【初詣】あなたもやってしまっている
かも!? 意外とやりがちなNG行動&正
しい行動

来年の初詣は、誰と一緒に出かける予定ですか? 一緒に行った人とも有意義に過ごすためには、マナーをきちんと守りたいもの。そこで今回は、意外と気づかない初詣のNGマナーをマナーコンサルタントの西出ひろ子さんに教えていただきました!

初詣といえば、新年一発目の重要な行事! きっと、毎年、楽しみにしている人も多いのでは?
この記事の完全版を見る【動画・画像付き】
そんな初詣の最中、実はマナーとしてNGな行動を知らずのうちにしてしまっていることも。
そこで今回は、マナーコンサルタントの西出ひろ子さんに、初詣でやりがちなNG行動について、なぜNGなのか、そして正しい行動を教えていただきました。
1: 手水舎で柄杓(ひしゃく)に口をつける西出ひろ子さん(以下、西出)「NGな理由は2つ。神社は清浄さをモットーにしています。
手水舎では、参拝前に口を清めるためにすすぐものですので、水をくむ柄杓に直接口をつけるのは、失礼に当たります。マナーは相手の立場に立つこと。人だけでなく、物に対しても失礼のないように、思いやりを持って扱う必要があります。
もう一つのNGな理由は、他の参拝客の方のことを考えていないため。自分も知らない人が口をつけたものを使いたくないですよね。また水の中にも自分の口の中のものが移ってしまいます」
正しいやり方
西出「柄杓は右手にもち、水をくんだらまず左手に、続けて右手に水をかけます。次に、左手の平に水をくんで、その手の平を口元に持っていき、口をすすぎます。
終わったら口元に持っていった手を再び水で清め、最後は残った水で柄杓の持ち手の部分に水をかけて清めてから元の位置に戻します。
柄杓に水をくむのは、最初だけです」
2: 他の参拝客のお賽銭の金額を気にする西出「神社は、神様へ感謝し、自分がつながる場所でもあります。ですから他人のことを気にして『お賽銭いくらなのかしら?』という邪念は入れてはいけない場所といえます」
正しいやり方
西出「お賽銭は、金額は関係ありません。日頃の感謝の気持ち、敬いの気持ちなどの気持ちが一番大事です。競うものではありません。
無理なくできる金額でかまいません。また五円玉も、“ご縁がある”といわれるので、縁起を担ぐ意味でも行うといいでしょう」
3: 凶のおみくじをその場で破り捨てる西出「ものに対しても思いやりを持って行動するのがマナー美人です。
もし自分がおみくじだったら、破り捨てられると嫌ですよね。自分がされていやなことは人にも、ものにもしないようにしましょう」
正しいやり方
西出「凶は最悪ではないという考え方を持つのが良いと思います。悪いことを前もって警告してくれているのです。
凶が出てくれたおかげで、慎重になれて良かったという受け取り方をすることもマナーなんですよ。
こういう気持ちを持って、おみくじ、すなわち、神様に『ありがとうございます』と心で感謝します。落ち込むことはありません」
4: おみくじを指定外の場所にくくりつける西出「おみくじをくくりつける指定の場所がある場合、他の場所にくくりつけることは、神社側としては迷惑になりますよね。
勝手に他の木などにくくりつけると、大事な木を傷めることにもなってしまいます」
正しいやり方
西出「マナーは相手の立場に立つこと。指定されたところにくくりつけましょう。
また、おみくじは持ち帰ってもかまいません。
大事に持っておき、お守り代わりにしてもいいですし、きれいなところに置いておいたり、あとで読み返したりしてもいいといわれています」
5: 空いているからと参道の中央を歩く西出「意外と知らない人が多いのですが、参道の中央は、神様が通る場所といわれています。
神様を敬う気持ちから、本来は歩かないとされています」
正しいやり方
西出「両端、いずれかの場所を歩きましょう。
しかし初詣などの時期は特に参拝客が多く、真ん中を歩かざるを得ないこともありますね。
しかし、こういうことを知った上で、自分は端を歩くように心がけるといいのではないでしょうか」
初詣の目的は
