頃に』
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