【NOISEMAKER インタビュー】
自分たちがやりたいことを
思いっ切りやる
L→R UTA(Dr)、HIDE(Gu)、AG(Vo)、YU-KI(Ba)
ミニアルバム『RARA(ララ)』は文句なしの傑作だ。オルタナティブな音楽と精神を体現した今作の楽曲はバラエティーに富み、どの楽曲にもキャッチーなメロディーが息付いている。著名なストリートアーティストであるWK Interact(以下、WK)とタッグを組んだアートワークを含め、己のルーツと向き合った内容について、AG(Vo)とHIDE(Gu)を直撃した。
NOISEMAKERのここ最近のライヴを観ると、吹っ切れた凄みを感じます。バンドがすごく良い状態なんだなと。
AG
バンドがより強くなった感じがしますね。ステージで発する言葉も変わりましたから。“歌わせてくれてありがとう”という言葉も今までは出てこなかったし。当たり前のことが当たり前じゃないことに気付けたことが大きくて。
HIDE
全てにおいて本気ですからね。だから、壁(渋谷の壁にジャケのアートワーク)に絵を描いちゃうし(笑)。
なるほど。今作はめちゃくちゃカッコ良い作品ができましたね! 本当に素晴らしかったです。
AG
ありがとうございます。ただ、制作期間はライヴも多かったので、正直言ってめっちゃ辛かったです。
HIDE
“このセクションは新幹線で作ったな”って(笑)。
AG
ははは。前作を超えようと意識していたので、それは達成できたかなと。4曲目「To Live Is」、5曲目「Dharma Light」、6曲目「One Day」はもっとオルタナティブで、日本にはないような音にチャレンジしたくて。
HIDE
ラウドと言われがちだけど、さっき挙げた3曲はそう思われないかなと。似たような曲はいらないから。
AG
捻くれてるのかもしれないですね。こういう音が来ているなら、逆に行ってやろうと。「YayYayYayYayYayYayYayYay」では初めてエフェクターを使ったり。
HIDE
昔の曲を聴くようになったんですよね。そういう影響もあってギターはシングルコイルでファズを使ってたり、「YayYayYayYayYayYayYayYay」はジミ・ヘンドリックスと同じ設定なんですよ。バンドサウンドは70〜80年代のU2やAC/DCみたいな雰囲気にエレクトロを加えて、ミックスは今っぽくしたら、ちょっと変わって聴こえるかなと。
以前はフロアーとの一体感を意識した曲も多かったじゃないですか。今作は曲調の幅も一気に広がりましたね。
AG
ライヴ以外の絵も浮かぶ音楽というか、日常に溶け込むような曲も作りたくて。ジャケットもこんなふうになるとは思わなかったし。影響を受けたバンドが00年代のバンドが多くて、ヴォーカルが個展をやったりとか…LINKIN PARK、INCUBUSとか、そういうバンドが自分たちのルーツにありますからね。今回、WKにお願いしたのも、僕らがアートにのめり込んだきっかけになった人なんだけど、ダメ元で言ってみたらオーケーをもらえたんですよ。本人からは“音を聴いて決めた。お前らは俺と組んだら羨ましがられるな”って言われました(笑)。
そもそも、このタイミングで自分たちのルーツに目を向けようと思った理由は何ですか?
AG
ほんとに自分たちがやりたいことを思いっ切りやってみようと。ストリートアーティストとコラボしたのも、自分たちがそういうカルチャーに影響を受けたからだし。それを今のキッズにどう伝えるかは課題ですけどね。音楽とアートは密接につながっていることを伝えられたらいいなと。
音楽的にも自分たちのルーツを意識しました?
HIDE
難しく考えずに曲をたくさん作ったんですよ。
AG
なるべく日本語を入れたい気持ちはありました。ほぼ英語ですけど、一番重要なところに日本語を入れようと。海外に目を向けた時に日本語は武器になると思ったんです。2カ国語を操ることができるのも自分たちの血やアイデンティティーにもつながるし、日本のバンドとしてのプライドを持って発信しようって考えられるようになったことも大きいですね。
自分たちの内側にあるものをより掘り下げてますよね?
AG
そうですね。原点というか、削ぎ落として、音楽そのものが持つ力やシンプルな良さに行き着いたのかなと。
HIDE
「One Day」の間奏のドラムってシャッフルの曲は3連符だけど、あそこだけ16連符になるんですよ。そこだけ聴いたら映画のサウンドっぽい響きもありますからね。
「Dharma Light」はスケール感のある曲調ですね。
AG
ギターは懐かしい臭いがしますからね。
HIDE
NIRVANAっぽい雰囲気を意識しました。
今作の中で「To Live Is」は一番驚きました。こんなにさわやかな曲をやるんだ!と。
HIDE
メンバーに聴かせたら“大丈夫?”って言われました。UTAが“The Beach Boysじゃん!”って(笑)。この曲はU2を聴いて、広い感じの曲がいいなと思って。
AG
スタジアムロックもカッコ良いなと思って、それを自分たちで表現したらどうなるかなと。前より“なし”がなくなってきたかもしれない。好きなんだからいいじゃん!って。
以前はバンド内で音楽的タブーがあったんですか?
AG
何かに近かったらボツにしてました。ネタバレしたくないみたいな。でも、JESSEさん(RIZE、The BONEZ)と話した時に、“あのバンドみたいじゃん”って言われても、好きなんだからいいじゃんって。だから、影響が見えることは良いことなんだなと。
今回の歌詞もよりリアルになってますよね?
AG
そうですね。自分が感じていることを素直に書いただけなんですけどね。器用に生きれないし、迷うこともあるし、自分の嫌なところもあるけど、それを受け入れた強さというか、それも自分なんだなと。みんな何かしらを抱えているし、みんな同じじゃないかなって。泥臭いほうが伝わるだろうし、それがもっとできるようになりましたね。
HIDE
今回は曲名も分かりやすいし、伝わりやすいのかなと。アルバム名の“RARA”(特別な人・物という意味)もいいですよね。かわいいし。
AG
ロックバンドっぽくはないけどね(笑)。
取材:荒金良介
アーティスト
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