6: お守りや可愛いグッズを買う目的だけで訪れる西出「まず、なぜ初詣に行くのかという、本来の目的を振り返ってみてください。
初詣は、神様に日頃の感謝に伝えるために行きます。
確かに可愛いものが売られていることもありますが、それは『買う』とはいわず、『納める』というものです。普段のように、お店に買い物に行くようなこととは違うということも意識しましょう」
正しいやり方
西出「初詣は神様に感謝を伝えに行く機会。それを踏まえた上で、お守りなどを求めましょう。
ここで、初詣は『今年一年、良いことがありますように、とお願いのために行くのではないの?』と思う方もいるかもしれませんね。私は、まず感謝しないと自分の願いは叶えてくれないと思っています。
それは人間関係でも同じこと。普段、挨拶もしないような人に、『本貸して』と言われても、貸したくありませんよね。
それと同じで、普段、まったく神社に行ったり、神様のことを考えたりしていないのに、新年だけ、もしくは困っているときだけ願いごとをするというのは虫が良すぎるように思いませんか?
ものごとには順序があります。まずは感謝。ただ、今年もみなさんが健やかでいられますように、幸せでいられますように、とお願いすることはいいことだと思っています」
7: 大声で盛り上がる西出「新年に友人と集まるなどするとテンションが上がってしまい、声が大きくなりがちです。
しかし、神社にかかわらず大声で内輪で盛り上がるのは、周りの方々にご迷惑をかけてしまいます。
神社だけでなく他のところでも周囲を十分に意識しましょう」
正しいやり方
西出「特に神社は神聖なる、清い場所。初詣は、神様に感謝するために行っているということを思い出して行動しましょう。
初詣は厳かな気分で訪れる人も多いものです。周囲の人への気遣いも忘れないようにしましょう」
8: 露出の多い服装で行く西出「服装については、『日中は肌を見せない』のがマナーです。
日中のパーティーであれば、長袖ロングのスカートが正式な服装です。神社は神聖な清浄なる場所ですので、露出の多い服装はふさわしくありません」
正しいやり方
西出「できれば正装で行くこと。それが敬意を払うことになります。着物はその点、いいですね。袖も丈も長いですし。日本はもともとそういう文化があります。
とはいっても、新年ですし、オシャレはしたいですよね。もしどうしてもミニスカートを履くのなら、せめてタイツを履いたり、ストールを持参して座ったときにかけたりなどすると、女性らしいという印象を与えます」
9: 他人が写っている写真をSNSにアップする西出「神社での撮影をするのであれば、初詣は特に混雑して周りに人が多くなります。
そんなときに、自分たち以外の人が映っているのをSNSにアップしないように注意してください」
正しいやり方
西出「自分たちだけの写真をアップするようにしましょう。
他の知らない方が写っている場合は、その写真はアップしないか、分からないようにしっかりと加工するなどして、個人情報の管理をしっかりと、責任を持って行いましょう」

初詣は毎年楽しみにしているという人は、ぜひこれらの行動をやってしまっていないかチェックして、正しいマナーの行動を実践してみてください。
きっともっと良い初詣の一日になるはずです!
一年の始まり、マナーを守って気持ちよく迎えましょう。
【取材協力】西出 ひろ子さんプロフィール
マナーコンサルタント・美道家
「マナーは互いをハッピーにするもの」と提唱しているマナー界のカリスマ。ヒロコマナーグループ 代表として、企業や学校などで人財育成教育を行う研修やコンサルティングを国内外で展開中。
2019年 NHK大河ドラマ「いだてん 東京オリムピック噺」をはじめ、NHK大河ドラマ「龍馬伝」「花燃ゆ」、NHKスペシャルドラマ「浮世の画家」「白洲次郎」、日本テレビ「プリンス オブ レジェンド」、映画「るろうに剣心 伝説の最期編」「プリンス オブ レジェンド」などドラマや映画で、多くの有名俳優や女優にマナー指導もおこなっている。
著書・監修は、高橋真麻さんが帯で推薦している「運命を味方につけるプリンセスマナー」(河出書房新社)など、国内外で85冊以上。

アーティスト